インターナショナルスクールや留学ってどうなのでしょうか?
【質問】 インターナショナルスクールや留学ってどうなのでしょうか?
【回答】 周到な準備と英語力があれば将来のプラスになるかもしれません
さて、インターナショナルスクールと高校留学についてはそれぞれ事情が違いますから、個別にご説明します。まず、インターナショナルスクールについてです。インターナショナルスクールとは、本来、その国に住む外国人の子どものための教育施設です。また、幼少期を海外で過ごした帰国子女などが日本の学校制度になじめない場合、インターナショナルスクールへの転入が許される場合があります。つまり、インターナショナルスクールとは本来、「日本に生まれ育った日本人の子どもが英語教育のために通うような性質の学校ではない」ということです。このため、伝統的で格式の高いインターナショナルスクールでは、日本人の入学に一定の制限を設けています。
しかし、「単なる英語習得が目的ではなく、国際的な環境の中で育て、異文化コミュニケーション力を養いたい」などの理由でインターナショナルスクールへの進学を希望する保護者の方も増えてきています。
こうしたニーズに対応するため、帰国子女ではない日本人の子どもでも受け入れOKというインターナショナルスクールも増えてきています。
ただし、インターナショナルスクールの多くでは日本の文部科学省の学習指導要綱に沿った教育を行わないため、日本の学校制度においては「各種学校」の扱いとなります。つまりインターナショナルスクールを卒業しても、日本の小中高校の卒業資格を得ることはできないのです。しかし、一部のインターナショナルスクールでは、第12学年を修了した場合、日本の高校卒業と同じ資格を受けられるようになり、大学受験が可能になります。
インターナショナルスクールへの進学は、このような背景を理解したうえで、「卒業後、日本の大学受験資格が与えられるかどうか」を基準に学校を選定する必要があるでしょう。
次に、高校留学についてです。
中学・高校時代の海外留学は、海外では珍しいことではありませんが、日本ではサマースクールなどの短期留学を除いてはまだ少数です。しかし、海外の学校で履修した単位を日本の高校の単位として36単位まで認める、という制度を利用して、1学年だけ、あるいは1学期だけ海外の学校へ留学する「交換留学」の形式で留学を行う生徒は年々増えてきています。
また、日本の高校を休学・退学して留学し、留学先の高校を卒業して、海外や日本の大学に進学するという「留学先での進学・卒業などを目的とする留学」もあります。
海外の大学へ進学したいのであれば、こうした留学も十分検討する価値があります。ただし、海外のハイスクールを卒業後、日本の大学に進学したいということであれば、日本の大学の多くが入学資格として認めている「国際バカロレア資格(IB)」のカリキュラムを持つ高校を選んだ方がいいでしょう。
さて、インターナショナルスクールへの進学にせよ、高校留学にせよ、入学に際しては学力のほかに十分な英語によるコミュニケーション力が求められます。せっかく入学できても、授業の内容が理解できない、先生や同級生とも話ができない、では入学した意味がありません。できるだけ早い段階で英語力、特に英会話力に磨きをかけておいたほうが安心でしょう。