映画も音楽も! 時流とらえた『グレイテスト・ショーマン』なぜヒット?
2週連続で動員1位、サントラもランキング1位を記録
アカデミー賞や平昌五輪でも響いた、主題歌「This Is Me」のスター性
1つ目は、なんといっても歌曲の持つタレント性だ。本作収録のキアラ・セトルによる「ディス・イズ・ミー / This Is Me」はゴールデングローブ賞主題歌賞を受賞しており、第90回アカデミー賞ではノミネートも。3月5日(日本時間)に開催されたアカデミー賞授賞式では惜しくも受賞は逃したが、キアラ・セトルは会場で歌唱パフォーマンスを披露。彼女の力強く圧倒的な歌声に会場は手拍子で応え、歌い終わると大きな拍手とスタンディングオベーションが贈られた。また、平昌五輪のフィギュアスケートのエキシビションのラストでは、男子シングルで金メダルを獲得した羽生結弦選手や銀メダルの宇野昌磨選手など、出場選手たちがこの曲をバックに一体感のあるパフォーマンスを披露し感動を呼んだ。
そんなスター性を持つ主題歌「This Is Me」をはじめとした劇中歌の多くは、一度耳にしたら離れないほどキャッチー。テレビスポットやWeb動画などで、一部を聴いただけでも魅力がわかるほどの楽曲がそろっている。実際に劇場で映画を観た人のサントラ購買意欲をくすぐるのはもちろん、リピートしてシーンの振り付けごと覚えたいという欲求にまで結びついている。これらの楽曲を手がけたのが、昨年映画もサントラも大ヒットに導いた『ラ・ラ・ランド』の音楽家チームというのも納得だろう。
バブリーダンスの登美丘高校ダンス部を起用、的確な連続プロモーション
さらにそれに追い打ちをかけたのが、主演のヒュー・ジャックマンと「This Is Me」を歌った新星キアラ・セトルの来日キャンペーンだ。テレビでの生歌披露や、プレミアイベントでの話題などが報じられると、登美丘の話題が切れる前にさらに作品の知名度を押し上げた。
“アナ雪”から続く音楽映画ブーム、時流をとらえた成功例に
こうして、公開前から途切れることなく話題を集めた『グレイテスト・ショーマン』は、その作品と音楽の魅力で、観客たちに「また聴きたい、歌いたい」と感じさせ、サウンドトラックの購買にも繋げた。映画と音楽の相互作用がうまく機能し、現在の時流を見事にとらえた成功例と言える。今後、前述のような観客参加型の企画上映が実現した場合は、さらなる広がりを見せることとなるだろう。
(文:よしひろまさみち)
ヒュー・ジャックマンの歌声響く『グレイテスト・ショーマン』 予告編
登美丘高校ダンス部とコラボ 、制服姿で圧巻のダンス!
映画『グレイテスト・ショーマン』
公開中
監督:マイケル・グレイシー
音楽:ジャスティン・ポール&ベンジ・パセック<『ラ・ラ・ランド』>
出演:ヒュー・ジャックマン ザック・エフロン ミシェル・ウィリアムズ レベッカ・ファーガソン ゼンデイヤ
【公式サイト】(外部リンク)
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