ビジネス英語の勉強法とは?効率的に上達するための方法を解説
本記事では、ビジネスに直結する実践的な英語力を、できるだけ短い期間で習得する方法を解説。また、ビジネス英語に求められる英語力や目安の勉強時間、忙しい人も無理なく英語学習を続ける方法もご紹介します。
目次
ビジネス英語には正確で適切な表現が求められる
発音が不正確だったり言葉を適切に選べなかったりすると、伝えたいことが相手に正しく伝わらず、信用を損ないかねません。
ビジネスの場では、コミュニケーションの良し悪しが、直接的な収益損失など大きな影響を及ぼす可能性があるので、正確な英語が求められます。
>>ビジネスで使える英語の挨拶とは?初対面でも困らないフレーズを解説
ビジネスシーンで使う丁寧な英語表現
ここでは、日常会話でよく使う動詞を、ビジネスの場に適した動詞に言い換える例をご紹介します。
△ Can you give us a copy of the report?
○ Could you provide us with a copy of the report?
(報告書のコピーをいただけませんか?)
△ Will you get the documents ready for the meeting today?
◯ Would you prepare the documents for the meeting today?
(今日の会議の資料を用意してもらえますか?)
△ Can you answer my question?
◯ I was wondering if you could reply to my question.
(私の質問に返答いただけますか?)
△ Let's talk about the project.
◯ Why don't we discuss the project?
(プロジェクトについて話し合いませんか?)
ビジネス英語は、日常会話と単語の使い分けが必要であるといえるでしょう。
ビジネス英語に必要な英語力
TOEICを運営する一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会によると、TOEICスコア730点以上が「業務上大きな支障なく、対応できる力がある」と定義しています。そこで、具体的にビジネス英語に必要な英語力を見ていきましょう。
必要な語彙は1,500語
一般的に日常会話に必要な語彙数が3,000〜4,000語あるといわれるのに対し、ビジネスで必要とされる単語数は約1,500語といわれています。また、日常会話は幅広いトピックに関する語彙力や文化的な知識も必要です。
一方、ビジネス英語は会議やメールなど使うシーンが限定されます。ですので、基本的なやりとりについては、日常会話よりも習得しやすいでしょう。
また、業界や職種に関連する専門用語や定型表現もよく使用されます。そうした単語・フレーズをある程度理解しておけば、仕事で困る場面が少なくなるでしょう。
ただし、ビジネス書などの専門性のある本をほぼ完璧に理解したいのであれば、7,000〜1万語程度の語彙が必要ともいわれています。
簡潔さや明確さが求められるビジネスシーンでは、まず基本となる1,500語を確実に理解し、実際に使えるようになることが重要です。語彙が不足していては適切な表現ができず、せっかくのビジネスチャンスを逃しかねません。
相手に通じる正しい発音
とはいえ、ビジネスの場では、相手に通じる発音ができるかが重要です。正しい発音を身に付けることは、ビジネス英語を正しくヒアリングできることにもつながります。
英語のポッドキャストやオーディオブック、YouTube チャンネルなどを活用しネイティブの発音にふれるなど、英語を聞きながら発音のまねをする「シャドーイング」を取り入れるのもおすすめです。英語に慣れることで、ミーティングやプレゼンテーションも自信を持って臨めるでしょう。
自分の考えを正しく伝える表現力
ビジネスの場では、自分の考えを正しく伝える語彙力や表現力などの能力が必要です。フォーマルな言い回しの習得も意識しつつ、ビジネスパーソンとして恥ずかしくない会話力を磨くことをおすすめします。
ビジネスで使える英語表現については、下記の記事をご覧ください。
相手の意向をくみ取る力
相手の意図をくみ取りたいときに、こちらの気遣いを示すことができるビジネス英語を覚えておくと便利です。まずは、相手が伝えたい内容をしっかり理解するために、ビジネス英語を正しく聞き取ることを意識しましょう。
ビジネス英語の習得までにかかる期間
初心者レベルからスタートしても、300時間の学習を達成した時点で、多くの人が成長を実感できるといわれます。300時間の学習を数ヵ月で終えるのか、それとも1年以上かけるのかは、学習法や日々の努力次第です。
さらに、ファイナンス、IT、マーケティングなど、専門的なビジネス英語を学ぶ場合は、数百時間から数千時間の学習時間が必要になることもあります。
その場合は、現在の習得レベルにもよりますが、初級者であれば8ヵ月〜1年、中級者であれば6〜8ヵ月、上級者であれば3〜6ヵ月程度を目安にするといいでしょう(1日3時間程度の学習を想定)。
短期間に集中して学習期間を短縮するのか、それともゆっくりと継続的に学習をするのかは、ライフスタイルに合わせて選びます。なお、どちらの方法でも、毎日コツコツと学習することが大切です。
>>半年で英会話ができるようになるには?マスターするポイントを解説
ビジネス英語を勉強する4つの方法
独学で勉強する
初級者の場合は、基礎から応用までカバーしている書籍を選ぶといいでしょう。
中級者以上は、英語での電話やメール、ミーティング、プレゼンテーションなど、ビジネスシーンでも活用できる書籍がおすすめです。ビジネスで使う英単語に特化したテキストなら、経営、開発・製造、マーケティングなど、特定のジャンルで使う単語や熟語も登場するので、業界特有の単語も学習できます。
