2016年04月28日 07時10分

ディカプリオ、悲願の初オスカーを解説(2) スピーチ全文はこう読み取る!

レオナルド・ディカプリオ (C)ORICON NewS inc. [拡大する]

レオナルド・ディカプリオ (C)ORICON NewS inc.

 2016年2月に行われたアカデミーの授賞式で、念願の主演男優賞に輝いたレオナルド・ディカプリオ。数多くの有名映画に出演していだが、“オスカー”を手にしたのは今回が初。前回(※関連記事参照)に引き続き、今回もスピーチ内容を解説していこう。

※前回の続きから

『And lastly, I just want to say this: Making The Revenant was about man's relationship to the natural world.』
「そして最後に、これだけは言わせて下さい。レヴェナントの制作は、人間と自然界との関係について(を考えること)でした」

 ここでの「man」は「男」という性別としてではなく、「人間全体」を指す「man」として使われている。また、「relationship」は「関係(性)」という意味。

『A world that we collectively felt in 2015 as the hottest year in recorded history.』
「(その世界とは)2015年、我々が共に歴史上最も暑い年として感じた世界です」

 「collectively」は副詞で「共に」「集団的に」といった意味。ここでは、先ほど述べた「自然界」について、どのような世界なのかを具体的に説明している。

『Our production needed to move to the southern tip of this planet just to be able to find snow.』
「私達の制作(チーム)は、雪(がある場所)を見つけるためだけに、この地球の南端まで行く必要がありました」

 「need to」は「〜する必要がある」というフレーズ。後半に出てくる「to」以降は不定詞で「〜するために」という意味だが、これに「just」がついて「〜するためだけに」という強調された形になっている。

『Climate change is real, it is happening right now.』
「気候変動は事実であり、今まさに起こっていることなのです」

『It is the most urgent threat facing our entire species, and we need to work collectively together and stop procrastinating.』
「それは我々すべての種が直面している差し迫った脅威であり、我々は一体となって共に行動し、先延ばしすることをやめる必要があります」

 ここでの「それ(it)」は気候変動のことを指している。また、「urgent」は形容詞で、「切迫した」「緊急を要する」という意味。「procrastinate」は難易度が高い動詞で、「ぐずぐずする」「後延ばしする」という意味として使われる。

『We need to support leaders around the world who do not speak for the big polluters, but who speak for all of humanity, for the indigenous people of the world, for the billions and billions of underprivileged people out there who would be most affected by this.』
「我々は、大いなる汚染者を擁護するのではなく、すべての人間のために、世界中の先住民の人々のために、そしてこれによって最も影響を被ることになるであろう世界中に無数に存在する恵まれない人々のために、代弁するような世界中の指導者を支持する必要があります」

 こちらの文章はやや難しくみえる内容だが、ここがスピーチの肝といわれるほど素晴らしい部分となっている。構造としては単純で、「世界中の指導者を支持しなくてはならない」という内容で、その指導者がどんな指導者なのかを、最初の「who」以降に説明しているのだ。

 また、「speak for」は「代弁する」「弁護する」という意味。「polluter」は「汚染する人」という意味で、元となっている動詞は「pollute」(汚染する)。「the indigenous people」は「先住民」というフレーズで、中立的な意味合いの言葉として使われる。

 さらに、「out there」は「そこら中に(いる)」といった意味。ここでは「世界中」という言葉の反復を避けるために使われていると考えられる。

『For our children’s children, and for those people out there whose voices have been drowned out by the politics of greed.』
「私たちの子どものために、そして、貪欲な政治のせいでその声が立ち消されてしまっている世界中の人々のために」

 この文は、先ほど出てきた「先住民」などの「これらの人々のために」の続きとして、具体的に「気候変動の影響を最も受けるであろう人々」を追加で述べている。

『I thank you all for this amazing award tonight.』
「今晩は、この素晴らしい賞をいただき、皆さんありがとうございました」

『Let us not take this planet for granted. I do not take tonight for granted. Thank you so very much.』
「この地球を、当然のものと捉えないようにしましょう。私は、今晩のことを当然のものと捉えません。本当にありがとうございました」

 「Let us」をスペルアウトして、「let’s」を強調している。「take 〜 for granted」は決まり文句で、「〜を当然のものと考える」「〜を当たり前のものと見なす」という意味。よく使われる表現なので、覚えておいて損はないだろう。

 自らの欲を捨て去って、環境問題に言及する、活動家のレオらしい内容のスピーチだ。ちなみに、今回彼が初アカデミーを受賞した映画『レヴェナント』は主演男優賞以外にも、作品賞、監督賞など5部門で受賞を果たしている。すでに公開が始まっている映画なので、スピーチの内容を理解し、映画もあわせて楽しみたいところだ。

(記事/THE RYUGAKU)

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