ビジネス通訳検定試験(TOBIS)はどんな試験?
ただしその一方で、企業によって通訳者に求めている通訳レベルにバラつきがあるために、企業と通訳者のマッチングが課題となっていました。
そこで登場した検定試験が「ビジネス通訳検定試験(TOBIS)」です。ここでは企業から信頼される通訳者になるために取得したい、ビジネス通訳検定試験についてご紹介します。
通訳といえば国家資格「通訳案内士」も有名ですが、通訳案内士試験は旅行に関する通訳者を対象にしたテストです。これに対してビジネス通訳検定は、外資系企業や貿易会社などに常駐して企業内の通訳者として業務を行う「ビジネス通訳者のための試験」であると言えます。
→逐次通訳試験……通訳業務経験者(企業内通訳者、企業派遣通訳者含む)、通訳を目指して勉強中の方
→逐次通訳試験および同時通訳試験……同時通訳実務経験2年以上、同時通訳専門訓練を修了した方
→同時通訳試験……過去2年以内のTOBIS2級取得者
認定級 :1級、2級、3級、準3級、4級
試験会場:東京、大阪
スケジュール:年1回程度
ビジネス通訳検定試験は、2種類のテスト「逐次通訳試験」「同時通訳試験」が実施されています。受験者はどの級を取るか?ではなく、どの試験を受けるか?で試験を選び、その結果に応じた級が認定されるシステムになっています。
「同時通訳試験」の受験にはTOBIS2級の取得が条件となっていますが、1級以外を認定する「逐次通訳試験」であれば受験しやすい条件です。CAISが公開している「受験者の声」によると、過去の検定試験では通訳スクールに通いながら力試しのためにテストを受ける方もいるようです。
詳しくは、特定非営利活動法人 通訳技能向上センター(CAIS)公式サイトのTOBIS 検定概要をご確認ください。
https://www.cais.or.jp/tobis/
レベル :逐次通訳の技術が十分あり、ウィスパー/同時通訳にも対応できる
試験内容:「同時通訳試験」録音 約20分(英→日、日→英)
【2〜4級】
レベル :ビジネスシーンでの逐次通訳に対応できる
試験内容:「逐次通訳試験」録音 約30分(英→日、日→英)
同時通訳試験と逐次通訳試験は、どちらも録音形式のテストです。ビジネスに関するテーマが出題され、その場で通訳を録音解答します。これまでの試験では「貸借対照表には……」といった財務をはじめ、人事や経営などのビジネス用語が幅広く出題されています。
詳しくは、特定非営利活動法人 通訳技能向上センター(CAIS)公式サイトの過去の出題例をご確認ください。
https://www.cais.or.jp/tobis/past/index.html
試験終了後には、受験者一人ひとりに対してフィードバックがあります。自身の課題を発見し、弱点の克服に役立つアドバイスが得られるので、通訳者としてのスキルアップに活かせます。