中学受験に向けた塾選びのポイント

 中学受験を視野に入れている家庭では、塾選びで悩まれている親御さんも多いのではないでしょうか。中学受験において塾通いは必須ともいわれており、それだけに塾選びの重要度は高いものがあります。ここでは、なぜ塾選びが重要なのか、そして、実際の塾選びのポイントについてご紹介していきます。

塾通いが必須といわれる理由とは?

 中学受験は、高校・大学受験と同様に学力による試験がメインとなりますが、その内容は非常にハイレベルなものとなっています。高校・大学受験では学校教育の延長線上に入試があるため、学校により差異はあっても、日頃、学校で学んでいる内容と入試問題の内容はそれほどかけ離れたものではありません。しかし、中学受験で出される問題は、小学校で学ぶレベルの内容では対応が難しいものが多く、しっかりと対策をする必要があります。そういった事情から塾通いの必要性が高まっているのです。

塾通いはいつから始めるべき?

 一般的に中学受験の準備を始めるのは、小学3年生の2月からといわれています。大手進学塾の中学受験コースはこの時期にスタートするからです。各塾では約3年間をかけて、本番までに必要な実力をつけるべく、カリキュラムを練っています。スタートから遅れれば遅れるほど、受験で不利になるのは事実ですが、「小学校生活が勉強ばかりでは……」と躊躇する親御さんも少なくありません。そんな場合は、1年間、塾通いを遅らせることを選択肢に入れるといいかもしれません。というのも、小学4年生の1年間は助走期間的な意味合いが強く、小学5年生からが本格的なスタートとなるからです。

実際の塾選びに際して

 実際に塾を選ぶ段階で、気を付けるべきポイントがいくつかあります。下記のポイントに注意して、通う塾を検討しましょう。

■念入りな比較・検討を行う

 塾選びの際には、合格実績から大手の学習塾のほうがよく見えてしまいがちですが、安易に実績重視で選ぶのが最適とは言い切れません。広告に掲げられている実績は、1人の生徒が複数の学校に合格しているなど、重複分もカウントしている場合が多く、生徒数が多ければ、おのずと合格実績も上がる可能性は高まります。塾ごとの特色や指導方法を比較・検討し、志望校と子どもの性格に適している塾を選びましょう。

 それでも、合格実績が気になるようであれば、塾ではなく教室単位での実績を比較しましょう。同じ系列の塾でも、「A教室は〇〇中学に強いが、B教室は××中学に強い」といった特色があります。合格実績が突出している教室には、優秀な講師が在籍している可能性もあります。

■宿題の多さや授業の進行速度をチェックする

 優れたカリキュラムをこなしていけば、合格の可能性は高まるかもしれませんが、子どもがついていけなければ、勉強嫌いになってしまうおそれもあります。実際に塾へ行ってみて相談するのはもちろんですが、身近に塾通いをしていた子どもを持つ知り合いがいれば、評判を聞くなどして情報を収集するのがいいでしょう。

■通いやすい立地の塾を選ぶ

 長い期間、実際に子どもが塾に通うわけですから、自宅からできるだけ近い場所を選びたいものです。通いにくい立地に塾があれば、それだけで塾嫌いになる可能性もあります。「駅から近い」「塾の近所や通塾路で危険があったとき、子どもが逃げ込める場所がある」など、さまざまな観点から検討しましょう。塾通いの時間帯は、夏は陽が落ちていなくても、冬は街灯がなければ真っ暗という場合もあります。最終的な結論を出すまえに、子どもの目線で、実際に歩いてから決めるのがいいでしょう。

■クラス数が多い塾のほうが、レベルに合った指導を受けやすい

 1つのクラスに異なるレベルの生徒が混在していると、授業のレベルが一定になりません。このあたりは授業の進行速度とも関係してきますが、よりレベルの合った的確な指導を受けたい場合は、クラスが多い塾を選んだほうがいいでしょう。この点では、大手学習塾に軍配が上がります。

子どもの特性と塾との相性を見極めるのが親の仕事

 塾選びを成功させるために一番大切なことは、親御さんが子どもの特性を正確にとらえていることです。計算力、暗記力、集中力といった学習面での特性や、気が強いかそうでないかといった性格面での特性などから、どんな塾と相性がいいかを考えます。例えば、テストの成績で生徒を競わせるような塾には、勝ち気で、自尊心の強いタイプが向いています。また、繰り返しの学習で覚えさせるような塾には、真面目でコツコツこなせるタイプが向いています。

 塾では学習の方法や合格のためのノウハウを教えてくれます。しかし、能力を伸ばすことができるかは子ども次第です。そして、それには親御さんの協力が不可欠です。情報をうまく活用し、子どもに合った塾選びをしてください。
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