受験生が最後の入試に立ち向かっている今、この2月こそ来年の受験生である2年生が受験勉強をスタートさせる時だ! AO・推薦入試でも学力試験を導入しようとする動きのある中、春から着実に受験対策を進めるための準備を今こそ始めよう!
1月末、これからの大学入試を占うニュースが飛び込んできた。文部科学省の中央教育審議会は、AO・推薦入試でも学力試験を課すか、センター試験の成績を合否判定に利用するべきだという提言案をまとめたのだ。さらに「高大接続テスト(仮称)」という新たな学力試験の創設も提唱している。 現時点での学力より大学入学後の可能性を見て優秀な学生を選考するAO入試の、学力不問というスタイルがクローズアップされ、ストップが掛かった形だ。つまり、それが基礎学力への不安として捉えられ、AO・推薦入試でも学力を重視する方向性なのだ。これからの受験生は、全員がまず学力向上を目指し、“学力重視の波”に乗り遅れないようしっかり対策を行わなければならない。
一般入試組はもちろんのこと、AO・推薦入試に取り組む上で重要になるのが、基礎学力の“スコア”となってくるだろう。中教審の提言でも名前が挙がったように、センター試験がその具体的な目標として位置づけられる。入試対策をスタートさせる上で、受験生は皆、このレベルを確認しておくことが有効だ。 センター試験は2年生までに履修する範囲から出題されているので、今すぐに取り組める。数年分解いて、わからないところを確認し、今後の基礎学力を固めるための準備をしておこう。 ただ、出題範囲を履修しているとしても、おそらく今はあまり解けないだろう。それを気にすることはない。今は完全理解ではなく、克服すべきテーマを洗い出すことが重要なのだ。これで今後の具体的な進め方が見えてくる!
同時に、第一志望の大学の入試問題にチャレンジしてみよう。赤本(教学社刊)など数年分の入試問題をまとめたものが出版されているので、今すぐ手に入れて取り組もう。 「センター試験のレベルもまだ解けないのにそんなの無理!」と思うかもしれないが、学習範囲としては英語や国語なら大枠は経験済み、理社は受験に選ぶ科目は2年生で履修することが多いはずだし、数学の微積分の高度な部分などしか未知の分野はない。となると、問題は学習範囲ではなくレベルの差。とにかく一度体験して“合格までの距離”を知っておこう。 そうは言っても、今はやっぱり解けないもの。問題を読んでもさっぱり、なんてことは全然不思議ではない。だが、大切なのは、解けないことを知ることだ。そして、わからないところを解答の解説や参考書を見てなぞってみる。この経験で、入試までの一年間で克服すべきテーマがハッキリする。これで、今後の授業や、参考書や問題集で、第一志望合格に関係することが目に飛び込んでくる。この“目利き”ができるかどうかで、すでに大きな差がついている!
これらは学年末試験が終わって春休みに落ち着いて、ではなく、今すぐにやってほしい! 春休みには塾・予備校の春期講習が始まる。つまりライバルはもう具体的な受験対策をスタートさせてしまう。いざ受験対策を始めようと思うと、基礎の確認と準備に不安を覚えるもの。そして昔の教科書を開いて読み始めるが、つまずいたりでなかなか進まない…これを春休みにやっているのでは、もう日本の受験スケジュールに遅れをとっていることになるのだ! 3月末には明確なテーマを持って堂々と講習に参加できるよう、第一志望への対策を完全に進められるよう、今こそ“自分の課題”を確認しておく必要がある。さあ、大学受験がいよいよスタートだ! 遅れず、でもマイペースで着実に進んで行こう!
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