【大学入学者の44%が推薦&AO入試経由】
今の受験生の親の世代は、国公立の場合、共通一次やセンター試験から各大学を受験し、私立は各大学の試験というスタイルが多かったのではないだろうか。
大学受験の制度は、1990年に共通一次試験がセンター試験に変わったのを皮切りに、めまぐるしく変化してきている。
少子化の影響から受験者、入学者を確保するため、国公立を含めた各大学で推薦入試枠が拡大され、さらに大学独自の入試方法を用いるAO入試が増え、2010年の文部科学省の調査データでは、大学入学者の約44%が推薦・AO入試経由で入学している。
今どきの受験は、親世代が持つ受験のイメージとはまったく別もの。時代に乗り遅れないために、受験の新常識を学ぼう!
【大学入学者数】
少子化に伴い、大学は「全入時代に突入した」などと言われ、親世代にとってはうらやましくもある状況にみえるが、実際のところはどうなのだろうか?
下のグラフにもあるように、大学入学者数は年々増加の一途をたどっている。就職の難易度や給与面でも大卒の方が有利である傾向は変わらないが、経済不況が続く中、大学生の就職率は年々低下。だからこそ、早い段階から受験の準備が大切だ。
一般入試の場合、国公立はセンター試験の後に、大学個別の2次試験を受ける。私立はセンター試験を利用したり、大学独自の入試を実施しているが、前期入試、後期入試など時期を分けて何度か受験のチャンスがある大学が多い。
一方で、国立では15%、公立では25%、私立大学においては51%を超える学生が推薦入試やAO入試を経て入学している。
ここでは、増加傾向にある「推薦入試」と「AO入試」について詳しく見てみよう。
推薦入試は、各々が通う高校によって推薦された生徒の中から選抜される入試方法。「指定校推薦」と「一般(公募)推薦」の2種類あるが、どちらも学業成績(内申点)で一定水準以上の成績を残すことが必要で、漢検や英検などの各種検定・資格の取得、部活動、ボランンティア活動など高校3年間での取り組みが評価される。一般的に複数科目の学科試験などは課されず、面接や小論文などで判定されるケースが多い。また、他の大学の受験を認めていない大学がほとんどだ。
指定校推薦は、各大学が指定した高等学校にのみに推薦枠が与えられるもので、人気大学の指定校推薦枠は高校内での獲得競争がより厳しくなってきている。
AOとは「アドミッションズ・オフィス」の略で、大学のアドミッションポリシー(教育理念等に照らした大学が求める学生像)に合わせて、それに適した学生を選抜する入試方法。ほとんどの場合、学科試験に加え、志望理由や面接、小論文などで学生の個性や高校時代をどう過ごしてきたかなどを問うなど、人物像をより重視した入試方法となっている。
実施する大学毎に入試内容が大きく異なるので、事前の調査や準備が非常に重要。部活動や課外活動、学校外での活動なども含めた高校生活全体を充実させ、自己成長の過程を大切にすることが合否のポイントともいえるだろう。