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欧州では“ボーイズラブ”が人気!? 海外のマンガ事情(後編)

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欧州では“ボーイズラブ”が人気!? 海外のマンガ事情

 「クールジャパン」構想だけでなく、近年ゲーム、スマートフォンアプリ、動画やインターネットなどを通じて、日本の“マンガ文化”に、世界中の人たちが気軽に触れられるようになった。コスプレイベントなども海外で行われ、アニメやマンガへの興味関心度は高まる一方だ。今回は、ライフスタイルから見た、海外のマンガ事情を紹介する。

■ヨーロッパで人気のジャンルは「801」

 海外で日本のマンガが特に人気なのはヨーロッパだ。なかでもフランスを中心に人気なのは「801」。これは「YAOI」と読み、やおい、ボーイズラブと呼ばれる分野である。

 もともと同性愛はイタリアやフランス、スペインといったカトリックの国ではタブー。しかし最近は同性婚が法律で認められたことにより、これらの国でLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)に理解が広がった。近年の社会の変化により、周りを気にせずオープンに読んでる人も多いという。

■日本のマンガ作品の「表現規制」問題

 日本のマンガは、数あるジャンルの中でも、主人公と敵の戦いを主軸とした“バトル漫画”が人気。しかし、アメリカや中東などでは、幼児を対象とした性描写、戦争、暴力は表現の規制や宗教上の問題でひっかかることが多い。

 最近では国連で日本の児童ポルノを規制しろと提議された。のちにその国連関係者が児童虐待をした過去があったことが告発され、日本のマンガが問題視されたことも記憶に新しい。

■海外のマンガファンによる「スキャンレーション」問題

 海外のマンガファンが公式に出版されたもの、また非公式に海賊版を入手し、自分で台詞などを翻訳し書き換えたものを配布されるということを“Scanlation(スキャンレーション)”という。これは、Scan(スキャン)とTranslation(トランスレーション、翻訳)を組み合わせてできた造語である。

 英語はもちろんのこと、ドイツ語、フランス語、スペイン語、中国語、タイ語、ポルトガル語などに訳されていて、専用のサイトでダウンロードやストリーミングなどをして、配布される。最近は著作権の問題が深刻となっているが、取り締まりが難しいのが現状だ。

■海外に「漫画喫茶」は存在するか

 世界各地の海外在住の友人・知人に聞いたところ、日本のように「漫画喫茶」が存在するのは台湾と韓国、インドネシアのジャカルタだけであった。アメリカやシンガポール、インドネシアなどアジア各国やドバイには『紀伊國屋書店』、フランス・パリには『ブックオフ』が存在するが、漫画喫茶は存在しないそうだ。

 スペインの場合だと公立図書館にスペイン語に訳された日本のマンガが置かれている。漫画喫茶が普及しないのは治安がよくないためセキュリティの問題もあるのかもしれない。またマンガが盗まれて商売にならないことも想定内だ。

 筆者はバルセロナの郊外に住んでいるが、近くにマンガを中心に売る本屋さんが2軒存在する。マンガの単行本は1冊8ユーロから10ユーロほど(日本円にすると1000円ほど)するため、小中学生がおこづかいで買うにはやや高価なものである。

 お店に入ってすぐの一番人気がある本を売るコーナーでは、スペイン語に翻訳された日本のマンガがほとんだ。店員さんに聞いたところによると、最近の人気は『ジョジョの奇妙な冒険』『僕のヒーローアカデミア』、『進撃の巨人』らしい。日本で出版されたマンガが翻訳されるのにかかる時間は、年々短くなってきているそうだ。日本のアニメがテレビで毎日放送されているスペインでは、アニメを先に好きになりその後マンガを読むようになる人も多い。

 マンガは日本の大切な文化だ。浮世絵が海外の有名美術館に購入されて、その価値が見出された過去の歴史を考えると、今後、マンガの原画なども価値の高い美術作品として、海外の有名美術館で常設展示される日もくるかもしれない。

 また、マンガがきっかけで日本語を学び始める人も多い。世界中の人に、マンガを通して日本はどのような国なのか知ってもらいたいと思う。

(中森 有紀)
スペイン・バルセロナ在住。大学でスペイン現代史を専攻、在学中に1年間スペインに留学。大学卒業後、書店勤務と英語講師を経験した後バルセロナに移住。英語、スペイン語、カタルーニャ語、日本語の4ヶ国語を話す通訳&ライター。2児の母。趣味はサッカー観戦と肉まん作り。

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