2018年05月30日 11時30分
【世界禁煙デー】アメリカでは昇進の妨げにも? 世界のタバコ事情
5月31日の「世界禁煙デー」にちなみ、海外のタバコ事情を紹介(写真はイメージ)
5月31日は「世界禁煙デー」。世界保健機関(WHO)が禁煙を推進するために制定した記念日。日本でも、加熱式タバコの普及や、分煙、公共の場を禁煙にする取り組みなどが積極的に行なわれている。海外でのタバコ事情について在住者への取材をもとに紹介しよう。
【1】アメリカ
喫煙者が減っているのが、アメリカ。健康のためもあるが、やはりタバコを吸うためのコストが高くなっていることも理由のようだ。喫煙者は月に100ドルくらい健康保険代が高い場合もある。
タバコ1箱の値段は州によって異なるが、税込みで平均6ドルから8ドル(700円〜900円)、1番高いニューヨークでは12〜15ドル(日本円で1300円〜1600円)もする。
大手のチェーン店のスーパーやドラッグストアでタバコを売ってないところも多く、ガソリンスタンドで購入するのが 一般的。州によって法律が異なるが、公共の建物(レストラン、お店、オフィス等を含む)は建物内全面禁煙としているところも増えている。
多くの州では喫煙は18歳から。厳密に言うと、州ごとに年齢制限が異なったり、宗教によって細かい特例があったりする。
アメリカの社会では、“タバコを吸う人”は “自己管理ができない人”と評価されることがあり、昇進する上で妨げとなることもある。
【2】スペイン
スペインは喫煙王国である。街では歩きタバコは日常茶飯事。道端でも「火ちょうだい」や「タバコ持ってる?(1本ちょうだい)」と、よく話しかけられる。18歳からタバコの購入が認めらえる。
タバコはエスタンコ(タバコ屋さん)かバル(ビールやコーヒーを飲む喫茶店のような店)で買うのが一般的。バル内には自動販売機があり、カウンター内の店の人に言って、買えるようにリモコンで電源を入れてもらう。そのため、未成年がコソコソと買うことはできない。
タバコ屋には、水タバコや自分で巻いて吸うためのタバコの葉、紙、葉巻、ライターなどが売っている。近年電子タバコのブームは去り、一時期かなり乱立した専門店もかなり減った。現在は中高生の間ではペン型ヴェポライザー(葉ではなく、蒸発した成分を吸うタイプ)が流行っていて問題となっている。
2006年に分煙化が法律で決まり、レストランやカフェでも100平方メートル以上のところでは必ず喫煙席と禁煙席を設けるように法律で決まって、大金を出してリフォームする人もいた。しかしその5年後、2011年には全面禁止に。
現在は、もともとは夏だけだったバルやカフェのテラス席が、タバコを吸えることを理由に冬場でも喫煙者で賑わうようになった。
【3】ギリシャ
ギリシャもスペイン同様、喫煙大国であり、喫煙率世界一のデータもある。18歳から喫煙が法律で認められているものの、12歳ごろから家や学校でもタバコを吸い始めるという話もある。2009年には公共の場でもタバコが禁じられたが、守られていないのが現状だ。歩きタバコ、車での喫煙からのポイ捨ても多い。
2009年より以後の経済破綻以後、自分で葉を使い作る手巻きタバコが大人気に。若者のタバコ離れも進みだしているものの、まだその数は多く、キオスクなどで未成年でも問題なく買うことができるのが実情だ。
2020年の東京五輪を前に、東京だけではなく全国に海外からの旅行者が増えるだろう。今後日本の喫煙事情もそれに合わせてどう変化していくだろうか。
(中森 有紀)
スペイン・バルセロナ在住。大学でスペイン現代史を専攻、在学中に1年間スペインに留学。大学卒業後、書店勤務と英語講師を経験した後バルセロナに移住。英語、スペイン語、カタルーニャ語、日本語の4ヶ国語を話す通訳&ライター。2児の母。趣味はサッカー観戦と肉まん作り。
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