TOEICのカリスマ講師直伝! 本番で解くべき問題を見抜く力【初級・中級者向け】
Vol.11:TOEICのカリスマ講師直伝! 本番で解くべき問題を見抜く力【TOEIC初級・中級者向け】
関正生先生(以下、関先生) スコアで言えば600点前後を目指す人が解くべき問題を集めた模試なので無駄な問題はひとつもありません。このような構成にした狙いは、TOEICテストで「自分が解くべき問題を見抜けるようになること」。
言い換えれば、テスト本番でできない問題はすぐに諦めがつくようになる。それはそれで他の問題を解くための時間を稼ぐことができるので、いいことです。
TOEICテストで一番やってはいけないのは「頑張って粘りぬいて間違えること」。時間をかけて間違える状況を作ってはいけない。600点でも800点でも、目指すスコアは関係なく、分からない問題をすぐに切り捨てる心構えは大きな武器になります。
この感覚を養うための模試です。易しめの問題に絞ったのはそれが目的だからです。
―――なるほど。本番で勉強してきたことを全部出し切ることが、スコアップにつながりますもんね。
関先生 「スコア別の対策本」は山ほどありますが、「スコア別の模試」はありません。だからこそ、初級から中級者用の模試を作りました。スコアを出し切れない人は、少なくとも数万人はいますから。
あと、もう1つ。今回は「英語力をつける」というのもテーマに入れました。
例えば「in line(列になって)」という熟語が当てはまる様子が写真描写に出てくる場合、列になっているから「in line」ではなく、この「in」の意味は何なのかを知る。こういった英語の解説に徹底的に力を入れました。“神は細部に宿る”ではないですが、英語の実力をつけるうえで、こういった基本をしっかりと抑えることを怠ってはいけません。
模試はスコアを出して終わりではない。模試のスコアを知ったところで、来るべきテストのスコアを約束するものではありませんから。
スコアよりも英語の実力をつけるための模試。「この模試をやったから英語ができるようになった」という風に思えるものこそが模試だと思う。そういうわけで、20年の講師経験の中で役立ててもらえた英語の解説の限りを尽くしました。
―――気持ちの切り替えができれば、解けなかったリスニング問題も尾を引かなくなりますね。
関先生 「Part 2は引きずるな。次に行け」、これは僕に限らず多くのTOEIC講師が声を揃えていうことです。答えに迷ったり、もう少し考えればわかるような気がすると言ってみたり、引きずる人が多い。
答えがわからないときは Bにするとか、AとBで迷ったら Aにするとか、自分なりのルールを決めておくのも、引きずらないための作戦です。
関 正生(せき・まさお)
スタディサプリ講師。慶應義塾大学文学部(英米文学専攻)卒業。TOEICはほぼ全ての公開テストを受験し、問題分析や傾向変化を研究。990点満点を取得しつづけている。2016年からの新形式問題でも満点取得済み。
著書『世界一わかりやすいTOEICテストの授業』(KADOKAWA)などの「世界一わかりやすい」シリーズはベストセラーとなり、多くの世代の学習者に読み継がれている。
過去教鞭をとった予備校では、250人教室満席、朝6時からの整理券配布、立ち見講座、1日6講座全席満席なども。
■スタディサプリ:https://studysapuri.jp/course/teachers/sekimasao/(外部リンク)
■twitter:@sekimasao(外部リンク)
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