【早川幸治先生(10)】TOEIC人気講師が教えるスコアアップのコツ
TOEICは、合格・不合格ではなく、正解数で評価され、受験者は日々スコアアップに励んでいる。上級レベル860点を突破するリーディング対策を、TOEICのエキスパート、早川幸治先生に聞いた。
Vol.10:【スコア860点】Part7は55分で、リーディングの時間配分
TOEIC対策の講義では、「語彙や文法の問題は『知っているか知らないか』を問うもので、悩むものではない」とアドバイスしているそう。加えて、リーディングでスコアを伸ばすためには、知識問題に時間をかけず最後まで解くことがコツだという。
早川幸治先生(以下、早川)テスト中に選択肢選びで悩む受験者は少なくありませんが、実は悩んでいるのではなく、「問題で止まっているだけ」ということはよくあります。どういうことかというと、Part5の短文穴埋め問題は、文法と語彙を知っているか知らないかだけが問われます。
例えば、時制を問う問題であれば、“yesterday”が文に含まれていたら、選択肢から過去形を選ぶ。比較級の文章であれば“than”から導きだし、比較級の単語を選択する。キーワードやヒントが設問に含まれているので、それがわからなかったら悩みようがない。
いい意味で「諦める潔さ」は必要です。そうすることによってPart 7の長文に時間を費やせる。
早川 Part5では文法語彙の問題が30問ありますが、考えて解けるものではなく、知識として知っているかどうかですから、何問正解できるかは、問題用紙を配られた時点で決まっていると思ってください。
テスト中に知識は上がりません。10分で解いても、30分かけても、正解数は変わらない。地理の問題になぞらえるとわかりやすいかもしれません。 韓国の首都はソウル、中国は北京、カナダはバンクーバーじゃないけど地名を思い出せないとか。こういう時は、さっさと「不正解だと思うもの以外」を選んで、Part 7に時間を投資するほうが大事です。
――Part7を攻略するには?
早川 Part 7は長文読解で54問あるので、1問につき1分は必要。リーディング全体で75分です。そのうち、できれば55分をPart7に残すつもりで、Part5とPart6を20分で終えたいところです。
トリプルパッセージという、何かしら関連した3つの文章を読んで解く問題が、後半の186番から200番まで続きます。これは普通に全部読まないと解くことができません。
なお、Part 7では、本文をきちんと読まないといけない問題が増えたので、難しくなったように感じると思いますが、これは、数年前のテストと比べてみると少ない正解数でも同じスコアを獲ることができるんです。
まだ最後まで解き終わらないという人は、本文を読むスピードが上がり、最後まで終わることができれば、ベストスコアが出ることは間違いありません。
早川幸治(はやかわ・こうじ)
ニックネームはJay。株式会社ラーニングコネクションズ代表取締役。これまで全国120社以上の企業、大学、高校で英語研修や授業を担当。著書はベストセラー「2カ月で攻略 TOEICテスト730点!」など多数。高校2年で英検4級に不合格から学習をスタート。TOEIC 990点(満点)、英検1級。プレゼンセミナーや、ルー大柴さんとトゥギャザー研修も実施中。
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(文:柏野裕美)