苦手意識から抜けだすヒント集〜英語の発音が苦手な日本人の謎に迫る〜

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 日本人は、英会話の中でも特に発音が苦手といわれ続けています。ネイティブのようなきれいな発音で英語を話したい、発音さえ上手にできればもっと英会話を楽しめるのに、と思われる方も多いでしょう。

 便利なフレーズをたくさん覚え、簡単な会話なら聞き取りができるようになってきても、いざ話してみると自分の英語が通じなくてガッカリした経験は、誰でも一度はあるはずです。あるいは、留学生との交流会や、外国からのお客様との会食など、英会話実践のチャンスを目前に控え、自分の発音に自信が持てないために気が重くなっている方もいるかもしれません。

 では、なぜ日本人は英語の発音が苦手なのでしょうか。英会話を楽しむために、きれいな発音を身に付けたいが、どこから手を付けたらよいのか分からないという方のために、日本人が英語の発音を苦手とする理由をひもといて、発音上達の手がかりを探っていきましょう。

そもそも日本人が英語の発音を苦手とする理由は?

 日本人が英語の発音を苦手とする最大の理由は、日本語を母国語として育った人は「英語の音を言語として認識する聴力が発達していないこと」といえるでしょう。これは言語によって音域が異なっていることが原因です。一般に、日本語の音域は、周波数125ヘルツから1,500ヘルツであるのに対し、アメリカ英語の音域は、周波数は750ヘルツから5,000ヘルツといわれています。人間が聞き取れる音の範囲は15ヘルツから20,000ヘルツなので、日本語の音域ではない英語の音も聞こえるものの、実のところ、発音できない音は雑音として処理されてしまい、脳が言語として認識してくれません。きちんと発音できるように訓練し、英語の音を言語として処理する回路を頭の中に作らなければならないのです。

 また、英会話で話が通じない理由が、英語の発音そのものではなく、別のところにある場合もあります。例えば、イントネーションやリズムに問題があることも考えられます。あるいは、ネイティブが発音すると音が変化する仕組みを知らないということもあるでしょう。音の結合である「リンキング」を知らないために、通じる発音で話せないこともあるのです。

 リンキングの例を挙げると、
 ・want + to → wanna
 ・going + to → gonna

 などの表現があります。これなら聞き覚えがあると思われた方もいるでしょう。リンキングは、アメリカ英話で日常的によくみられる現象で、突き詰めると奥が深い仕組みです。まずは、よく使う言い回しを覚えて、自分で使ってみるところから始めるとよいでしょう。

発音矯正の注意点と意識して取り組みたいポイント

 英会話を楽しむために一日も早く発音の問題を克服したいのであれば、日本語にない英語の音に絞って発音を練習することをお勧めします。特に、日本語の周波数にない音や、自分の苦手な音に特化するとよいでしょう。では、自分の苦手な音はどうやって見極められるのでしょうか。リスニングの練習を重ねていくと、聞くのが苦手だと自覚する音が見つかるはずです。自分の発音できない音は聞き取ることができません。つまり「聞けない音=自分が発音できない音」なのです。具体的には、まず辞書を引いて、聞けない音の発音記号を拾い出します。そのリストを基に、聞けない音は徹底して発音の練習をしましょう。

 きれいな英語であっても、一貫性のない発音は聞きにくいものです。まず、どの英語圏の英語をお手本にしたいのかを自分で決めましょう。どこの国、どの地域で話されている英語なのかを考えて選ぶのです。例えば、アメリカ英語に決めたとして、ロサンゼルス近郊の西海岸の英語なのか、シカゴで話される北西部の英語なのかを選びます。特に、映画や海外ドラマを使う方法で発音を学ぶ際には、物語の設定都市がどこであるのかに注意して作品を選びましょう。

 正しい発音や発音記号が学べる教材もあります。発音記号ときれいな音をセットにして聞くことだけでなく、きれいに発音している単語を聞くのも助けになるでしょう。

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発音の訓練方法は続けられることを最優先で、ライフスタイルに無理がないものを!

 きれいな英語を話す訓練の方法はさまざまですが、ここでは、発音のコンプレックスを解消する10のヒントを紹介します。

1. アクセントは音の強弱ではなく、単語レベルでの音の高低のことです。「強=長め高め」、「弱=短め低め」と解釈して発話すると、より自然なアクセントに近づきます。

2. イントネーション、文章レベルでの音の高低は、話し出す音を普段よりワントーン低めに発音することで解決します。言葉の幅が広がり、英語らしい話し方に近づきます。

3. Rが苦手ならLも意識して発音しましょう。Rと比べて、Lは口の前へ押し出すように発話します。

4. Rで始まる単語は、発音の前に小さいウを付ける感覚で、口をすぼめて発音します。

5. アメリカ英語に親しんでリンキングの引き出しを増やしましょう。

6. リズムを意識するために、音節で単語を捉えましょう。例えば、hun-gry(空腹な)か、Hun-ga-ry(国名のハンガリー)なのかといった具合です。

7. 発音は筋トレです。基礎である発音記号を参考にして、発音の練習をしましょう。まずは、苦手な音を中心に行いましょう。

8. リップリーディングに挑戦しましょう。好きな映画や海外ドラマを見て、セリフを聞きながら登場人物の唇を読みます。唇の動きを身体に覚えさせましょう。

9. 好きなことや自分の得意なことに特化した単語を題材にして発音を練習しましょう。

10. 英会話のきっかけをつくるために、きれいな発音で自己紹介できるように練習しましょう。

 自分の生活に取り入れやすいところから取り組んでみてください。現在、英会話のレッスンを受講中の方は、「話の流れに支障がない程度に、きれいな発音に注意してほしい」と伝えることをお勧めします。英会話のレッスンが良い意味で緊張感のあるものとなるでしょう。主体的に目的をもって学べば、上達のスピードがアップすることは間違いありません。

 英語をきれいに発音できるようになれば、聞き取りの能力もアップします。発音練習を繰り返すことは「英語を言語として聞き取る耳」を作り上げる助けにもなり、結果として英語での会話が弾むようになるのです。

 きれいな発音は、話す相手への「思いやりの心」を示す手段です。きれいな発音を身に付けて英会話を楽しむことは、相手のためでもあり、ひいては自分のためでもあります。なぜなら、聞きやすい英語や、安定感のあるリズムで話される英語は、相手にもストレスを感じさせることなく、話の内容そのものに耳を傾けてもらえることにつながるからです。

 発音の矯正はトレーニングと考えましょう。自分で身体を動かさなければ、決して身に付くものではありません。毎日の生活の中で無理なく続けられる方法を選び、英語をきれいに発音できる力をぜひ手に入れてください。

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