失敗しない塾選びのために絶対に知っておきたいこと
ところが、実際には「家から近かったから」「友達が行っているから」といった、安易な理由で塾を決めてしまうことがあります。
せっかくの塾通いが無駄になってしまわないよう、子どもに最適な塾を探すために知っておきたいポイントをご紹介します。
塾にも種類がある?
学習塾は学校の授業の補佐が目的で、勉強の楽しさを知ったり、授業の遅れを取り戻したりする役割を担っています。一方の進学塾は、受験を目指す子どもが行く所で、学校の授業ではなく、受験対策としての講義が行われます。平日の夜だけでなく休日にも講義があることが多く、塾内部での競争も盛んです。塾によっては、能力別のクラス編成が取り入れられているところもあります。
どちらの塾に通うかは、子どもや家庭が何を目的にするかによって変わります。例えば、中学受験を目指しているのに学習塾に入ってしまっては、学習内容に不足がありますし、反対に学校での授業のサポートとして進学塾に入ってもあまり意味がありません。
塾を選ぶときは、塾が目指すゴールと自分たちが考えるゴールが一致しているかどうかを確かめるようにしましょう。
やってはいけない塾の選び方
■ケース1 友達が通っているから
塾選びの失敗にありがちなのが、子どもが「友達が通っているから自分も塾に通いたい」と言い出したり、親が「クラスの子が通い始めたからうちの子も通わせたほうがいいのでは」と考えたりして、安易に友達と同じ塾を選んでしまうケースです。
もちろん、友達が通っている塾がすべて悪い塾だというわけではありません。友達と切磋琢磨しながら、楽しく勉強が進められるということもあるでしょう。しかし、「友達が通っているから」という理由だけで塾を決めるのは危険です。
どの塾が合っているかは、それぞれの子どもによって違います。塾の方針や講師との相性が、自分の子どもに合うとは限りません。そもそも、その友達にしても、特別な理由があってその塾に入ったとは限りませんし、その塾で成果が上がっているかどうかはわからないのです。
「友達が通っている塾に入りたい」と言われたら、まずはその塾の雰囲気や学習姿勢、得意分野などを確認しましょう。実際に友達やその親に様子を聞くのもおすすめです。その上で、「子どもに合った塾だ」と感じられたら、初めて検討対象になるのです。
■ケース2 月謝が安いから
塾にかかる月謝は、決して安いものではありません。何ヵ月も継続して支払う固定費になるわけですから、できるだけ安いところにしたいと考える親も多いでしょう。これは当然の心理ですし、高額な月謝の塾に無理をして通わせるのはいいことではありません。
しかし、塾を選ぶときの決め手が月謝の安さだけというのは問題があります。月謝が安いということは、それだけ経費を削減しているということです。塾にかかる経費のうち、一番削減しやすいのは「講師の給料」ですから、当然、安い月謝の塾では講師の給料も低く抑えられていると予想できます。有能な講師は、もっと高い給料を支払ってくれる別の塾に流れていってしまいます。
つまり、月謝が極端に安い塾で働いている講師は、ほかの塾では雇ってもらえない講師である可能性が高いということです。
また、月謝の安さを売りにしている塾は、テキスト代や設備費といった月謝以外の費用を高く設定し、収入を得ている場合があります。「安い!」と思っても、実際に入ってみたら、トータルの支払額がかえって高額になってしまったということもありうるため、目先の月謝の金額にとらわれるのは危険です。
■ケース3 家から近いから
「家から近い」というのは、多くの方が塾選びをするときの条件にしていることだと思います。もちろん、家からあまりにも遠い塾だと、通う負担が大きくなるため良くありません。しかし、あまりにも家から近すぎる塾も良くない場合があります。
それが、「気持ちの切り替えができない」というケースです。
家から近く、さらにクラスメートも通っているような塾の場合、放課後に友達と遊んでいるような感覚になってしまったり、自宅の延長のようなお遊び気分で通塾したりする可能性があります。
塾での学習がはかどる理由のひとつに、「学校とも自宅とも違う非日常の場所である」ということがあります。普段とは違う環境で集中し、勉強に取り組む環境が作れなければ、塾に通う意味が半減してしまいます。
安易な理由で塾選びをしないことが大切
安易な理由で塾を選んで失敗してしまうことがないよう、慎重に検討しましょう。