TOEFLのスコア平均は?スコアの解釈とスコアを上げる方法を解説

TOEFLのスコア平均は?スコアの解釈とスコアを上げる方法を解説

TOEFLの受検を検討しているものの、どのくらいのスコアを目標にすれば良いのか迷っていませんか?あるいは、すでにTOEFLの結果が出ていて、スコアの見方がわからないと感じている方もいるかもしれません。

ここでは、TOEFLスコアの解釈や日本人の平均スコアについて解説します。TOEFLのスコアを上げる対策法も紹介していますので、参考にしてください。

TOEFLの種類

TOEFLとは、主に留学希望者を対象に作成されている国際的なテストです。ビジネス英語を主体としたTOEICとは異なり、現地の学校などで用いられている学術的な内容を中心に出題されます。

TOEFLには小中高生向けのテストのほかに、「iBT」「Essentials」「ITP」という3種類の試験があります。それぞれの試験の特徴は次のとおりです。

<TOEFLの種類>
iBT
Reading、Listening、Speaking、Writingの4技能を測る試験。アカデミック英語から100%出題される。
Essentials
iBTと同様に英語4技能を測る試験で、アカデミック英語約50%、一般英語約50%から出題される
ITP
Listening、Reading、文章表現、文法知識を測る試験

各試験のスコアはCEFR(セファール:ヨーロッパ言語共通参照枠)と連動しており、試験の種類によって対応する難度が異なります。各試験のスコアと対応するCEFRレベルの目安は下記のとおりです。
■TOEFL各試験点数とCEFRレベルの対応表

CEFR

iBT

Essentials

ITP

満点

120点

12.0点

677 点

C2

114 -120

12

-

C1

95-113

10-11.5

620

B2

72-94

8-9.5

543

B1

42-71

5-7.5

433

A2

-

3-4.5

343

CEFRの最高レベルであるC2に該当するのはiBTとEssentialsのみです。iBTはアカデミック英語100%の出題、Essentialsはアカデミック英語約50%・一般英語約50%からの出題範囲ということから見ると、3種類の試験の中で最も難度が高いのはTOEFL iBTといえます。

一般的に、留学で必要とされている英語力を測る試験として用いられているのはTOEFL iBTです。TOEFL EssentialsやITPも現状の英語力を知るための目安としては活用できるものの、留学時に提出する証明書として採用されるケースはあまり見られません。
留学を目標に英語力を伸ばしたい人は、TOEFL iBTのスコアアップを目指すといいでしょう

TOEFL iBTスコアの見方

TOEFL iBTスコアの見方

TOEFL iBTのスコアは、Reading・Listening・Speaking・Writingの4つのセクションにおける習熟度に応じて示されます。各セクションのスコアは0〜30点です。
下記は、各セクションの習熟度の目安を表しています。
■TOEFL iBT各セクションの習熟度

セクション

習熟度(スコアの目安)

Reading

上級(24〜30)
上中級(18〜23)
中級(4〜17)
初級(0〜3)

Listening

上級(22〜30)
上中級(17〜21)
中級(9〜16)
初級(0〜8)

Speaking

上級(25〜30)
上中級(20〜24)
中級(16〜19)
初級(10〜15)
基礎(0〜9)

Writing

上級(24〜30)
上中級(17〜23)
中級(13〜16)
初級(7〜12)
基礎(0〜6)

※ETS「TOEFL iBTスコアを理解する
セクションごとに習熟度別のスコアの区切りが異なる点に注意が必要です。TOEFLスコアの目標を決める際には、合計スコアだけでなくセクションごとに目標を決め、自分が伸ばしたいスキルを明確にしておきましょう。

TOEFL iBTの日本人の平均スコア

TOEFL iBTの、日本人の平均的なスコアはどのくらいなのでしょうか。2022年の総合スコアおよびセクション別のスコア平均を国ごとに見た場合、下記の結果が出ています。
■TOEFL iBTの2022年国別平均スコア

Reading

Listening

Speaking

Writing

Total

日本

19

19

17

18

73

韓国

22

22

21

21

86

中国

24

23

21

22

90

インド

25

25

21

23

95

ブラジル

22

23

22

21

89

スペイン

23

24

22

22

91

アメリカ

23

24

23

23

93

※ETS「TOEFL iBT? Test and Score Data Summary 2022
前掲の「スコアの目安」と照らし合わせると、日本におけるTOEFLの平均スコアはSpeakingのみ中級、Reading・Listening・Writingの3セクションに関しては上中級レベルが平均スコアであることがわかります。

諸外国と比べて、日本人のTOEFL平均スコアは決して高い水準とはいえないのが実情です。一方で、英語圏であるアメリカにおいても平均スコアは合計93点であることから、ネイティブスピーカーであってもCEFR「C1」や「C2」のレベルに相当するスコアをTOEFLで獲得するのは容易ではないことが見て取れます。

TOEFLのスコアを上げるには、TOEFLに特化した対策と勉強が求められるのです。
英語4技能それぞれについて、出題傾向を把握した上で十分な対策を講じる必要があります。

TOEFLのスコアを上げる対策法

TOEFLのスコアを上げる対策法

ここまで見てきたとおり、TOEFLではReading・Listening・Speaking・Writingの4技能がバランス良く出題され、総合的な英語力が判定されます
そのため、TOEFLのスコアを上げるには、各セクションで求められるスキルをバランス良く伸ばしていくことが重要です
最後に、TOEFLのスコアを上げるための対策法を見ていきましょう。

