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海外で“日本のおばあちゃん”も人気、東京五輪へ向けたNHKワールドの秘策

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NHKワールドの看板番組である『NHK NEWSLINE』

 海外に向け、24時間英語で放送するNHKの国際放送、NHKワールド。主なターゲットはもちろん世界の人々だが、訪日外国人が増加する昨今、日本国内で視聴される割合も増えているそうだ。1月初頭には、関ジャニ∞村上信五らを司会に日本のアーティストを取り上げた番組『NHKWORLD presents SONGS OF TOKYO』を放送したように、ニュースだけでなく日本の文化やポップカルチャーなども積極的に紹介している。そんなNHKワールド、2020年の東京五輪に向けた新たな取り組みについても聞いた。

◆独自の音楽番組を放送、2020年に向けて広い視点で日本の文化全般を伝える

 PerfumeX JAPANなど、日本のみならず世界中で人気のアーティストがパフォーマンスを繰り広げた『NHKWORLD presents SONGS OF TOKYO』。同番組はもともとNHKワールドで制作され、1月1日・2日の2日連続放送。その後の8日にはNHK総合でも放送され、好評を博した番組だ。観覧客には、日本在住の留学生を中心とした外国人も多く集まった。村上やアーティストたちが観覧客とトークしながら、日本の音楽をわかりやすく紹介していたのが、通常の音楽番組とは趣の異なる点だった。

 「NHKの視聴者から観覧希望者を募り、一方でグローバルな視野で活躍されているアーティストの皆様のご協力で実現した企画です」と語るのは、番組の編成を担当したNHK国際放送局編成・デジタル部の高木千佳さん。

 「『SONGS OF TOKYO』は、平成29年度の目玉企画として制作した側面もありますが、やはり東京五輪・パラリンピックで世界中から日本に注目が集まる2020年に向け、食や旅などの定番のコンテンツだけではなく、より広い視点で日本の文化全般を伝える番組を、という気持ちで取り組みました」

◆国内の学生やビジネスパーソンの視聴も、アプリ視聴で裾野広がる

 この番組からもわかるように、NHKワールドは日本と世界をつなぐ架け橋の役目を担うチャンネル。海外での放送はもちろんだが、日本国内でもケーブルテレビなどで視聴できるほか、ホームページや専用アプリでライブストリーミングを観ることができるため、ユーザーの裾野はさらに広がっている。

 「英語の学習を目的とされている方、海外と仕事をされている方などに多くご覧いただいています」と語るのは同・副部長の那須敏正さん。「NHKの国内向け番組でもそうなのですが、英語でもわかりやすく丁寧に、ということを心がけて番組作りをしています。スペリングは基本、アメリカ英語ですが、アクセントはアナウンサーやナレーターによって違うので、実際に外国で耳にする様々な発音の英語を体感できると思います」というだけに、英会話を学ぶ学生を中心に、若い層もうまく取り込んでいるようだ。

 国際企画部副部長・田路(とうじ)良一郎さんは、「朝の通勤時間に電車内などで視聴する方も多いようです」と推測している。「『NEWSROOM TOKYO』などのニュース番組は、海外はもちろんですが、国内のビジネスパーソンの視聴も増えているように感じます。放送はもちろんライブストリーミングで手軽に視聴できるようPRなどに力を入れており、2010年からスタートした専用アプリによる視聴も軌道に乗ってきた。近年スマホやタブレットを誰もが持つようになったことで、簡単に視聴できるようになったことがプラスに働いているのかもしれません」

◆日本で唯一の公共放送、訪日外国人に向けた災害時の緊急報道も

 NHKワールドは、もともと国外で暮らす人々に向けて日本の番組を発信していたが、近年はその役割が少しずつ変わってきたそうだ。

 「旅行や出張などで訪日する外国人の増加に伴い、日本国内で地震などの災害が発生したときの緊急報道やアプリのプッシュ通知に力を入れています。英語以外の言語でも、この取り組みを広げていく予定です。紀行番組などを中心に、一部の番組では、すでに中国語、韓国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、スペイン語へのVODによる『多言語化』をすすめています。」(那須さん)

 非常時、日本人がこぞってNHK総合にロックオンするように、外国人観光客にも有用な情報を提供できる体制作り。日本で唯一の公共放送として、インバウンド需要に応えるのも大事な役割だ。先日、草津本白根山が噴火して多くのスキー客らが救出されたが、なかには訪日観光客も多数いたことは報道のとおり。日本で非常事態に遭遇した外国人にとって、このようなアプリやプッシュ通知の存在は、この上なく心強く、訪日へのさらなる安心感に繋がるだろう。

◆東京五輪まで2年弱、外国語習得とグローバルな視野を持つ一助に

 多言語化によって、日本オリジナルのコンテンツをあらゆる国の人々に観せ、日本に対する興味を持ってもらうことができるNHKワールド。海外での視聴者には、特にどのようなジャンルの番組が人気なのだろうか。

 「国内で放送されている、独自のフォーマットの番組がウケています。たとえば『ドキュメント72時間』や、『世界ふれあい街歩き』のように、まったく旅の主人公が姿を現さないというスタイルも、海外の視聴者には新鮮に映るようです。」(那須さん)
 「日本のおばあちゃんが妙に人気だったり(笑)、医療系や健康系のネタも反響が大きいです」(高木さん)

 東京五輪が開催される2020年が、日本にとって大きな節目の年となることは間違いない。グローバルな視野を持っているとは言い難い日本人が、それまでの2年弱にできることはなんだろうか。外国語習得はもちろんだが、客観的に日本を見る視点を養ったり、外国の文化に興味を持ったり。その一助となるのが、このNHKワールドなのかもしれない。

 NHKワールドは、4月よりチャンネル名を『NHK WORLD-JAPAN』と名称を変える。日本発の国際放送として、さらなる大役を担っていくこととなるだろう。
(文:よしひろまさみち)

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