【早川幸治先生(11)】TOEIC人気講師が教えるスコアアップのコツ
働きながら勉強時間を確保するのは大変。試験当日までに残された時間の中で、どう対策をしたらいいのか。TOEICテスト対策の熟練講師、早川幸治先生に聞いた。
Vol.11:直前でも間に合う!【受験1週間前】からの勉強法
――仕事が忙しくて直前までTOEICテスト対策に手をつけられない受験者もいると思います。テストまで1週間を切ってしまったら、どんな勉強を集中的にしたらいいのでしょうか。
早川幸治先生(以下、早川) 1週間であるのであれば、「情報処理能力と対策力」に磨きをかけましょう。今まで頑張ってきたことをきちんとスコアに反映させる最後の準備です。
――レベルによってできる対策も変わりますか?
早川 中級を目指す初級の人は、基本的な問題を中心に解く練習をするとよいでしょう。1週間を切ってしまった場合は、新たな知識をつけるよりも、今持っている知識を確実にスコアに反映させるための解答練習が大切です。解けない問題ではなく、解ける問題に意識を向けましょう。また、リスニングの量を増やすと、「英語を英語のまま処理する」ことに慣れてきます。
中級から上級を目指す人は、テスト当日に「解き終わらない」ということのないように、模試等を活用しリーディングの時間配分を確認してください。テスト当日はリーディングを75分読み続けるため、日ごろから多めに英文を読むことに加え、さらにスピードを意識することでスキルへと転換することが可能になります。
スポーツ選手が試合前に筋トレより、実践練習に時間をかけるように、TOEICでもテスト前は実践練習を積むことで、テスト当日に実力が出せる状態を作りましょう。
継続学習で大切なことは「モチベーションに頼らない」
早川 1番いいのはテストまで時間がある段階で、「学習者仲間を作ること」。同僚も受験するのであれば、数人で学習グループを作るのもおすすめ。目標スコアが同じであっても違っても、学習仲間がいるとモチベーションが維持しやすくなります。近くに学習仲間がいない場合でも、ツイッターやブログで探すと、いくらでも刺激をもらえる環境がみつかります。
ただし、ここで大事なのは「モチベーションに頼らないこと」。
「モチベーションが続かない」と、悩む人は多いのですが、そもそもモチベーションは続くものではないと割り切ったほうが賢明です。簡単に上がるけど、下がるのも早い。モチベーションはホットコーヒーのようなもの。置いておいたら冷めてしまう。
――なるほど、熱しやすく冷めやすいというわけですね。ではモチベーションの代わりに、継続した学習のため必要なものは?
早川 頼るべきは、やる気とか意志とかモチベーションではありません。学習を習慣化するために大切なのは「スケジュール」なんです。
毎日5分のわずかなスキマ時間だけでも頑張ろうとするけど、それも続かなくて悩む人がいる。それは自分の意志に頼っている証拠。
スケジュールを立てて「毎日これをやる」と決める。通勤で最寄り駅についたらやることというのを決めてしまう。通勤のスケジュールに組み込んでしまうのです。
勉強というのは、意志に頼っても続かない。私も三日坊主で意志が弱くてモチベーションが続かないという自覚はあります。自分で認識しているので、意志やモチベーション以外のところで工夫をするしかないわけです。
それがスケジュールや仲間だと思います。
早川幸治(はやかわ・こうじ)
ニックネームはJay。株式会社ラーニングコネクションズ代表取締役。これまで全国120社以上の企業、大学、高校で英語研修や授業を担当。著書はベストセラー「2カ月で攻略 TOEICテスト730点!」など多数。高校2年で英検4級に不合格から学習をスタート。TOEIC 990点(満点)、英検1級。プレゼンセミナーや、ルー大柴さんとトゥギャザー研修も実施中。
■twitter:@jay_toeic(外部リンク)
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(文:柏野裕美)