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「テイラー・スウィフトの曲は隙がない」、音楽プロデューサー・中田ヤスタカが海外ヒットメーカーを語る

 Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅを手がける音楽プロデューサー・中田ヤスタカが、初のソロアルバム『Digital Native』を発表。本作は、オリコン週間デジタルアルバムランキング(2/19付)で1位を獲得した。中田は2016年、リオ五輪閉会式の日本のステージで音楽を担当。海外アーティストのリミックスを数多く手がけるなど、日本ばかりか世界中の音楽関係者から注目されている。「国籍や民族をまたいだコラボなんて当たり前」と語る彼は、特別な意識などなくとも音楽で国境を越える。まさに“ネイティブ”なのだ。

世界が注目する中田、「国籍や民族をまたいだコラボなんて当たり前」

  • 初のソロアルバム『Digital Native』

    初のソロアルバム『Digital Native』

――初のソロアルバム『Digital Native』が発売されました。
中田ヤスタカ 自分では“初”かどうかは、よくわからないです(笑)。今までソロ名義で曲を作るときは、CMなどの依頼されたものが主で、“使い切り”というか、リリースをしないことが前提でした。ただ、前からずっとソロアルバムは出したいと思っていて。自発的に作った曲が溜まったので、出すことになったんです。

――アルバムなら徹底的に自分の音楽性を追求できるので、今後は依頼ベースの作曲はあまり受けなくなるとか?
中田ヤスタカ むしろ逆ですね。僕、一つのことをやっていると飽きちゃうんです。今回みたいな曲の作り方をすると、今度はそうじゃないのも作りたくなる。だから、また“使い切り”の曲もやりたいし、今はこれを作り終わった反動で、超ベッタベタのカラオケで歌える曲を作りたいと思ったりもする(笑)。

――今回のアルバムには、世界最大級の都市型音楽フェスの世界公式アンセムや、カイリー・ミノーグのヒット曲のリミックスも収録。中田さんといえば、今もっとも世界から注目されている日本人アーティストという印象があります。ご自身の音楽は、どういう属性を持っていると思いますか?
中田ヤスタカ 日本は“洋楽”“邦楽”という呼び方をしているけど、ざっくりしすぎですよね。だって邦楽以外は全部洋楽なわけでしょ?(笑)。例えば、僕が英語の歌詞を書くシンガーと曲を作るように、世界では国籍や民族をまたいだコラボなんて当たり前。今作でも、ロンドンに住むCharli XCXと、東京で生活している僕が一緒に作っているだけで、別にそれが“何楽”でもいい。でも僕は日本で生まれ育って、人生の半分以上を東京で過ごしている。意識の問題でなく結果として、僕の作るものは“東京の音”になっていると思うんです。

――ある意味、アルバムタイトルの『Digital Native』こそが、中田さんの属性。
中田ヤスタカ 僕らは、過去の世代が意識してきたことを意識しなくなってきた世代だと思います。わかりやすくいえば、「アナログは過去のもの、デジタルは新しい」みたいな区別が、僕らにはない。今音楽やろうと思ったら、ギタリストでもコンピューター使うのが当たり前だし、デジタルの中に、アナログっぽさとデジタルっぽさ両方がある。だから、デジタルはアナログを追いかける必要もないし、アナログはデジタルを敵視する必要もない。僕は今、「その次を見たいな」という希望を持っています。だって、僕が初めて曲を作った時の機材よりも、今のiPhone10の方が、ずっと高性能なんです。もし僕が高校生の時にiPhone10があったら、世界一のミュージシャンになれると確信したと思う(笑)。

Perfumeやきゃりーをプロデュース、「その方がサービス精神が出る」

  • 昨年は“中田ヤスタカ/きゃりーぱみゅぱみゅ”名義でスプリットシングル「Crazy Crazy(feat.Charli XCX & Kyary Pamyu Pamyu)/原宿いやほい」を発売

    昨年は“中田ヤスタカ/きゃりーぱみゅぱみゅ”名義でスプリットシングル「Crazy Crazy(feat.Charli XCX & Kyary Pamyu Pamyu)/原宿いやほい」を発売

――中田さんが曲を作るとき、「売れる曲を」という意識は?
中田ヤスタカ 同じ曲なら、売れないよりも売れた方がいいに決まっている。でも、売れるための曲を作っちゃったら、それはエンタテインメントになるし、僕はそこを目指しているわけじゃないんです。エンタテインメントの基本は人を喜ばせることだけど、自分は全然違う職業だと思っていて。

――シンプルに、“面白いことをやっていきたい”という感じですか?
中田ヤスタカ もうちょっと提案型です。なんていうか、世の中に浸透しているセオリーやシステムにもっと疑問を持っていたい。例えば、エレキギターを発明した人のように今は当たり前になったものも、そうではなかった時代があるはず。その分岐点とか、フックみたいな発想で、もっと音楽で探っていきたい。今回のソロアルバムも、その辺は意識して作っていました。だから「売れるだろう」よりは、「売れなさそう」と思いながら(笑)。

――日本を代表するヒットメーカーとは思えない発言です(笑)。
中田ヤスタカ 僕、絶対そういうタイプじゃないですから。プロデュースをするときも、「売れたい」という強い意志を持った表に立つ人たちと関われたから、ヒットメーカーという紹介の仕方をしてもらっているだけ。自分自身のソロに関して、結果を残すことは最初から諦めているに近いです。

――Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅなど、プロデューサーに徹している時は、曲作りに対する意識は違いますか。
中田ヤスタカ プロデュースしているときは、もうちょっと“安心感”を加えますね。プロデュースの時の方が、サービス精神が出る。

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