映画「沈黙」で大絶賛!イッセー尾形の英語の海外の反応とは?

外国語の文法を理解すれば「“外国人から見た日本人”を演じるときに生かせる」

 海外での一人舞台公演や『沈黙』のみならず、台湾のエドワード・ヤン監督による『ヤンヤン 夏の想い出』への出演や、ロシアのアレクサンドル・ソクーロフ監督の『太陽』(ロシア、イタリア、フランス、スイス合作)で主演するなど、国際的な活躍が目立つイッセー。本格的に語学を勉強しようと思ったことはなかったのだろうか?
 「ないですね。相手が言っていることをわかりたい気持ちはありますが、オーラルでのコミュニケーションなら、こっちのレベルに向こうも合わせてくれるし、雰囲気で何とかなる部分も多いので。ただ、英語の小説や台本は読めるようになりたい気持ちはあります。英語と日本語では文法もずいぶん違うけれど、文法が違うということは、頭の構造が違うということだから。外国語の文法を理解することで、外から日本人を眺めることができるんじゃないか。そうすると、“外国人から見た日本人”を演じるときに生かせるかもしれない、なんて思ったりします。新しい人物の捉え方は、常に模索しているので」

「アドリブもやりたい放題」、新ドラマは出演者主導の現場

 新しい人物の捉え方を模索しながら、わき上がったアイディアを芝居に反映しする。そんなふうに“人間”を作るイッセーの芝居は、もちろん最新作ドラマ『居酒屋ぼったくり』でも味わうことができそうだ。
 「撮影中も、演じるというより『ぼったくり』に通っている感じでした。僕たちが普通に飲んでいるところにカメラが入ってくるような出演者主導の現場で、即興芝居やアドリブもやりたい放題(笑)」

 アドリブならイッセーの独壇場かと思いきや、共演者の誰もが、プライベートで居酒屋にいるように自然に過ごしているらしい。何か面白いことを仕込んでくるわけでもなく、ただ自然に好きな店に通う。でも、それがちゃんとドラマになっている。
 「ここでは、誰も目論まないのがいいんですよ。芝居って、つい目論んでしまいがちなんだけど、この現場ではよこしまな考えは恥ずかしいことだなって思える。人間、真実とか?とか、現実とか虚構とか、正義とか悪とか、どちらか一つにだけ向かっちゃったら窮屈でしょ(笑)。僕だったら両方持っていたいし、諦めるときは両方諦める。夢がすべて叶ったらいいわけじゃなく、叶えられないことがあるのも夢のうち、ってことだよね」
(文:菊地陽子)

ドラマ『居酒屋ぼったくり』

原作:『居酒屋 ぼったくり』(秋川滝美/アルファポリス刊)
出演:片山萌美 高月彩良 中村優一 大方斐紗子 久保酎吉 福田彩乃 黒羽麻璃央 村田秀亮(とろサーモン) 波岡一喜 津田寛治 イッセー尾形
◆テレビ放送:BS12 トゥエルビ(全国無料放送)
事前特番 4月7日(土)よる9時00分より
本編 4月14日(土)よる9時00分スタート
        毎週土曜よる9時00分〜9時30分
◆配信:U-NEXT(見放題)
     4月14日(土)よる9時30分より
【公式HP】(外部リンク)
★新ドラマ『居酒屋ぼったくり』出演者写真はこちら

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