ビジネスに直結! 専門職に必要な「資格・試験」

  • 画像/ビジネスシーンで英会話を使っているイメージ

 グローバリゼーションが進むなか、英文メールや英語のプレゼンテーション、会議、交渉などさまざまなビジネスシーンにおいて、英語を使う場面が増え、もちろん仕事の現場では、実践力のある英語能力が求められています。

 そこで、ここからは観光ガイドに翻訳、工業英語に会計士の翻訳英語など、専門職別に必要となる英語の資格試験から、ビジネスの現場で役に立つ「GTEC」をはじめとする実務に直結した、実力派の英語の資格試験をチェック。それぞれの特性やポイント、また試験内容などをみていきましょう。

翻訳家に通訳、観光ガイドなど…英語をいかした専門職への資格試験とは?

 通訳や翻訳家といった専門職に就くためには、どのような資格を受けるべき? そこで、語学で唯一の国家資格である通訳案内士から国際会計まで専門職のための英語の資格試験をご紹介。
 資格試験のための学習をすれば、専門職につかない場合でも確実に英語力はアップ! インターネット在宅型の英語の資格試験や公的な資格証明となる資格試験もあり、一度トライしてみては?

【専門職別でみる英語資格・試験】
(1)観光×英語

通訳案内士
(通訳ガイド)

国際観光振興機構(JNTO)が実施する通訳案内士試験で、語学で唯一の国家資格。外国語を用いて、報酬を受けて外国人に付き添い、旅行に関する案内をする業を営む場合は、通訳案内士法の規定により、通訳案内士試験に合格し、都道府県知事の登録を受ける必要がある。

【試験内容】
外国語についての筆記試験、日本地理、日本歴史、一般常識。

観光英語検定試験
(観光英検)

全国語学ビジネス観光教育協会が業務の基礎的技術の向上を目的として検定試験を実施。旅行・観光・ホテル・レストランサービス等の職業で必要とされる英語力を判定する。合格者には合格証(カード)を無料で送付。

【試験内容】
旅行先や観光時などの場面における専門用語や言い回しなど。



(2)翻訳×英語

翻訳専門職資格試験

日本翻訳協会(JTA)公認。インターネットによる在宅型の試験で、6つの分野から1分野を選択。(フィクション・ノンフィクション/IR/金融/リーガル/医学・薬学/特許(IT))。全てに合格し、翻訳実務経験2年の実績審査を行った上で「JTA 公認 翻訳専門職」として認定される。

【試験内容】
文法技能、IT技能、専門技能、マネジメント技能の4科目。

JTF
(ほんやく検定)

日本翻訳連盟(JTF)が実施する産業翻訳の英語検定試験。インターネット試験で、実務翻訳の技能を測る。翻訳の完成度に応じて、実用レベルから4級と5級(基礎レベル)、1〜3級または不合格を判定する。合格して取得した資格は公的な資格証明となる。

【試験内容】
各級共通で6分野(政経・社会/科学技術/金融・証券/医学・薬学/情報処理/特許)から1分野を選択。

知的財産翻訳検定

日本で唯一の知的財産翻訳能力認定専門機関である日本知的財産翻訳協会(NIPTA)が実施。国際的な専門知識が求められる特許翻訳能力を客観的に評価し認定するオンラインの検定試験。

【試験内容】
1〜3級があり、1級認定候補者には面接がある。日本企業が海外へ特許出願を行う際必要となる特許明細書の翻訳力を判定する。



(3)通訳×英語

ビジネス通訳検定
(TOBIS)

通訳技能向上センターが実施するビジネス通訳の検定試験。国際会議や重要な国際ビジネスの場での通訳能力を測る。検定結果は個別にフィードバックされる。

【試験内容】
ビジネス知識を含む通訳スキルを総合的に判定。2〜4級の判定は逐次通訳試験で行い、1級の判定は同時通訳試験で行う。



(4)その他専門職

貿易実務検定

日本貿易実務検定協会が実施。貿易実務の知識や能力を測る検定試験。受検者層は、貿易関連の業務に携わる人から個人輸入の人、通関士やマーケティングを学習中の学生など幅広い。

