CMでおなじみ関先生に質問!「TOEICって役立つの?」
関正生先生(以下、関先生) TOEICテストでは想定外のシチュエーションは出て来ませんが、役に立ちます。
以前、KADOKAWA主催のセミナーでTOEICの講義をしたんですが、あえてTOEICテストの指南を減らし、僕が生活拠点にしているシンガポールでのエピソードを紹介しました。具体的には、ホテルに張り出されていた案内や、仕事で交わす英語のチャットなどです。
ホテルで見た案内では、ちょうど泊まっていた時期に朝食をとるレストランがリノベーション中なので、別のレストランを利用するようにという、まさにTOEICにそのまま出てくるような内容でした。
TOEICテストの勉強をしていれば、こういう案内を読めるようになるし、国内にいながらにして、海外に行けばそういう場面に出くわす可能性があるということを学ぶことができる。
現実で交わされるビジネスシーンでのチャットもしかり。TOEICテストのパート7のチャット問題をやっておけば、受け答えに使える表現を学べるし、対応の仕方も参考にできる。
あとは、外資系企業への転職を希望する人へのヘッドハンティングの英文メールも、そのままTOEICテストで出てくるような文面でした。TOEICテストの問題は、海外出張や外資系企業などで役立つように作られているのです。
関先生 「TOEIC の問題はつまらないけど役に立つ」。これは、TOEICを受ける人に僕が言う言葉です。
「コピーの紙がなくなったから補給して欲しい」とか「フライトが遅れた」とか「発注したのに色が違う」とか、TOEICの問題ではそんな話ばかりが出て来ます。つまらないけど、ビジネスの日常会話ですから、それはそれでとても役に立つんです。
国内ではTOEICの世界でしか聞くことがないかもしれませんが、海外に行けば役立つのがわかる。TOEICを基礎として、自分の専門領域や関係ある分野の色付けしていくといいと思います。
関 正生(せき・まさお)
スタディサプリ講師。慶應義塾大学文学部(英米文学専攻)卒業。TOEICはほぼ全ての公開テストを受験し、問題分析や傾向変化を研究。990点満点を取得しつづけている。2016年からの新形式問題でも満点取得済み。
著書『世界一わかりやすいTOEICテストの授業』(KADOKAWA)などの「世界一わかりやすい」シリーズはベストセラーとなり、多くの世代の学習者に読み継がれている。
過去教鞭をとった予備校では、250人教室満席、朝6時からの整理券配布、立ち見講座、1日6講座全席満席なども。
■スタディサプリ:https://studysapuri.jp/course/teachers/sekimasao/(外部リンク)
■Twitter:@sekimasao(外部リンク)
(文:柏野裕美)