2018年05月25日 11時30分
“五月病”は日本だけ? 一月病、九月病…海外にもある独自の国民病
“五月病”は日本だけ? 一月病、九月病…海外にもある独自の国民病 (写真はイメージ)
5月も半ばを過ぎて、そろそろ国民病ともいえる“五月病”の症状も出始めている頃ではないだろうか。最近は季節も少しずれて新入社員の研修時期を過ぎてからかかる“六月病”にシフトしていっているという話もあるが、海外にもこの“五月病”は存在するのか紹介しよう。
【1】欧州に5月病は存在しない
英語で”5月病”は存在しない。そもそも、4月に新学期が始まらないからだ。たとえば、アメリカの新学期は8月末か9月であり、5月はもう学年末の頃になるため、日本とは異なる。
あえて英語で“五月病”を表現してみるとしたら、“May blues”か“May depression(※)”だろうか。
また、アメリカ人は日本人ほど季節の変化を意識して生活をしていない。そして、転職も多いので新社会人が一斉に仕事を始めるという時期も存在しない。この“五月病”というのは、つねに季節を感じながら暮らす日本人ならでは症状なのである。
【2】 クリスマスのあとの“一月病”!?
その代わりに欧州で存在するのは“一月病”だろうか。英語では”January blues(直訳すると1月の憂鬱)”と言う。
欧州では、ほとんどの人が12月はクリスマスで家族や友人と集まって過ごす。1月になると、日常生活が戻った落胆を“一月病”ということができるかもしれない。クリスマスの食材やらプレゼントやら、忘年会も含めたパーティーなど…、12月は慌ただしく過ぎていき、ほっとひと息ついた1月に、ガクンと気持ちが落ち込んでしまうのである。
また12月のクリスマスシーズン中に使ったクレジットカードの引き落としが1月に来る。経済的にも1月は厳しくなり、気持ちが落ち込む人も多いようだ。
【3】 カップルの危機“九月病”?
欧州では、7月や8月の夏に3週間から1ケ月ほどのバカンス(長期休暇)をとる。たとえば、スペインの場合は、国の法律で1年で1ケ月の有給休暇をとることが決まっている。みんなが休みをとるので、同僚が休みだからと言ってそれを悪く言う人はいない。
一般的には、8月にバカンスをとる人が多く、9月になると新学期、日本でいうところの4月の雰囲気になる。8月の休みで暮らしのリズムが崩れ、9月に気持ちがブルーになる人が多い。これは日本の“五月病”に近い感じだろう。
また、8月にいっしょに長い時間を過ごし、そこでいざこざが出てきて、別れたり離婚することカップルや夫婦が多いのが9月である。
“五月病”は日本独特のもの。かからないように適度に気分転換をして、かかったとしても早くそれを自覚し、不調から抜け出せたらと思う。
※depression:(気持ちの)落ち込み、意気消沈の意味
(中森有紀)
スペイン・バルセロナ在住。大学でスペイン現代史を専攻、在学中に1年間スペインに留学。大学卒業後、書店勤務と英語講師を経験した後バルセロナに移住。英語、スペイン語、カタルーニャ語、日本語の4ヶ国語を話す通訳&ライター。2児の母。趣味はサッカー観戦と肉まん作り。
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