Q.使える英語の資格を取得したいのですが、おすすめは?

東京五輪の開催が決定したので、英会話を再び勉強したいと思うようになりました。せっかく英語を勉強するのなら“使える英語の資格”を取りたいのです。多くの資格試験がありますが、お勧めの資格試験があれば教えてください。
【A】語学の試験で唯一の国家試験は「通訳案内士」

 グローバル化を迎え、また2020年に開催される東京五輪を控えて、外国人を案内するために必要な英語力と知識を身につけたいと考える方が増えています。使える英語の資格ということですので、そういった方にお勧めの英語の資格試験をご紹介します。

▼国土交通省観光庁主管の通訳案内士試験をご存知でしょうか?

 語学の試験としては唯一の国家試験で、通訳ガイド(通訳案内業)になるための資格試験です。通訳ガイドは、報酬を受けて外国人に付き添い、旅行案内の業を営む場合は、通訳案内士法の規定により、通訳案内士試験に合格し、都道府県知事の登録を受ける必要があります。

 2013年4月1日現在の登録者数は16,779人。一方、2013年の訪日外国人旅行者数は過去最高の 1,036万4千人です。ちなみに2013年度通訳案内士試験に合格したのは1,201人でした。

▼無資格での通訳案内では報酬を受け取れない

 ちなみに、通訳案内士(通訳ガイド)を規定する通訳案内士法が平成18年4月に施行されており、「通訳案内士でない者は、報酬を得て、通訳案内を業として行ってはならない」、「違反すると50万円以下の罰金に処せられる」と定められています。

 通訳案内士は、単に語学力が優秀であるだけでなく、日本の地理、日本の歴史、さらに産業、経済、政治および文化といった分野に至る幅広い知識、教養を持って日本を紹介する重要な役割を担っています。日本の文化を英語で説明する日本特有の資格といえますね。

※対象言語は現在10言語。英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、中国語、韓国語、タイ語のうち、1言語を選択して受験します。

 海外留学や海外旅行、また海外赴任した際、日本の文化などについて尋ねられて、英語でうまく答えられなかった経験がある方も多いのではないでしょうか。そういった場面でもこの資格試験の勉強は必ず役に立つと思います。
One more アドバイス
平成26年度より、TOEICテストが通訳案内士試験の英語筆記試験の免除対象として、新たに認定されました。TOEICの公開テストで840点以上、TOEICスピーキングテストの公開テストで150点以上またはTOEICライティングテストの公開テストで160点以上を得た者が、英語による通訳案内士試験を受験する場合は、外国語筆記試験(英語)を免除されます。まずはTOEICテストのスコアアップを目指すのもいいですね。
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【文・取材/寺本亜紀】
ライター、映像翻訳者(映画やドラマ、ドキュメンタリーの字幕翻訳・吹替翻訳)。英文科卒業。
小学校英語指導者資格取得。カナダ、アメリカ、オーストラリアで親子留学を経験。
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