受験人口の減少などで大学をとりまく環境が激変している中、優秀な学生をより多く確保するために大学自体が変わろうとしている! 学費の減免制度を新たに打ち立てたり、学部のカリキュラムを大きく変えたり、大学生活をガラリと変える動きが目白押しだ。これで来年の入試が変わってしまうかもしれない! 受験生は今こそ大学のアクションに敏感になろう!!
最近、難関大学を中心に学費の負担を減免する動きが目立ってきた。 まず東京大学では、家庭の年収(給与収入)が400万円以下の学部学生は、一律で年額53万5800円の授業料が全額免除になるという、国立大学法人では初の減免制度が今年度からスタートした。入学金28万2000円は従来通り納める必要があるものの、大幅な負担減となり、経済的な理由で大学進学を断念せざるを得なかった優秀な学生に対し門戸を大きく広げることになる。なお、これまで行われてきた減免制度は引き続き存続するという。 また、慶應義塾大学では学費の一部見直しを行い、34万円だった入学金を来年2009年度から20万円に引き下げ、体育実習費の8000円も廃止することになった。さらに、在籍基本料という新たな方式を創設し、留学などで休学した場合は、この在籍基本料の6万円と施設設備費を納入すれば、従来必要だった授業料の納入は不要となるため、これも大幅な負担減となる。ただ、文系学部の授業料は年額73万円から78万円に値上げとなるため、卒業までの学費はやや増えてしまうのが残念なところだが、意外なことにこれまでは文系学部の授業料が他の大学より安かったのが、平均的な授業料に近づいたということだ。 さらに、文部科学省は教育投資の総額がGDP比で現在の3.5%から5%に上がった場合、増額分約7兆円のうち約2.2兆円を大学生の授業料免除などに充てる計画を政府の教育振興基本計画に盛り込んだ。年収200万円未満の家庭の大学・短大生の授業料を免除し、500万円未満は半額免除するなど、驚くほどの減免計画である。ぜひ採用決定してほしいものだ。
私学の雄・早稲田大学が劇的な“変革”を遂げようとしている。最大のトピックは、筑波大との提携だ。これは、理工学と医学の両方を最短8年間で学べる教育プログラムを2010年度にもスタートさせるという計画で、理工学部の学生が4年次に筑波大医学群医学類に編入して4年間学んだあと、8年次に早稲田に戻って医学と理工学の学位を取得するというシステムなのだ。定員は5名と狭き門だが、医学部のない早稲田大学から医師が生まれる日も近い! また、昼夜開講制の代名詞だった社会科学部が2008年度限りで夜間の授業を廃止するという。早稲田大学は戦後に各学部でそれぞれ夜間の授業業を廃止するという。早稲田大学は戦後に各学部でそれぞれ夜間学部を創設して勤労学生に門戸を開き、1966年に第二政治経済学部、第二法学部、第二商学部を発展解消して社会科学部をスタートした。以来、第二文学部とともに夜間の授業のみで4年間で卒業できるシステムを続けてきたが、近年は勤労学生の減少でその役割が空文化し、徐々に昼間の授業を増やして昼間部として存続していた。第二文学部は文化構想学部に生まれ変わり、社会科学部も午前9時から開講する一般の学部になるため、一部を除いて実質的に早稲田から夜間講座は消える。また、カリキュラムを一新する計画もあり、これらの変化が受験生にとって大きく影響しそうだ。何より、社会科学部の入試難易度がアップする可能性が非常に高いのだ。単なるエリートだけでない多様な人材を輩出してきた早稲田大学だが、まずは入試でゆるぎない成績を叩き出すことが全員に課されることになるだろう。
医学部の定員が増加する可能性が大きくなってきた。予算や経費の削減を目指して1980年代後半から徐々に減らされてきた医学部の定員だったが、さらに1997年に政府が定員削減を定めた。しかし、医師不足の深刻化を受けて政策を定員増に転換することで首相と厚生労働大臣が6月中旬に合意したのだ。これを受けて全国医学部長病院長会議でも定員増の一日も早い実現を強く求め、財政支援があれば私立大では10%、国公立大では15%の定員増加が可能という認識を示している。 これより前の3月末に、すでに国立12大学が2009年度から定員を増やす申請を行っており、筑波大、千葉大、広島大など難関医学部を中心に各大学5人程度の定員増を目指している。ほとんどの大学の定員は推薦・一般合計で100名程度なので、5名の増加は大きな変化なのだ。医学部を目指す受験生にとってはまさに朗報だ!
すっかりおなじみとなったICカード式の定期券だが、明治大学はJR東日本の「Suica」と一体化した学生証を今年の秋から導入するという。証明書の発行などの事務手続きや図書館のゲートでの認証などで必要なIDカードとしてだけでなく、電子マネーとして学内の売店やカフェテラスなどでも使えるようになる予定だという。また、大学は今後、講義の出席確認への利用を検討しているという。 キャンパスの中であらゆることがワンタッチでスムーズに済ますことができるのはとても便利だが、学生証を忘れたらもう大学で何もできない!という事態にも想定される。明治大学の学生にとっては、学生証が携帯電話以上に大切なものになるだろう。
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