独学で勉強する場合、通勤中や家、カフェで学習するのもおすすめ。時間の融通がききやすいのもメリットです。また、教室に通わないので、費用も抑えられます。
一方で、学習の進め方や習熟度の確認は自分次第でしなくてはならず、「ビジネス英語を身に付けたい」というモチベーションの維持が重要になります。
独学で英会話を学ぶ方法については、下記の記事をご覧ください。
英会話教室に通って勉強する
また、自分に合ったレベルで習得するまでのカリキュラムがしっかり組まれているため、実践形式で英語を学べるのもメリットです。定期的なテストやフィードバックがあるため、学習の進捗状況を正確に把握できます。
ただし、時間の制約、授業料などの費用負担が大きいのはデメリットです。集団レッスンの場合、個々の英語レベルに合わせた指導が難しく、人数によっては発話の機会が制限されることもあります。
>>自分に合った英会話スクールはどれ?種類と選び方を解説
オンライン英会話で勉強する
英会話教室に比べて受講料はリーズナブル。自宅で受講するので、集中力が続きにくいかもしれませんが、いつでもどこからでも受講できる柔軟性の高さはメリットといえます。忙しい人も、仕事や家事の合間を活用して学習を継続できるでしょう。
また、オンライン英会話は、ネイティブ講師の中からビジネス経験が豊富な講師を選べる場合もあります。講師とマンツーマンで、電話対応、会議、プレゼンテーションなどのシチュエーション別に学べて、ビジネスで使える即戦力の英語力が身に付きます。個々の英語レベルに合わせた学習ができるのもメリットです。
短期留学で勉強する
留学先では、ビジネス英語を学べるカリキュラムを選ぶことが大切です。英語でのプレゼンテーションやカンファレンス、ビジネスメールの書き方といった実践的な演習が多く組み込まれ、ビジネス英語をたくさん使う機会に恵まれるでしょう。
宿泊先はホームステイを選べる場合もあります。現地の家庭と生活を共にすることで、日常的なスモールトークの練習ができるのも魅力です。短期留学には、企業訪問やインターンシップなどが組み込まれている場合もあるので、リアルなビジネスの場を体感できます。
一方で、長期間仕事を休まなければならなくなるなど、費用面での負担が大きくなる点は否めません。短期留学は語学学校の受講料に加え、航空券代や宿泊費、食費といった費用がかかります。また、帰国後に英語スキルを維持し続けるコストも必要です。
ビジネス英語が上達する学習法
シャドーイング:ネイティブの発話を同時にまねする
この練習の狙いは、ネイティブに近い自然な発音を身に付けること。英語のリズム感を身に付ける上で、シャドーイングの効果は大きいといえるでしょう。シャドーイングの実践を通して、リスニング力、スピーキング力を鍛えることができます。
シャドーイングについては、下記の記事をご覧ください。
リピーティング:ネイティブ音声を聞き終わった後に復唱する
リピーティングは話すことと聞くことを練習できるので、スピーキング力とリスニング力をアップさせる効果があります。特に、英語独特のイントネーションを身に付けるのに有効でしょう。英語脳を鍛えるのにいい方法です。
ディクテーション:聞いた英語を書き取る
ディクテーションは英語を聞いて理解するだけでなく、正しい文法やつづりについてもしっかり学ぶことができます。ミスしたときは答えを見直し、間違った理由を探ります。そうすることで、文法力も確実に定着します。
ディクテーションするときは、ビジネス英語に特有の語彙や表現を使った教材を活用するのがおすすめです。ビジネスのリアルな場面を想定した課題に取り組めば、より実践に活かせる英語力が身に付きます。英語の基礎知識が身に付いており、総合的な英語力を高めたい人や自身の弱点を明確にしたい人におすすめの学習法です。
ロールプレイ:実際の場面を想定し役割を演じる
例えば、「新商品の販売計画を提案する」「大口顧客へ交渉する」「売上不振の報告をする」といった、具体的なシーンを設定してロールプレイを行うことが大切です。状況を理解し、役割の立場や心情に立って、自然な英語を即興で話す必要があります。
リアルな実践を経験することで、英語を実際に使うための力を身に付けることが可能です。適切な表現で自分の考えを的確に話せるようになります。また、不完全な部分が明確になり、今後の改善点として認識することができるでしょう。
ビジネス英語上達のために毎日行うべきこと
インプット:英語のニュースを読んだり聞いたりする
アウトプット:英語を話したり書いたりする
また、英語で日記を書いたり、SNSを投稿したり、実際に英語を使ってみると、わからないことが明確になります。上達したら、ビジネスメールの作成や、プレゼンテーションの実践もいいかもしれません。
単語を覚える:目標を決めて効率的に覚える
例えば、「1日◯個」など、目標を決めるのもおすすめです。単語帳やスマートフォンのアプリを活用すると効率的に覚えられます。
ビジネス英語を勉強するときに意識すべきこと
ここでは、ビジネス英語を勉強するときに意識すべき点をご紹介します。
何のためにビジネス英語を勉強するのか明確にする
自分の英語のレベルを把握する
>>TOEICスコアの英語レベル目安とは?スコアアップのコツを解説
1日に勉強する時間を決める
目標を達成するまでの期限を決める
目標を達成するまでの予算を決める
ビジネス英語の習得の近道は、自分に合った勉強法を見つけること
無料の学習アプリやYouTubeなどで勉強するのもいいですが、広告や機能の制約も多いのが難点。ある程度費用をかけて、専門的な教材やサービスを利用したほうが、効率的な学習につながります。
英語コーチングスクールや英会話学校なら、モチベーション維持もサポートしてくれるため、挫折を防ぐことができます。自分に合った勉強法を見つけ出し、粘り強く継続することでビジネスに活かせる実践的な英語力を手に入れましょう。
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