発達障害の子ども向け学習塾を利用するメリットとは?
発達障害児のための学習塾の特徴
●授業内容と学習環境
学習塾によって、小学生のみが対象のところもあれば、高校生まで対象となっているところもあります。また、小学校入学へ向けた就学準備を行っている学習塾もあります。就学準備の場合、授業では主に次のようなことを学びます。
・先生の話を静かに聞く姿勢
・椅子にちゃんと座り、学習に取り組む姿勢
・基本的な文字の読み書き、数の概念について
生徒が小学生以上の場合、基本的にマンツーマンか少人数クラスでの授業となります。周囲の生徒とのコミュニケーションが難しい生徒や、集中して座っていられない生徒でも、じっくりと個別指導できるようにするためです。
国語や算数(数学)、英語など、科目ごとに一人ひとりの子どもに適した指導が行われます。発達障害児は、それぞれ状況が異なるため、個人の希望やスキルに合った指導が必要です。教材は絵のついたカードやシール、タブレットを用いるなど、子どもが興味を持って学習に取り組める工夫もされています。
●講師陣について
講師陣も一般的な塾とは異なり、発達障害についての理解と知識を持っています。例えば、ある発達障害児向けの学習塾では、採用後に1ヵ月かけて発達障害児に関する専門知識を学び、擬似授業を行ったり、授業のアシスタントを務めたりして、経験を積んでから従事しているようです。
●特別なサポートをして、塾と学校との連携も
発達障害の子どもを持つ家庭には、学習面以外にも不安や悩みがあるものです。発達障害児向けの学習塾では、子どもだけでなく保護者のサポートも行っています。例えば、子どもの学校生活がよりよくなるように、学校との連携を図ってくれる塾があります。学校に対して、具体的な発達障害児への支援方法を伝えてくれるのです。
●一般的な塾にはない、特別プログラムも
発達障害児向けの学習塾では、一般的な学習塾では見られない特別プログラムを用意しているところもあります。例えば、実験教室やダンス教室、乗馬体験、バーベキューなど、学習以外にもさまざまなプログラムを用意して、子どもの好奇心を高めているようです。
発達障害児向けの学習塾に通うメリット・デメリット
<メリット>
・学習面の個別指導や支援が受けられる
集団学習となる学校や一般的な学習塾では、発達障害児の学習面へのきめ細かなサポートまでは手が回りません。発達障害児向けの学習塾であれば、これらの悩みを解決してくれるでしょう。
・学習面以外のプログラムを実施している学習塾が多い
コミュニケーション能力の向上や社会性、自立心の育成などが期待できます。
・発達障害児の知識や理解のある講師の指導を受けることで、子どもに安心感が生まれる
自己否定などによる、うつ病のような二次障害の予防にもつながるでしょう。
・同じ悩みを持つ親同士の交流ができる
塾の先輩生徒の進学や就職情報を得ることで、子どもの将来に対する不安を解消することにもつながります。
<デメリット>
・費用や送迎の負担
発達障害児の場合、保護者の相談やカウンセリングにも別途料金がかかる塾もあります。ある程度、お金や時間の余裕を持って利用したいところです。また、一般的な学習塾とは異なり、どの地域にも学校や家のすぐ近くに発達障害児向けの塾があるというわけではありません。
まずは、無理なく通える範囲で発達障害児向けの学習塾を探し、評判や指導内容、サポートの充実度などをしっかりチェックしてみることをおすすめします。教室の見学や体験授業に参加してみると、実際の雰囲気もわかると思います。子どもの幸せのために、よりよい学習環境をお探しください。