英語のシャドーイングとは?上達に結び付く正しいやり方を解説
シャドーイングにはいくつかの種類があり、練習を進める際には段階を踏んで難度を上げていくことが重要です。練習方法を誤ると難しすぎて挫折したり、英語が身に付かなかったりする原因にもなるため注意する必要があります。
ここでは、シャドーイングの正しいやり方やおすすめの学習法をわかりやすく解説します。シャドーイングを行う際の注意点にもふれていますので、参考にしてください。
■シャドーイングは元々、通訳訓練で活用された学習法
■シャドーイングの種類
プロソディー・シャドーイング
コンテンツ・シャドーイング
■シャドーイングの効果
発音・スピーキング力が向上する
リスニング力がアップする
語彙力・英文法の記憶定着
■シャドーイングの正しい進め方
1. 音声だけを初めに聞く
2. 英文を確認しながらリスニング
3. 一文ずつ区切ってリピートする
4. 音声を聞きながらいっしょに読む
5. 文章を見ながら少し遅れて読む
6. 何も見ないで音声に少し遅れて発声する
■シャドーイングにおすすめのアプリ
■シャドーイングを行うときの注意点
■シャドーイングは正しい進め方で行うことが上達のポイント
シャドーイングは元々、通訳訓練で活用された学習法
シャドーイングは元々、通訳訓練で活用されていた学習法です。同時通訳の際には、話されている英語を聞き取りながら同時並行で日本語に訳さなくてはなりません。こうした訓練を行うのに最適な学習法として、シャドーイングが活用されていたのです。
本来は通訳者向けだったことからもわかるとおり、シャドーイングは決して難度が低い学習法ではありません。そのため、初心者がシャドーイングを行う場合は、段階を踏んで進める必要があります。進め方を間違えると英語のスピードについていけなかったり、シャドーイングを繰り返し行っても英語の力が身に付かなかったりするおそれがあるため注意してください。
シャドーイングの種類
プロソディー・シャドーイング
シャドーイングの基本的な考え方として「自分自身が話せる英語は同じスピードで聞き取ることができる」という基準があります。そのため、初めは自分自身が話す英語のスピードに合わせて練習していきます。
プロソディー・シャドーイングを続けていくと、慣れていくにつれて発音が矯正できるだけでなく、徐々に聞く英語のスピードをアップさせて、ネイティブに近い英語を聞き取るリスニング力を培うことも可能です。
コンテンツ・シャドーイング
コンテンツ・シャドーイングを繰り返すことは、聞き取った英語の意味を日本語に訳すのではなく、英語のまま理解するのに役立ちます。いわゆる「英語回路」や「英語脳」が鍛えられるため、英会話を瞬時にやりとりする能力を身に付ける上で有効な練習方法といえます。
シャドーイングの効果
発音・スピーキング力が向上する
ネイティブスピーカーの後について発音する練習を繰り返すことで、日本語にはない英語特有の発音やリズムに頭と口が慣れていきます。結果として「英語が口を突いて出る」レベルに到達しやすくなり、発音やスピーキング力を伸ばすことができるのです。
英語の発音が良くなる勉強法は?上達に結び付く方法を解説
英語のスピーキングの練習法については、下記の記事をご覧ください。
英語のスピーキングが上達する練習法とは?効果的に伸ばすコツを紹介
リスニング力がアップする
英語では単語と単語をつなげて発音する「リエゾン」が多用されます。英語特有のリズムや抑揚、スピードにリエゾンが重なると「何を言っているのかわからない」という状態に陥りがちです。
シャドーイングを通して自分自身が英語特有の発音やリズムに慣れれば、ほかの人が話している英語も聞き取れるようになっていきます。こうしてリスニング力がアップし、英語が「聞こえる」「聞き取れる」ようになるのです。
英語のリスニングの勉強法とは?効果的に伸ばすコツについて解説
語彙力・英文法の記憶定着
注意点としては、語彙力や英文法の知識を身に付けるにはコンテンツ・シャドーイングをじっくりと行う必要があること。発音をまねするプロソディー・シャドーイングだけを繰り返していると、こうした力はなかなか身に付きません。発音だけでなく語彙力や英文法の知識を増やしていくためにも、プロソディー・シャドーイングとコンテンツ・シャドーイングをバランス良く実施していくと効果的です。
シャドーイングの正しい進め方
シャドーイングの正しい進め方を知り、ステップアップしながらスキルを高めていきましょう。
1. 音声だけを初めに聞く
2. 英文を確認しながらリスニング
例えば、つながって聞こえていた箇所が実は2語以上の単語に分かれていたり、聞こえていた単語とは別の単語だったことが判明したりするなど、新たな発見があるはずです。
なお、英文を確認しても意味が理解できないようなら、シャドーイングに使用する教材の難度が高すぎる可能性があります。現状の語彙や文法の知識に合った教材を選べているかどうかをチェックするためにも、英文を見ながら音声を聞いた際に意味が理解できているか確認しておくことが大切です。
3. 一文ずつ区切ってリピートする
この段階では、読み上げられる英文を追いかけるように重ねて発音する必要はありません。まずは一文を聞き終えたらリピートする練習を繰り返してください。
プロソディー・シャドーイングとコンテンツ・シャドーイングは、片方にだけ集中して取り組めば良いというものではなく、最終的には発音・意味の両方を捉えてシャドーイングを実践できるようにしていく必要があります。シャドーイングの効果を高めるためにも、まずは一文ずつ確実に発音できるように練習するステップを踏むことが大切です。
4. 音声を聞きながらいっしょに読む
このステップを経ることにより、自分の発音と音声のずれを確認しやすくなります。読み上げるスピードやリズム、アクセントなどが異なっている点がないか確認しつつ、音声をまねして読み上げられるように練習するのがポイントです。
5. 文章を見ながら少し遅れて読む
聞こえた英語を追いかけるように読み上げるのが難しいと感じる場合には、音声のスピードを少し遅くしても構いません。シャドーイングの基本形を身に付けることがこのステップを踏む目的のため、「英文を聞きながら読み上げる」練習をしていきます。
6. 何も見ないで音声に少し遅れて発声する
ここでつまずいてしまった場合には、ステップ4〜5に戻って不安な箇所を集中的に練習するか、音声のスピードを落として練習してください。最終的に音声だけを頼りに発声できるようになれば、シャドーイングが実践できる状態になっているはずです。
なお、シャドーイングをしている自分自身の声を録音して聞き返すことで、自分の発音の癖や音声との相違点を客観的にチェックしやすくなります。シャドーイングがある程度実践できるようになったら、シャドーイング中の音声を録音して確認するのもおすすめです。
シャドーイングにおすすめのアプリ
下記は、使いやすく人気のアプリの一例です。
<シャドーイングにおすすめのアプリ>
・スタディサプリENGLISH
・レシピー
・スピークバディ
・シャドテン
・HiNative Trek
シャドーイングを行うときの注意点
なお、海外の映画やドラマは文法的に正確ではないセリフや、スラングを用いた表現が含まれているケースがあります。初心者がシャドーイングに取り組むための教材としてはあまりおすすめできません。使用する教材を決める際には、英会話の練習に特化したものを優先的に選んでください。
シャドーイングは正しい進め方で行うことが上達のポイント
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