2018年03月09日 08時40分
ゆりやんレトリィバァ、英語ネタのきっかけは「アメリカかぶれの友だちの教え」
初の映画吹き替えに挑戦したゆりやんレトリィバァ(写真:鈴木かずなり) (C)oricon ME inc.
6日に行われた『R-1ぐらんぷり2018』では準優勝、昨年末の『女芸人No.1決定戦 THE W』では優勝したゆりやんレトリィバァ。映画『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』(3月30日公開)では初の日本語吹き替え版声優を務めるなど、今や飛ぶ鳥を落とす勢いだ。個性的なキャラクターが特徴だが、一方で流ちょうな発音で英語ネタを披露したりと、“知的”というキーワードも浮かび上がってくる。そんな彼女に、英語との出会いを聞いた。
◆ネタやCMで英語を披露、「しゃべっているのは中学で習ったことばかり」
ゆりやんレトリィバァといえば、アメリカのアカデミー賞授賞式であいさつする外国人女優のネタが有名。昨年発表された『2017 英語が上手いと思う芸能人ランキング』(English Style)でも、女性部門の6位にランクイン。英語を使ったCMにも起用されるなど、そのイメージはかなり浸透しているように思える。
そのことについて、ゆりやんは「私がしゃべっている英語をよく聞けば、同じ単語ばっかり話していることがわかると思うんですよね」と苦笑いを浮かべるが、「でも実際、英語をしゃべるときはハートが大切だと実感しています」と、語学を志す人にとっては核心を突くような発言をする。
続けて「謙そんでもなく、本当に英語のスキルはそれほどあるとは思っていません。私がしゃべっている言葉って中学で習ったことばかり。ただ、英語に憧れる気持ちと、自分の思いを伝えたいという気持ち、そして相手の思っていることを知りたいという気持ちだけは、人一倍強いと思います」と力説した。
◆英語ネタのきっかけは、突っ込みどころ満載の帰国子女の友人
そんなゆりやんが英語に興味を持ったのは、中学生のときだと言う。そのきっかけは1本の映画だった。「『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は昔から大好きで、中学生のときは毎日DVDを観ていたぐらいでした。この映画でアメリカを知り、英語っていいなと思ったんです。そこからはいろいろな映画に触れて、ファッションや文化などアメリカのカルチャー全般に興味を持つようになりました」。
それでも「英語の授業は得意ではなかった」と語ったゆりやんだが、あるユニークな友人のおかげで、のめり込んでいくことになる。「大学に入ると、周囲に留学経験者が多く、そういう人の話を聞くうちに、より具体的に興味を持つようになっていきました。なかでも、今ドバイに住んでいる帰国子女の女の子は強烈でしたね」と笑顔を見せる。
その女性は京都生まれの京都育ちながら、高校のときに1年間アメリカに留学していたそうだ。「たった1年ですよ。それなのに『アメリカに帰りたい』が口癖なんです(笑)。しかもなにかあると『オーマイガー』って大げさに驚いたり、目が合ったとき『オー!』みたいなリアクションしたり…。『なに言ってんねん!』って突っ込みどころ満載だったのですが、それが私にはツボで、だんだん真似するようになっていきましたね」。
◆バラエティー番組で単身ニューヨークへ、3ヶ月間“放置”されて…
そこからは積極的に“話す”ことを心がけたというゆりやん。「先ほど話したアメリカかぶれの友だちが教えてくれたのですが、例えは『My name is yuriyan retriever.I'm japanese comedian.』って動画で自己紹介したとき、無音で流したらまったく通じないけれど、身振り手振りや顔の表情をつけて話せば、だいたいは伝わると言っていたのです。確かにそうだなと思いました」と、英語を話す上で大切にしていることを教えてくれた。ゆりやんの英語ネタは、もちろん笑いを誘うよう強調されているのだろうが、実はそんな友人の“教え”がしっかり反映されているのだ。
自らの映画好き、そしてユニークな友人たちの導きによって、“英語”という武器を手に入れたゆりやん。以前放送されたバラエティー番組『世界のどっかにホウチ民』(TBS系)では、単身ニューヨークで3ヶ月間過ごした。
「正直、最初は『いけるやろ』と思っていたのですが、 New York City(流ちょうな発音)の人は話すスピードが速いし、知らない単語も多くて。なに言っているのかまったくわからず、すごくしんどかったんです。でもしばらくすると、耳が慣れてきて、ルームシェアしている子の言葉が普通に聞こえてくるんですよね。よく言われていることですが、やっぱり現地で毎日言葉を聞くというのは本当に大きいんだなと実感しました」。
「間違っても恥ずかしくない」という気持ちで、身振り手振り、表情豊かに“伝えたい”と思えば、ほとんどのことは通じる。ゆりやんの英語ネタは、外国人に対し臆病になりがちな日本人こそ、参考にすべきなのかもしれない。
(文:磯部正和)
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