【早川幸治先生(12)】TOEIC人気講師が教えるスコアアップのコツ
今回は、TOEICを受験し分析、TOEICを知り尽くした早川先生に、受験者へ最後のアドバイスをもらった。
Vol.12:熟練講師が教える“イマドキのTOEIC”
目標スコアを設定したり、昇進・昇格の要件に活用したりする企業も多く、受験者たちはスコアアップを目指している。しかし、「TOEICで高得点を取っても仕方がない」という話を耳にすることも……実際はどうなのか。早川幸治先生に“イマドキのTOEIC”について話を聞いた。
――TOEICテストで高得点を取っても仕事では活かせないものなのでしょうか。
早川幸治先生(以下、早川) 英語を使って仕事をしている人たちに聞くと、確かに「TOEICでハイスコアをとっても使えるとは限らない」という答えが返ってきます。ただし、コメントは続き、「TOEICに出てくる内容がわからないのであれば、ビジネスで通用する英語力があるとは言えません」と言います。
TOEICテストは、実際のビジネスシチュエーションに近いため、今後自分の仕事で普通に使う語彙や表現がTOEICテストにも出てくるという意識で取り組むと、TOEIC対策もただのテスト勉強ではではなくなり、ロールプレイを通した学習へと高まります。
全受験者へ贈るアドバイス〜“習慣づけ”を英語力に
早川 まずは、リーディングPart7の長文問題でしょう。メールのやり取りやチャットにしても、正しい文法やよく使われる表現を用いて書かれた英文ですから、ライティングの勉強に使えます。自分が実際に仕事で使える文法や文章の宝庫と捉えてみてはいかがでしょうか。
リスニングにおいても、学習する側はリスニングでも、相手からしたらスピーキングですから、アウトプットの練習として活用をすることもできます。使い方次第でTOEICテストはいくらでも英語の上達に役立てることができるのです。私自身もTOEICを学んだことが、実際に英語を使う際に非常に役に立っています。
上級者ほどそういう意識で取り組むと、英語力は伸びていきます。メールの書き方が上手になったり、読むスピードがあがったり。逆に中級から上級を目指そうという時に、ひたすら問題を解くという意識だと、英語力が上がらずにスコアが伸び悩むかもしれません。
――TOEICテストには、ビジネスシーンでも使える素材が豊富に出てきます。参考書等による勉強に加えて、英語のニュースや新聞を読むことも、テスト対策によいといわれています。“勉強”という意識ではなく日々の習慣から英語力が伸びる理由とは。
早川 TOEICはテストなので、答えを導くためにあります。問題文を完全に読めなくても解ける問題はありますし、リーディングセクションは解くために読む、リスニングセクションは解くために聞くというのが大前提です。
一方、英語のニュースなどは、世界状勢であったり、業界のトレンドを掴んだりなど、読む目的や聞く目的があります。情報を得るために読む・聞くというのが目的です。
このように、テストと日常とでは読み方に意識の違いがあります。情報を理解するということを習慣づけておくことが、TOEICにおいて情報を理解するための読み方・聞き方が可能となり、解答テクニックに足を引っ張られることなく、高めたスキルを発揮できるようになります。
そういった意味でもTOEIC対策とは関係のない、英語ニュースなどに日頃から触れておくことはおすすめです。
早川幸治(はやかわ・こうじ)
ニックネームはJay。株式会社ラーニングコネクションズ代表取締役。これまで全国120社以上の企業、大学、高校で英語研修や授業を担当。著書はベストセラー「2カ月で攻略 TOEICテスト730点!」など多数。高校2年で英検4級に不合格から学習をスタート。TOEIC 990点(満点)、英検1級。プレゼンセミナーや、ルー大柴さんとトゥギャザー研修も実施中。
■twitter:@jay_toeic(外部リンク)
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(文:柏野裕美)