英語の受験対策をするならどっち?学習塾と英会話スクールを比較してみた

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 国語・算数(数学)と並んで主要科目となっている英語。幼児や小学生からでも授業に取り入れられるようになったほか、グローバル化とともに社会人のビジネスシーンでも英語スキルが重要視されています。英語には「読む」「書く」「話す」「聞く」という4つのスキルが求められ、勉強法もさまざまです。

 学生が学校の授業以外に取り組める学習法としては、自主学習のほか、学習塾と英会話スクールが挙げられます。小学生から高校生までを受け持ち、ほかの課目とともに英語を教えている学習塾と、子どもから大人まで、実用的な英会話に特化した学習が期待できる英会話スクール。ここではそれぞれの英語学習法にどんな特徴があり、受験対策に向いているのはどちらなのかを考えてみましょう。
 まずは、学習塾と英会話スクールそれぞれで、どんな英語学習が行われているのかをご紹介します。英語の身に付き方や学習方法の特徴の違いを確認していきましょう。

【英語学習塾の特徴】
 学習塾の場合、小学部・中学部・高等部というように、学校や学年別にコースが設けられているところがほとんどです。小学部の場合は英語に楽しくふれる学習法から始まり、高学年になると中学英語の先取り授業をします。中学部・高校部になると、授業の先取りはもちろんのこと、学校で行われる定期テストや実力テスト、さらには受験対策までしっかりとカリキュラムが組まれています。学校ごとの英語学習に合わせられるよう、公立コース、国立・私立コースといったコースで分けているところもあります。教科書や過去問を基にしたテキストで、学校別の試験対策が可能ということです。

 テキストを軸にした学習が進められますから、文法や語彙力、読解力といった読み書きに注力した英語学習になるのがポイントです。また、夏期講習や冬期講習など、長期休みに集中して学習できるのも学習塾ならではです。部活で忙しいという学生のために、授業の映像配信に対応している学習塾もあります。テキストと受講環境があれば、受講日や時間帯を問わずに学習が可能になります。

【英会話スクールの特徴】
 英会話スクールの場合、学年や学校別にコース分けされる学習塾とは異なり、子ども英会話、高校生英会話、日常英会話、ビジネス向け英会話といったコースの分け方がされていることが多いです。「実用的な内容を学び、将来も英語を聞く・話すスキルが発揮できるようになりたい」という人であれば、子どもから大人まで年齢を問わず英語を学べます。「英語を聞いて自分も話す」というコミュニケーション重視の学習法は、テキストでは補うことができません。実践的なスピーキング力・リスニング力が身に付くことが英会話スクールの強みでしょう。

 学習塾で英文法や単語、読解力をインプットする一方、英会話スクールでは話す・聞くスキルを身に付けられるという特徴がわかりました。
 学習塾の、英語学習における受験対策に注目してみましょう。学習塾は過去の卒業生の受験データや過去問を基に、高校受験や大学受験向けの学習を進めていきます。

 英語の受験対策と聞くと、いくつもの文法や単語を覚えなくてはならず、単語カードを活用するなど、暗記を中心とした学習になるイメージが強いかもしれません。しかし近年の学習塾は、そういった学習法を改善する取り組みをしているところも多いようです。例えば単語力であれば、単語単体で覚えるのではなく、例文や演習問題に覚えるべき単語を含めることで自然と定着させていくような学習です。文法であれば文法の形を暗記するのではなく、英文の構造から理解して、応用問題対策もできるようになる学習などがあります。高校受験や大学受験では、英語の読解力や応用力を見る傾向に変化しているところもあります。そのような変化に対応できるよう、学習法の改善に取り組んでいる学習塾が増えているのです。
 英語を話す・聞くスキルを高めることを中心とした英会話スクールですが、受講するタイミングなどによっては「思わぬ落とし穴があるかもしれない」ということにもふれておきましょう。

 英会話はコミュニケーションスキルを磨くことも目的としており、ある程度の文法の間違いがあっても内容が伝わる、会話が成立する、ということはよくあります。子どもがこのスタンスのまま中学や高校の正確な英文法ではなくてはならない英語学習に進むと、小さな文法ミスのため不正解、ということが起こってしまうかもしれません。そうなると、英語学習に対するストレスや、読み書きへの苦手意識が生まれてしまいます。もちろん、ここで述べた弊害を避けるために、しっかりとした文法の定着から始めている英会話スクールもあります。スクールの特徴やカリキュラムをしっかりチェックすることが大切です。
 文部科学省では、2020年から大学入試制度を変更する方向で議論が進んでいることをご存じでしょうか?センター試験が廃止され、「高等学校基礎学力テスト(仮称)」と「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の成績によって合否が決まるというものです。

 英語科目の場合、「聞く・読む・話す・書く」という、4つの技能を総合的に見るものになります。これは、決して目新しいことではなく、2015年度大学入試では、すでに43%の大学が英語4技能試験を導入しています。また、英検やTOEIC、TEAPといった民間の資格・検定も活用できる試験の形式を、多くの大学が取り入れ始めています。

 今後の大学受験においては、英語の4つのスキルを満遍なく学習することと、英検やTOEICのような外部試験対策の学習も求められるということです。
 学習塾と英会話スクールそれぞれの英語学習の特徴や、今後の受験制度の傾向などについてご紹介しました。現状では、受験対策に向いているのは読み・書きに特化しており、過去問などを活用した受験対策コースも豊富な学習塾といえるでしょう。しかし、英会話スクールで学べる、話す・聞くという実践的な英語スキルも、今後の受験や社会で間違いなく役立つはずです。人それぞれ、苦手分野を強化できる学習法を選択しても良いかもしれません。
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