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中田ヤスタカ、東京五輪への意識とは?「コンペもあまり出したことはない」

初のソロアルバム『Digital Native』を発表した中田ヤスタカ [拡大する]

初のソロアルバム『Digital Native』を発表した中田ヤスタカ

 Perfumeきゃりーぱみゅぱみゅを手がける音楽プロデューサー・中田ヤスタカ。2016年には、リオ五輪閉会式の日本のステージで音楽を担当。海外アーティストのリミックスを数多く手がけるなど、世界中の音楽関係者から注目されるプロデューサーだ。そんな彼が発表した初のソロアルバム『Digital Native』も、オリコン週間デジタルアルバムランキング(2/19付)で1位を獲得するなど好調。「国籍や民族をまたいだコラボなんて当たり前」と語る中田、音楽で国境を越える彼の考え方、そして東京五輪への意識とは?

◆Perfumeやきゃりーをプロデュース、「その方がサービス精神が出る」

――中田さんといえば、今もっとも世界から注目されている日本人アーティストという印象があります。ご自身の音楽は、どういう属性を持っていると思いますか?
「日本は“洋楽”“邦楽”という呼び方をしているけど、ざっくりしすぎですよね。だって邦楽以外は全部洋楽なわけでしょ?(笑)。例えば、僕が英語の歌詞を書くシンガーと曲を作るように、世界では国籍や民族をまたいだコラボなんて当たり前。今作でも、ロンドンに住むCharli XCXと、東京で生活している僕が一緒に作っているだけで、別にそれが“何楽”でもいい。でも僕は日本で生まれ育って、人生の半分以上を東京で過ごしている。意識の問題でなく結果として、僕の作るものは“東京の音”になっていると思うんです」

――中田さんが曲を作るとき、「売れる曲を」という意識は?
「同じ曲なら、売れないよりも売れた方がいいに決まっている。でも、売れるための曲を作っちゃったら、それはエンタテインメントになるし、僕はそこを目指しているわけじゃないんです。エンタテインメントの基本は人を喜ばせることだけど、自分は全然違う職業だと思っていて」

――シンプルに、面白いことをやっていきたい?
「もうちょっと提案型です。なんていうか、世の中に浸透しているセオリーやシステムにもっと疑問を持っていたい。例えば、エレキギターを発明した人のように今は当たり前になったものも、そうではなかった時代があるはず。その分岐点とか、フックみたいな発想で、もっと音楽で探っていきたい。今回のソロアルバムも、その辺は意識して作っていました。だから『売れるだろう』よりは、『売れなさそう』と思いながら(笑)」

――日本を代表するヒットメーカーとは思えない発言です(笑)。
「僕、絶対そういうタイプじゃないですから。プロデュースをするときも、『売れたい』という強い意志を持った表に立つ人たちと関われたから、ヒットメーカーという紹介の仕方をしてもらっているだけ。自分自身のソロに関して、結果を残すことは最初から諦めているに近いです」

――Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅなど、プロデューサーに徹している時は?
「プロデュースしているときは、もうちょっと“安心感”を加えますね。プロデュースの時の方が、サービス精神が出る」

◆「テイラー・スウィフトの曲は隙がない」、中田が語る世界のヒットメーカー

――日本以上に海外のアーティストが、中田さんの音楽の影響を受けているようですが。
「世界中に僕みたいなミュージシャンは結構いると思います。音楽マニアたちが、『ちょっと面白いぞ』『一緒にやってみたい』と興味を持つような。でも、その人たちがその国でメインストリームかというと、ちょっと違うと思うんです。ワールドワイドに共通する“ヒットチャートを賑わす人たち”は、音楽にあらゆる要素を詰め込める人たち。世界のヒットチャートをチェックすると、一つの曲を分解して、完璧な状態に組み立てるのがうまい人たちは大勢いて、それはさすがだなと思います」

――なるほど。
「たとえば、テイラー・スウィフトの曲は、まったく隙がない。『もっとこうした方がいいんじゃない?』みたいなポイントを、ことごとく潰してくる(笑)。その一方で、天然で感覚的にぶっ飛んでいる人の曲って、隙がすごくあるんです。だけど、トップのヒットチャートを作るイケイケの人たちに影響を与えるのは、実は隙だらけのミュージシャンの方だったりするんですよ。僕もそっちの方かな、と思うんです。僕自身、常にカウンターでいたいからかもしれないけど、自分が自分のまま世間に広く認知されるイメージは湧かない。でも、ヒットチャートを賑わすプロデューサーが、自分の曲を聴いて育った時期がある…とか(笑)。そういうイメージならリアルかな」

――日本と海外と、音楽活動に対する意識もさほど変わらない?
「そうですね。結局、日本は日本の中だけで消費されるものが話題になる。日本が世界に発信する音楽があることを、日本人がまだ信じてないですよね」

◆リオ五輪閉会式で音楽を担当、東京五輪への考えは?

――2016年にはリオ五輪閉会式の音楽を担当。2020年の東京五輪でも、と思いますか?
「音楽を作ること自体はすごく自発的なことだけど、何かのテーマに採用されるかどうか、みたいな話に関しては、いつも受け身になることが多いですね」

――コンペなら?
「コンペもあまり出したことはないです。僕の作りたい曲は、勝ち抜くための音楽じゃない。世の中はそういう曲に溢れているけど、僕が作りたいのは、多分“コンペなら通らない曲”になっちゃう(笑)。採用不採用を決定する人たちが、『これは、ちょっと不安』となる曲を作りたい方なので。ただ、僕に合っていると思ってもらえるような演出があった時に、そこに関して曲のオファーがくるとか…。もしそういうことがあれば、光栄だし、嬉しいだろうなとは思います」
(文:菊地陽子)

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