小学校受験に向けた塾選びのポイント

 小学校から私立に通わせたいという場合には、各学校の受験に合格する必要があります。しかし、身近に小学校受験の経験を持つ親類や友人がいればいいですが、一般的には小学校受験に関する知識、特に塾(幼児教室)の情報を十分に持っている親御さんは少ないのではないでしょうか。ここでは、小学校受験を目指すにあたり、合格のカギを握る塾選びのポイントについてご紹介します。
 小学校で行われる受験は、中学〜大学受験で行われるような学力を中心とした試験ではありません。それでは、どのようなポイントで合否を判断するのでしょうか。各学校によって千差万別ではありますが、概ね下記のような内容の試験が行われています。

<小学校受験の試験内容例>

・常識、数量、図形、言語などに関する「筆記試験」
・先生の言われたとおりに運動を行う「指示行動」
・協調性やリーダーシップなどの特性を見る「団体行動」
・実は記憶力よりも理解力を試す「記憶力」
・子ども同様に両親も試される「面接」

 これに対し、塾では面接の練習を含めたさまざまな教育を行います。一見、家庭でも教えることができそうな内容ですが、親御さん自身が有効な試験対策をリサーチし、自力で教育を行うには限度があります。特に、集団の中で他人を尊重するといった事柄に関しては、実践しながら学んでいくよりほかはないでしょう。このような理由から、小学校受験を控えた子どもの多くが塾通いをするようになっています。親御さんも塾通いにより情報収集ができたり、受験を控えた親同士の友達ができたりといったメリットがあります。
 受験に向けて、いつごろから塾通いを始めればいいのかはケースバイケースですが、年中のころから1年間かけて通う場合が多いようです。
 志望校が決まったら、いよいよ塾選びです。多数の教室を持つ大手から、個人で行っている小規模な教室まで、それぞれにメリット・デメリットがあります。もしも、トップクラスの難関校を目指す場合は、専門的なノウハウを持った塾を選び、受験対策を行ったほうがいいでしょう。

 そこまで受験校にこだわらず、子どもの成長と相談しながら決めていきたいという親御さんであれば、塾の総合的なカリキュラムを重視するのがいいのではないでしょうか。中でも、家庭の教育方針と合致しているかというのは大きなポイントになりそうです。ほとんどの塾では体験レッスンが用意されていますので、数ヶ所受けてみて、子どもがなじんでいるなと感じた塾に決める親御さんも多いようです。

 塾以外に、体操教室や絵画教室などに通わせるのもひとつの手です。これらは、直接的な受験対策とはいえないかもしれませんが、専門の講師から教わることで、感性が磨かれ、上達する楽しみを覚えることにより、結果的に受験に良い影響を及ぼすことがあるでしょう。
 個々の状況により金額は変わってきますが、概ね週に2回で月額10〜15万円程度の場合が多いようです。これに加え、受験までのあいだに、1回1〜2万円程度の模擬試験を数回受けるのが一般的です。模擬試験はその結果が受験校を決める指標となるのはもちろん、受験のリハーサルにもなりますので、非常に有効です。志望校が定まったら、模擬試験の結果を参照しながら、足りない点を重視して家庭教育を行うのがいいでしょう。
 最後に、家庭での過ごし方についてもふれておきましょう。基本的な生活習慣や挨拶などは、各家庭で身に付けるものです。すべてを塾任せにしないことが一番の受験対策といえるでしょう。そのほか、いっしょに言葉遊びをする、多くの人間と関わる機会を持たせるなど、受験を見据えて意図的に家庭内での教育に力を入れる親御さんは多くいます。

 また、子どもが失敗をしたり、受験に対するプレッシャーから親御さんのほうがカリカリしてしまったりすることがあるかもしれません。こういった場合には、あまり神経質にならず、心を落ち着けるのが先決です。受験対策に熱中するあまり、家庭環境が悪くなっては本末転倒ですので、休日には家族で思いきり遊ぶなど、メリハリのある生活を送って、生活の充実を図るようにしましょう。

 家庭での教育方法については、塾でも親身になって相談にのってくれる場合があります。塾によっては、受験に向けて親御さんのメンタル面のフォローにも力を入れているところがありますので、このようなポイントも塾選びの上で参考にしてみてはいかがでしょうか。

 受験に臨むというと、どうしても結果を重視してしまいがちになるのは仕方のないことです。しかし、塾に通わせることで早期から教育を行うことは、子どもにとって大きなメリットとなるのです。子どもの近い将来に思いを馳せながら、納得のいく塾選びをしましょう。
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