2017年04月19日 08時20分
【英語の基礎】「hold on to〜」と「hold」の違い・意味・使い分け
掴む、持つを意味する「hold on to 〜」と「hold」。ニュアンスの違いとは?
街中を歩いていると、案内看板などに英語と日本語の併記が増えていることに気がつく。駅構内やデパートなどのエスカレーター付近では、「Please hold on to the handrail.(手すりにおつかまりください)」といった注意書きもよく見かける。ここで使われる「hold on to〜」は「hold」に置き換えてもいいのだろうかと、英語学習中の人なら考えるかもしれない。
そこで、今回は「hold on to〜」と「hold」のニュアンスの違いを解説していく。
<例文>
(1)Please hold on to the handrail.
手すりにおつかまりください。
(2)Please hold the handrail.
手すりを持ってください。
<解説>
「hold on to〜」は、握る対象のものがしっかりと固定されていて、しがみついても不安定にならないもの、または落とさないようにしっかり持つ必要があるものに対して使い、「hold」は「持つ」として使う。
エスカレーターに乗るときは手すりにしっかりつかまっていれば、万が一後ろの人にぶつかったり、急停止することがあっても、身を守ることができる。そのためには、しっかりとつかまっておく必要がある。「hold on to〜」で「しっかりとつかまってね」となる。「hold」の「持ってね」は適切とは言えない。
「hold」の例としては、以下のものが挙げられる。
<例文>
Please hold the bag.
カバンを持ってください。
少しシチュエーションは変わるが、ニュアンスの違いがわかりやすいのが次に挙げる例文だ。
<例文>
(1)Please hold me.
私を抱きしめてください(私を持ってください)。
(2)Please hold on to me.
私にしっかりつかまってください。
<解説>
(1)を他人に言うことはあまりないが、(2)であれば、突然のアクシデントや事故現場で、たまたま居合わせた人を助けるために「とにかく私につかまってくれ」と言う際に使うことが想定される。
また、電話がかかってきた時のフレーズに「hold on, please. (少々お待ちください)」がある。ここでの「hold on」は、「そのまま状態を維持すること」を意味する。このほか、「もう少しの辛抱だから頑張れ」といったニュアンスでも使われる。
今回は「hold」を例に挙げたが、シチュエーションや文脈によって使い方が変わる単語はたくさんある。覚える際は別のフレーズに置き換えてみたり、なぜ「hold」ではなく「hold on to〜」なのかを考えてみたりすると、英語力向上に繋げられるだろう。
(記事/柏野裕美)
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