カリスマ講師が「TOEIC」聞き取りのコツを解説!リスニング力を高めるポイントは「英語での理解」
Vol.10:リスニング力を高めるポイントは「英語での理解」
『CD2枚付 世界一わかりやすいTOEIC L&Rテスト総合模試1[600点突破レベル]』
関正生先生(以下、関先生) 模試のスタイルのTOEIC対策本で「解説へのこだわり」に特長があります。
まず、解説の仕方ですが、答えありきの解説はしていません。リスニングを例に挙げると、whereを聞き取れない人に、聞き取れることを前提に「whereを聞き逃すな」といっても足しにはなりません。それよりも「どうすればwhereを聞き逃さずに済むか」を教えることが大事なので、聞き取りのコツを徹底的に解説しました。
「しっかりと聞き取ろう」とか「出だしに気をつけよう」とか、わかりきったことは解説しても意味がありませんし、「こう言っているから答えはこれだ」というのは、スクリプトを読めばわかる。解説すべきは、その単語がどういう風に聞こえるかです。聞き取りには、何をどう注意しておけばいいかをマスターすることが大事。
今回の模試スタイルの解説本は、僕自身が音声を聞きながら解説をまとめていきました。書かれた原稿をもとに気をつけるポイントを列挙するのではなく、聞き取れない人がこの音声を聞きとれるようにするにはどういった解説が必要かという観点にこだわりましたし、本来の解説はそうあるべきだと思います。
もうひとつの特長は、初級から中級レベルに合わせた模試にしている点です。一般的な模試は本物に近づけようという意識で作られていますが、それなら公式問題集を使えばいいわけです。
TOEICテストはレベル分けされているわけではなく、初級者も中級者も上級者もみんな同じテストを受ける。要はレベルがごっちゃ混ぜ。初級者が上級者の問題を解くのは厳しいし、上級者用の問題集もまだ要らない。上級者向けのコンテンツを取り除いている点では、一般的な模試とは異なります。
―――リスニングを例に挙げていただいたついでに、著書を活用してリスニング力を上げるコツを教えてください。
関先生 リスニングができなれば、それを文章で読んでも読めていないことが多い。リスニング問題を理解する速さで文章を読めないと、理解は追いつかないのではないでしょうか。
模試では読む作業をないがしろになりがちです。読めないものは聞き取れない。まずはリーディングの勉強をしてからリスニングに取り組んだほうが、効率がいい。リスニングができていないと思ったら、ちゃんと読めるかどうかを確認したほうがいいということです。
解説を日本語で書いてしまうと日本語だけで理解をしてしまう。僕の問題集で意識をしたのは、 解説の中に英語をふんだんに盛り込むことでした。英語で理解しないと模試を解くメリットがあまりない。
「まずは読めること」と「復習する時は英語を必ずチェックすること」は、リスニング力を養うために大事なポイントです。
今回の本はスコア600点を対象にしていますが、点数に関係なく、リスニングでつまずいている人にも活用してほしいと考えています。
関 正生(せき・まさお)
スタディサプリ講師。慶應義塾大学文学部(英米文学専攻)卒業。TOEICはほぼ全ての公開テストを受験し、問題分析や傾向変化を研究。990点満点を取得しつづけている。2016年からの新形式問題でも満点取得済み。
著書『世界一わかりやすいTOEICテストの授業』(KADOKAWA)などの「世界一わかりやすい」シリーズはベストセラーとなり、多くの世代の学習者に読み継がれている。
過去教鞭をとった予備校では、250人教室満席、朝6時からの整理券配布、立ち見講座、1日6講座全席満席なども。
『CD2枚付 世界一わかりやすいTOEIC L&Rテスト総合模試1[600点突破レベル]』はKADOKAWAより5月19日発売。(税抜1900円)
■スタディサプリ:https://studysapuri.jp/course/teachers/sekimasao/(外部リンク)
■twitter:@sekimasao(外部リンク)
(文:柏野裕美)
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