谷村新司が業界に苦言、“ミュージックビジネスがビジネスミュージックになっている”

■谷村新司の講演内容はこちら

 歌手の谷村新司が10月18日(木)、東京・恵比寿で開催中の東京アジアミュージックマーケット(通称TAM)のカンファレンスで講演を行い、アジア進出を考えるレコードメーカー各社に苦言を呈した。

 TAMは日本とアジアとの音楽文化交流と音楽産業の振興をめざして年に1回開催されており、今年で4回目の開催。これまではアジアの音楽マーケット進出を考える企業が、カンファレンスの中心となって運営。今回の谷村のようにアーティストが基調講演を行うのは初めてのケースで、大きな注目を集めた。

 谷村は過去30年近くにおよぶアジア進出の自身の経験をふまえながら、日本のアーティストがアジアに進出するために大事なことを約1時間にわたって述べた。その中で「基本は音楽が好きかどうか。いい音楽をたくさんの人に伝えたいという想いが必要。その基本が今は怪しくなっている。ミュージックビジネスであるべきなのに、ビジネスミュージックになっている。これは、とても危険なことと感じる」と、近年の音楽業界の在り方に苦言を呈した。

 アジア進出については「大事なのは、よその家におじゃましているということを意識すること。その国の事情に合わせずに押し付けているだけでは、本当の友好関係は生まれない」と自らの経験をもとに語った。


  ●今回の谷村新司の講演内容は以下の通り

 “音楽ビジネスに従事する人にとって、一番大切なのは音楽が好きかどうか。いい音楽をたくさんの人に伝えたいという想いが必要。でも今はその基本が怪しくなってきている。ミュージックビジネスであるべきなのに、ビジネスミュージックになっている。とても危険に感じる”

 “僕は上海の国立大学の上海音楽学院の教授に就任して4年目になる。なぜ僕なのかわからなかったが、先方の「谷村さんは音楽で何が大切と思っているのか」との問に、「みんな理論、技術は素晴らしいものを持っているが、ひとつだけ足りないものがある。それは音楽をする心、伝えようとする心だと思う。それを教えるのが僕の役目だと思う」と答えたところ、「それこそ、まさに望むところです」と言われ、いつの間にか無期限の教授という役目を背負うことになった”

 “上海では学生と一緒に音楽を創り、発表の場も作っている。久々にスピーカーを自分で積み上げるととっても重くて、こういうことをやってくれる裏方に支えられて音楽ビジネスは成り立っているんだと改めて、原点を知った想いでいる。アーティストにとってもマイクがなければ生で、照明が無ければ地灯りで歌えばいいんだ、それが原点なんだということを中国に行きながら改めて学んだように思う”

 “色々なアーティストがアジアの国に進出し始めているが、彼らが必ず現地のスタッフに聞かれるのが「谷村は元気か?」ということなんだそう。「どうして、そんなに慕われているんですか?」と聞いてくる人には、「僕は日本のものをパッケージで持っていって押し付けるのではなく、彼らと一緒に作り上げるようにしている。それが大きいのではないかと思っている」と答えている”

 “必要なのは人と人との信頼関係。それがなければアジア進出も虚しいものになってしまうのではないか。これからアジアに進出する人には、一緒にいいモノを作るためには本気で喧嘩をしなさいと言いたい。その喧嘩はプロジェクトが終わった時には友情に変わるものだから。その積み重ねがアジア進出には必要なんだと思う”

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