高校生活3年間は長いようで意外と短いもの。それだけに、大切な時期である高校3年間をどう過ごすかは非常に重要だ。充実した高校生活を送りながら、しっかり受験の準備をしていくには、高校1年生から先を見据えて準備することが重要になってくる。
ここでは、高校での主な進路指導のイベントと国公立大学、私立大学それぞれの入試の一般的なスケジュールをみてみよう。
興味のある学問や学科を調べたり模擬講義に参加して、大学で学ぶということの理解を深めよう。
選択の際のポイントは、自分の得意科目やその時点で成績がよい科目で決めずに、自分がやり学びたい学問や将来なりたい職業などから考えることが重要。
高校によって時期や内容に多少の差異はあるが、一般的には文理選択の希望、志望校などについて、本人・保護者・担任の三者で、その後の方向性や勉強方法などを相談する。
いよいよ受験する科目を意識した授業が始まってゆく。文理によるコース分け・クラス分けがなく1年生の時点から実施している進学校もある。
これまでの成績や本人の意向等を踏まえ、複数ある志望校の中から、実際に受験する大学をある程度具体的に絞り始めよう。いくつかの志望校のオープンキャンパスに参加して、自分が4年間を過ごすことになる大学の環境や雰囲気を確認しておこう。
この時期になると自分の成績で合格できる可能性の高い大学に目を向けていく必要がある。学びたい学問や将来なりたい職業を頭に描きながら学部・学科を決定しつつ、教授や講師、環境や設備、卒業後の就職状況なども検討しながら、志望校を決定しよう。
私立の場合は9月頃から、国公立の場合は11月頃にAO入学の試験が実施される。できるだけ情報を収集して、志望動機をしっかり固めて入試準備を進めよう。
センター試験は1月中旬、指定校推薦入学は10月頃に試験が実施される。過去の出題傾向などの情報を集めて準備をしよう。
12月頃に試験が実施される。面接対策も重要。
11月から12月にかけて試験が実施される。入学してどんなことをしたいのか、どうしてこの大学を選択したのか、しっかりアピールするための準備が大切。
入試は1月下旬〜2月下旬がピーク。後期試験や二次募集なども含めると3月下旬までチャンスがある。
センター試験の結果を受けて、2月下旬〜3月中旬までに二次試験が実施される。
定期的に校内で行われる学力試験は、各期の中間や期末で普段の授業の理解度、その科目の習熟度を測る絶好の機会。推薦枠の獲得や奨学金の選考に関わってくる重要な指標でもある。
また、学内のみで実施されるものではなく大手予備校などが実施する全国模試等を実施する高校も多い。志望大学の学力レベルと自分の学力レベルを客観的な指標で比較できるのが大きなメリットだ。
高校は学ぶ場所でもあると同時に、友人を作ったり、部活動に励んだり、学業以外にも自己を形成してゆく大切な時期を過ごす場所でもある。
一方で、塾・予備校は受験勉強の方法や受験テクニックを含めた受験対策に特化した場所。塾・予備校に通うことで生活サイクルの中に勉強の時間が入ることになり、また決められた時間である程度強制的に勉強できる環境になるため、生活にメリハリもつく。勉強する習慣をつけるためにも、早いうちから塾・予備校へ通うことを検討したいところだ。
塾や予備校の特長を知るには、体験授業を受けることが一番。できれば、得意科目と不得意科目の双方を体験してみるのがオススメ。1科目のみの場合は、不得意科目で自分のレベルに合ったものを選ぶとよい。パンフレット等に体験授業の言及がない場合でも、たいていの場合は受講させてくれるので、問い合わせてみるのもいいだろう。授業の内容はもちろんだが、周りの生徒の雰囲気や1コマの時間、施設、講師やテキストなど色々と確認しよう。
もちろん新年度開始時から参加する方が、途中から加わるよりもカリキュラムに沿って学べるため理解しやすい。時期を逃してしまったり、経済的な負担が大きい場合などは季節毎にある短期講習(夏期、冬期、春期)がよいだろう。普段の授業と比べ、新規の学生に配慮した授業内容になる傾向があるので授業にもついて行きやすい。
自宅と高校との通学圏内など通いやすい場所にある塾・予備校に通うことが理想的だが、近くに通える塾・予備校がない場合は、インターネットで利用できる塾や予備校もあるので、そちらも調べてみよう。逆に選択肢が多い場合は、科目ごとに塾・予備校を変えるスタイルもある。
春期講習は期間も短くガイダンス的な意味合いもあるので、新学期を前に初めて塾や予備校の通学を検討している場合に向いている。夏期講習は比較的期間が長いものが多く、科目はもちろん学力に応じてクラス分けされたものなど幅広い講座が用意されている。夏期講習のみの受講で2学期以降に向けて実力アップを狙うことも可能。冬期講習は3年生の受験直前対策に特化した講座が多い。
塾・予備校ごとに特色があるのはもちろんだが、受講する時期によって講座の内容も変わってくるので、資料を取り寄せたり、WEBサイトを見ながら、各塾・予備校の事前の情報収集をすることが必要だ。
各塾・予備校によって異なるが、一般的に自分で受講したい講座を選べる場合と、入塾前にクラス分け試験などで決められる場合とに分かれる。自分の力を冷静に判断し、実力に合ったクラスで学習することが実力アップの近道だろう。
様々な塾・予備校で模擬試験が毎月のように実施されているが、必要なタイミングで受けることが可能。模擬試験は、実際の入試と同じような環境を疑似体験できるため、雰囲気に慣れておき、受験当日に実力を発揮できるようになるための訓練の場ともいえる。また、試験の結果を分析することで、弱点や改善のポイントを発見する重要な機会だといえる。