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英語アプリが“インスタ映え”を演出

外国人旅行者でにぎわう「鎌倉 里のうどん」の店内(鈴木さん提供) [拡大する]

外国人旅行者でにぎわう「鎌倉 里のうどん」の店内(鈴木さん提供)

 2020年の東京五輪・パラリンピック開催決定に伴い、世界からの注目が高まる日本。訪日観光客数も増加傾向にあり、政府や企業も2年後の東京五輪に向け、旅行客の誘致や受け入れ環境の整備を強化している。

 それにあわせ、近年の「訪日インバウンド」に一役買っているアプリがある。飲食・宿泊・観光産業といった企業向けに、外国人接客を支援するアプリ『パロット』だ。従業員がスマートフォンで日本語の文章を入力すると、英語などの言語にアプリが翻訳してくれる。

 2016年1月からiPhoneとアンドロイドで提供スタート。このアプリを導入したある飲食店では、導入からわずか6ヶ月で、前年に比べて客単価が約2割アップしたという。アプリを使いどんな施策をして、経済効果が生み出されたのか。同アプリを開発した株式会社スーパーデューパーCEOの鈴木知行さんに聞いた。

■売上アップにつながった理由は“インスタ映え”?

 「いらっしゃいませ」「少しお待ちください」「お席を確認してまいります」など、日本では当たり前に交わされている入店時の挨拶。市販の内容ではなく、普段の接客で使っているフレーズを入力し、外国語接客トレーニングをする接客ツールとして活用できるのが、同アプリのポイント。経済効果につながった秘密も、このポイントをうまく活かしたから。

 SNSでは飲食店や観光地で撮影した写真がタイムラインに溢れかえる。中でも目に止まりやすいのは、集合写真と食べ物だ。鈴木さんが『パロット』導入先にアドバイスするのは、「Would you like me to take your photo?(写真をお撮りしましょうか?)」や「Shall we take a photo together?(一緒に写真をとりませんか?)」という一言を、タイミングを見計らって呼びかけることだという。

 こうした写真をお客さんのスマートフォンなどで撮ると、SNSで共有する率が上がることがわかった。文字だけでは伝わらないお店や観光地の雰囲気が伝わり、広がっていく。

 それが如実にあらわれたのが、冒頭で触れた半年で客単価が約2割上がって売上を伸ばしたという、神奈川県・鎌倉にある「鎌倉 里のうどん」だ。旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」が発表した『外国人に人気の日本のレストラン 2016』で、全国26位に躍り出た。前年は鎌倉市内で100位にも届かなかったのが、今や鎌倉市の1位、2位を争うほどになったという。 2016年5月の実績は前年から、口コミ数は4.5倍、海外からの来客数は50%以上増えたという。

 トリップアドバイザーに投稿された写真を見てみると、集合写真のほか、パワフルなのが食べ物の写真だ。

 「きれいな写真はSNSで共有されやすい。食べ始めると料理の盛り付けが崩れてしまうので、食べる前に『写真を撮るなら今ですよ』と、 声をかけてあげることが大切」と鈴木さん。「シャッターチャンスを教えると外国人客にはウケる。こぞって写真を撮ってくれる。お客さんの目の前でお好み焼きを焼く人のスキルの1つとしてシャッターチャンスを教えることを入れてしまうわけです」。特に、鉄板焼きやお好み焼きを出すお店には「お客さんが箸をつけてしまう前に言ってください」とアドバイスをしているという。

 「写真がSNSで共有されることにより、経済効果として集客につながる。店員に英語力があったとしても、タイミングを見計らって接客できなければ効果には結びつかない。そういう観点からいうと、外国語での接客と英会話は同じコミュニケーションのようでも意味合いは異なる」と鈴木さんは指摘する。

 語学力をあげるよりも、いつ何を促すかを明確にすることで、売上が伸びる接客が可能になる。『パロット』を使って、フレーズを覚えるのも、目的を「英語力を上げる」ではなく、「写真の投稿数を増やす」にするほうが、意味を成すということだ。

(取材・文/柏野裕美)

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