テスト本番の形式に慣れる

TOEFLのスコアを上げるには、まずテスト本番の形式に慣れることが重要なポイントとなります。
テスト本番の出題形式は次のとおりです。

Reading
Readingでは、長文読解問題が出題されます。長文は2題用意されており、それぞれの長文に対して設問は10問です。試験時間は35分間に設定されています。

Listening
Listeningでは、講義形式3題(各6問)、対話形式2題(各5問)が出題されます。設問数は合計28問、試験時間は36分間です。講義形式では「聞き取る力」、対話形式では「聞き取って返答する力」が問われます。

Speaking
Speakingでは、Independent taskが1問、Integrated taskが3問の、計4問が出題されます。試験時間は16分間です。Integrated taskでは「英文を読む・聞く→回答する」形式が2問と、「英語を聞く→回答する」形式が1問出題されます。

Writing
Writingでは、Academic Discussion taskが1問、Integrated taskが1問の、計2問が出題されます。試験時間は29分間です。

4技能の試験を終えるには、約2時間を要することになります。TOEFL公式サイトでは本番のテスト形式に即した無料練習テストが提供されていますので、テスト本番と同じ試験時間で解く練習を繰り返して、出題形式に慣れておくことをおすすめします。

英単語を覚える

TOEFLのスコアアップを目指す上で、英単語を覚えることは重要なポイントといえます。TOEFLは学術的なトピックが出題されるため、日常会話ではあまり使われない英単語を数多く含む問題が出題されるからです。
トピックのキーワードとなる英単語がわからなければ、そもそも何の話題なのかが理解できないこともありえます。語彙力を伸ばし、学術的な英単語にも対応できるようにしておくことが重要です。

具体的な対策法としては、TOEFL対策に特化した頻出単語帳を活用するのがおすすめ。書店の資格・検定コーナーでは、TOEFL対策の問題集や参考書が多数販売されています。このうち、頻出単語が収録されているものを選んで集中的に覚えていきましょう。

TOEFL iBTでは4技能が総合的に問われるため、スペル・意味・発音・用法をセットで覚えていくのがポイントです。スペルと意味だけに偏って暗記することのないよう、注意してください。

アウトプットの練習をする

4技能のうち、SpeakingとWritingではアウトプットの能力が問われます。英文を読む・英単語を覚えるといったインプットだけでなく、アウトプットも取り入れた練習をしていくことが重要です。

Speaking
Speaking対策としては、英会話スクールのTOEFL対策コースなどを受講すると効果的といえます。実際に質問に答えたり・聞いた英語に対して質問するディスカッション形式で会話を交わしたりする練習を繰り返すことで、実践的な練習ができるからです。
日常会話やビジネス英語のレッスンではなく、できるだけTOEFL対策に特化したレッスンを選ぶことをおすすめします。

Writing
Writingに関しては、自分の考えや意見を英文で表現する練習を繰り返していく必要があります。テスト本番は時間制限が設けられているため、頭に浮かんだ内容を素早く組み立てて英語で表現できるようにしておくことが大切です。
こうしたアウトプットの練習は前述の英単語力とも密接に関わっていることから、英単語のインプットと並行して進めていくことをおすすめします。

多読・多聴を行う

TOEFLのReadingでは、1題につき600〜700語程度が出題されます。Listeningテストにおいても学術的な内容が出題されることに加え、大半の問題は音声が1度しか流れないため、聞き取った音声を手掛かりに大枠の内容を把握しなければなりません。こうした出題形式に慣れるには、多読・多聴の練習が必須です。

まとまった量の英語を読む・聞く練習を繰り返す過程で、知らない英単語や表現が出てきたとしても前後の脈絡から意味を推測できるようになります。
学術的な内容の英語を完璧に読みこなす・聞き取ることは、ネイティブスピーカーであっても容易ではないことから、すべての単語・表現を隈なく理解できるようになる必要はありません。

ある程度は推測しながら読む・聞く練習を重ねていくことで、部分的にわからない単語や表現が出てきたとしても大枠の内容を把握する力が身に付いていくはずです

英語脳を定着させる

TOEFLでは、長時間にわたって試験が実施される一方で、設問ごとの解答時間は限られていることから、英語を英語のまま理解する「英語脳」が求められます
頭の中で英語を日本語へ・日本語を英語へ翻訳するプロセスを経ていると、どうしてもタイムラグが生じてしまいがちです。このタイムラグの蓄積が、「解答時間が足りない」「話したい・書きたい英語がすぐに出てこない」といった事態を招く原因となりえます。

英語脳を鍛えるには、日頃の積み重ねが重要です。
読む・書く・話す・聞くのいずれの領域においても、練習する際には「日本語に逐一訳さない」「英語のまま理解する」ことを習慣付けておくといいでしょう
英語脳を着実に鍛えていくことが、TOEFLのスコアアップにつながっていきます。

自分の弱点を補う勉強でTOEFLのスコアアップを目指そう

TOEFLでは、Reading・Listening・Speaking・Writingの4技能が総合的に問われることから、すべての技能をバランス良く向上させていく必要があります
まずは現状の英語力を把握した上で、自分の弱点を補うための勉強を積み重ねていくことが大切です。伸ばしたいスキルを明確化し、具体的にいつまでに何をやるのか決めて勉強を進めていきましょう。

今回紹介したTOEFL iBTの出題内容や目安となるスコア、スコアを上げるための対策法を参考にしつつ、自分に合った勉強法を確立してください。
弱点を補うための適切な勉強法が見つかれば、TOEFLのスコアアップ実現に向けて着実に英語力を伸ばしていけるはずです。TOEFLに対応した資格コースを設けている英会話スクールを活用するのもおすすめです。

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