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英会話イーオン 三宅義和社長インタビュー「日本人に合った学習法を実践」

イーオン三宅様ヘッダー

 英会話は、企業の英語公用語化や、大学入試での英語4技能試験の導入、2020年の東京五輪開催など多くの影響により、成長市場として注目を集めています。英会話スクールとして全国47都道府県に249校を展開する英会話イーオン(以下、イーオン)が、オリコン顧客満足度ランキング「英会話スクール」で初の総合1位を獲得しました。今回、代表取締役社長・三宅義和氏に、顧客に満足していただくための施策や社員教育などについて伺いました。

学校で学んだ基礎を活かして“使える英語”に

━━総合1位受賞おめでとうございます。まずは率直なご感想をお聞かせください。

三宅義和氏(以下、三宅) ありがとうございます。顧客満足度は、イーオンが提供するサービスそのものに対する評価なので、大変光栄に思っています。特に、評価項目として1位をいただいた「講師」「カリキュラム・教材」は、創設以来45年間、力を注いでまいりましたので、高い評価をいただけたことを非常に嬉しく思っています。

お話を伺ったイーオン代表取締役社長 三宅義和氏

お話を伺ったイーオン代表取締役社長 三宅義和氏

━━評価項目の中では、「講師」「カリキュラム・教材」だけでなく、「英語の習得度」も1位でした。顧客に学習効果を実感させ、満足までつなげるのはなかなか難しいことだと思うのですが、調査時には「先生の指導も的確な印象で、テキストも分かりやすく、レッスンの効果は確かに感じられる」(男性/30代)など習得を実感する声がありました。支持を得ることができた要因をどのようにとらえていらっしゃいますか。

三宅 何よりも“日本人に合った学習法”を考え、実践しているからだと思います。日本人は中学高校で英語を学んでいるものの、話すことができないために、学校の英語の授業は役に立たないと言われたりもしますが、実際、学校では非常に重要な基礎を学んでいます。イーオンでは、その基礎の知識を活かせるカリキュラムと、日本人の弱点を徹底的に分析・開発したオリジナル教材を提供し、さらに実践的なクラスで英語をどんどん使うことで、「話せる英語」「使える英語」を体得できるようにしているところが評価をいただけたのではないかと思っています。

日本人の弱点を徹底的に分析・開発したオリジナル教材(提供:イーオン)

日本人の弱点を徹底的に分析・開発したオリジナル教材(提供:イーオン)

三宅 また、「講師」の評価にも通じることですが、当社には外国人教師と日本人教師の両方が在籍しています。日本では、「外国人教師がいいか、日本人教師がいいか」、「1対1のレッスンがいいか、グループレッスンがいいか」など、AかBかのどちらかに決める議論が行われがちですが、日本人が英語を上達するためには、どちらも必要です。

 ネイティブの先生には、発音はもちろん、ネイティブならではの表現や文化を教えられる良さがありますし、日本人の先生には、同じ日本人だからこそアドバイスできる、具体的な学習法や上達するための効果的な方法を教えられる良さがあります。日本人教師は帰国子女から留学経験のある人、日本で英語をとことん学んだ人など様々な経歴をバラエティ豊かに揃えているところもイーオンの強みだと思っています。

外国人教師と日本人教師の両方が在籍(写真はイメージ/提供:イーオン)

外国人教師と日本人教師の両方が在籍(写真はイメージ/提供:イーオン)

英語を教えることは生徒の人生に関わること

━━「熱心な先生がいらして、文法やスピーキングなど納得がいくまで付き合ってくださいました」(女性/30代)という声がありましたが、教師やスタッフに対しては、顧客満足度を上げるために、どのような指導をされているのですか。

三宅 英語を教えるということは、単純にひとつの言葉を教えるのではなく、生徒さんの人生に関わることなので、心を込めて授業をすることがどんなに大切かということを話しています。イーオンが大切にしているのは、必ず生徒さんに上達してもらいたいという熱意です。その熱意を持ってもらえるよう、教師やスタッフには私からも熱い思いで常日頃から伝えています。

教師やスタッフには心を込めた授業の大切さを指導(写真はイメージ/提供:イーオン)

教師やスタッフには心を込めた授業の大切さを指導(写真はイメージ/提供:イーオン)

英語力を発揮する機会として“生徒がガイド役のバスツアー”も開催

━━レッスンやカリキュラム以外で、顧客満足度を意識したサービスはありますか。

三宅 英語上達を目に見える形で実感することが、学習効果を高めるためには非常に重要だと考えておりますので、TOEICや英検準1級などの資格試験への挑戦をお勧めし、受験のための特別集中講座などを行っています。さらに、レッスンで培った英語力を教室の外で発揮する機会を提供するべく、観光客役の外国人教師とガイド役の生徒さんが英語で観光地を巡るバスツアーや、英語でランチを楽しみながらテーブルマナーを学ぶクリスマスランチなど、「英語の休日」と題したイベントも定期的に行っており、毎回大変ご好評をいただいております。

英語で観光地を巡るバスツアーの様子(提供:イーオン)

英語で観光地を巡るバスツアーの様子(提供:イーオン)

━━顧客の要望から生まれたサービスはありますか。

三宅 予習復習をもっと便利にしたいという声から、DVDでお渡ししていた自宅学習のための教材を、自宅学習サポートサイト「イーオン・ネット・キャンパス」上で公開し、パソコンだけではなく、スマホでも見られるようにしました。また、レッスンを休まなくてもいいように、他の曜日や時間に振り替えられるようにしていましたが、その手配もスマホでできるようにしました。さらに、忙しくても通いたい時間に通いたい場所で授業が受けられるよう、自分の学校とは別の学校にも振り替えができるようにしました。利便性については、生徒さん、スタッフの両方から要望があがってきますので、その都度、皆さまのご希望に添えるよう検討しています。

自宅学習サポートサイト「イーオン・ネット・キャンパス」の様子(写真はイーオン公式HPより)

自宅学習サポートサイト「イーオン・ネット・キャンパス」の様子(写真はイーオン公式HPより)

KDDIの技術とイーオンのノウハウを組み合わせ、更なる満足度アップへ

━━最後に今後の方針をお聞かせください。

三宅 英語を学ぶと、前向きになって、日本語のコミュニケーション能力も上がってきますし、新しい自分に出会えることにもつながると思います。イーオンに行く日は朝から心がワクワクして、自分の居場所があって楽しくて、英検にも合格できるような英語力と人前で話せる度胸も身につき、生き方も前向きになる。今後もそんな学校であるよう力を注いでいきます。

また、2018年11月よりKDDIグループに入ったことで、今後はKDDIの持つ最先端のデジタル技術とイーオンのノウハウを組み合わせて、さらに受講者の満足度を上げられるよう取り組んでいく方針です。

(文・河上いつ子)

【調査概要】
調査時期:2018年9月21日(金)〜10月9日(火)
調査対象:合計3554名(15歳以上の男女)
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査 (オリコン顧客満足度調べ)

イーオン代表取締役社長 三宅義和氏 プロフィール写真

プロフィール
株式会社イーオン 代表取締役社長 三宅義和

1985年イーオン入社。人事、社員研修、企業研修などに携わる。その後、教育企画部長、総務部長、イーオン・イースト・ジャパン社長を経て、2014年イーオン社長就任。一般社団法人 全国外国語教育振興協会元理事、NPO小学校英語指導者認定協議会理事。趣味は、読書、英語音読、ピアノ、心身統一合氣道。