【試験内容】
出題内容は、マーケティング、商談、契約、代金決済、信用状、クレームなど。C〜A級まで1つずつレベルアップし、業務に役立つ実力がつく仕組み。

工業英語能力検定試験
(工業英検)

日本工業英語協会が実施する工業英語に関する検定試験。出題分野は電気系から土木、情報処理と多岐に渡る。これらの分野を専門・専攻している人に適している。専門職の現場で使用される英語力に直結。工業英語の実力を証明することができる。

【試験内容】
出題分野は機械、電気、電子、通信、化学、建築、土木、情報処理など。3・4級は全問マークシート方式、1・2級は全問記述式。

BATIC
(国際会計検定)

東京商工会議所が実施する国際会計検定。国際的な会計基準が進むなかで英語力と共に国際会計スキル力が必要とされる。試験結果は合否ではなく、受検者全員に点数の認定をする。

【試験内容】
英文簿記(全受検者必須)と国際会計理論(修得レベルに応じて任意)で国際会計スキルを判定。

ハイレベルな英語力が求められる資格・試験

 語彙力やライティング力、スピーキング力など仕事で必要とされる英語力をアップさせることができれば、現在の仕事だけでなく転職する際の試験や面接にも役立ちそうです。スピーキングのみのテストなど、ハイレベルな英語力を身につけたい人なら、目的にあった資格試験がみつかるかも?

■GTEC
 ベネッセとベルリッツ・インターナショナルが共同で開発。オンラインテストにより、「聞く」「読む」「書く」「話す」の4つの技能を多面的に測定。受検後、リスニング・リーディングのスコアをすぐに確認でき、10日以内にライティング・スピーキングのスコアレポートをインターネットで閲覧可能。

【資格のPoint】
 オンラインによる4技能測定は世界初。実際の生活・ビジネスに使用されるオーセンテイックな英語による出題。

■GMAT
 世界各国のビジネススクール(MBAプログラム等を学ぶための経営大学院)への入学希望者を対象に行われるコンピュータ受検。入学後に、授業についていけるだけの英語能力を保有しているかを測る。4つのセクションから成り、グラフの読み取り、数学、図表分析や推論等の高度な理解力が必要となる。

【資格のPoint】
 エッセイのライティングや代数学や幾何学などの基本的な数学の知識を用いるなど、ハイレベルな英語力が必要。論理的思考能力を試される試験ともいわれる。

■日商ビジネス英検
 日本商工会議所の検定試験。試験会場のパソコン等を利用して、試験の自動実行プログラムや試験問題を画面の指示に従いダウンロードして実施。答案を作成し、インターネットを介して日商に送信する。3級から1級まで。

【資格のPoint】
 1級の出題内容は、英文書作成や英文解釈等の記述が中心となっている。

■ビジネス英語翻訳士 検定試験
 BESビジネス教育学会が主催。ビジネスの実践面において使える翻訳能力を第三者機関として認定する目的で実施している。試験の種類は、ビジネス英語翻訳主任者、ビジネス英語準翻訳士、ビジネス英語翻訳士の3つのレベルがある。

【資格のPoint】
 各試験とも和訳・英訳の両方の翻訳力が検定される。メール、fax、郵送いずれかの方法での自宅受検。

■SST(英語スピーキングテスト)
 語学の学習書を出版するアルクが実施。試験官は受検者のレベルに応じてテスト内容を変化させ、受検者が国際社会において必要とされている英語の運用能力がどれだけあるかを評価する。

【資格のPoint】
 15分間、1対1の対面式インタビューで英語のスピーキング力と運用能力を測る。電話で受検できる「TSST」もある。

※試験内容等が変更される場合があります。申し込む際は、事前にそれぞれの公式サイトで必ず詳細をご確認ください。

【文・取材/寺本亜紀】
ライター、映像翻訳者(映画やドラマ、ドキュメンタリーの字幕翻訳・吹替翻訳)。英文科卒業。小学校英語指導者資格取得。カナダ、アメリカ、オーストラリアで親子留学を経験。

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