大学へ合格した生徒数を示した高校のランキングが各誌をにぎわせているが、中でもやはり注目は東京大学の結果。35人以上の大量合格者を出したランキング14位までの高校は全て難関私立/国立高校だ。 トップに輝いたのが開成(東京)。2位に倍近くの差を付け、189人という圧倒的な強さを見せつけた。昨年の140人から一挙に50名近くも大幅にアップしての堂々の1位だ。2位は100人の灘(兵庫)で、昨年は80人と4位に甘んじたが、今年は20人も伸ばし3桁台をマーク。関西の雄として面目躍如と言ったところだ。3位は95人と灘に僅差で追うのが東京の難関御三家の一つである麻布。4位は74人の筑波大付属駒場(東京)だが、生徒数の少なさを考えれば驚異的な記録と言えるだろう。5位はトップ30位で唯一の女子校である桜蔭(東京)が55人でランクインした。 今年の結果で注目したいのが、並み居る国私難関校の列に15位で食い込んだ公立高、県立浦和(埼玉)だ。数年前までは50名程度をコンスタントに出していた全国に名をとどろかす公立の雄だったが、近年は低迷気味で、昨年は16人とついに20人を割ったことで、学校側は数値目標を掲げ、進学指導を徹底させ、今年は33名と倍増させての記録となった。また同様に、東京都の進学指導重点校に指定されている都立日比谷が昨年の12人から今年は28人へと大躍進を遂げ、往年の栄光が復活の兆しだ。公立高の返り咲き現象は来年も期待大である。
国公立大学入試で20年近く行われてきた「分離分割方式」だが、大学によっては後期日程の選考を行わないケースが出てきている。 この分離分割方式とは、募集を前期・後期の2回に分けて選考を行うというもので(一部に中期日程を設ける公立大学もある)、受験生は国公立大をそれぞれ1回ずつ、計2回出願することができ、前期入試の合否が判明した後に後期入試が行われ、前期で入学手続きをした受験生は後期を受けることはできないという前期入試主体のシステムだ。多くの大学では、前期に学力重視の試験、後期は小論文などがメインの選考を行い、試験科目は違えど第一志望の大学を前期・後期と2回狙うことも可能。また、教科の負担の軽い論文重視の後期試験で、実力以上の難関校にチャレンジする道も開かれている。 しかし「AO・推薦入試を実施すれば後期日程の廃止を認める」という決定を国立大学協会が下したことを受けて、後期入試を行わない大学が増えている。中でも2007年度から京都大学は医学部保健学科を除く全学部・学科、東京工業大学は第一類の後期入試を廃止している。確かに小論文や面接重視の後期試験はAO・推薦入試の選考内容でカバーでき、しかもその大学を目指す受験生は後期日程より前期日程を照準に対策を行うのが通例であることからも、後期入試の存在意義を問う声も大きい。上記2大学のように、AO・推薦入試に力を入れる難関大学では、この動きが加速しそうだ。
従来の学問の枠組みからの進化、また少子化の受験人口低下によるレベルダウンを防ぐためなど、現在の状況を受けて様々な学部・学科の再編が各大学で行われている。これが2007年度の入試にどう影響を及ぼしたのか、早稲田大学の例を見てみよう。 夜間学部である第二文学部が昼夜開講制の「文化構想学部」として生まれ変わり、今年初めて入試が行われた。昨年の入試では受験者が3383人で合格者が718人、倍率は約4.7倍だったのが、今年は受験者が9217人と3倍に増え、合格者は1070人と倍率は約8.6倍になった(センター試験出願分は含まず)。 また、理工学部が「基幹理工学部」「想像理工学部」「先進理工学部」と3つの新たな学部に再編され、昨年(理工学部)は1万2726人が受験、合格者は4403人で倍率は約2.9倍だったのに対し、今年は新3学部合計で1万4103人が受験、合格者は3086人、約4.6倍と倍率を大きく上げた。 あくまで倍率の話であり、単純に入試難易度に置き換えられるものではないが、学部・学科のリニューアルが、入試を狭き門とさせたと言える例ではなかろうか。
2007年度の国公立大学二次試験の出願倍率が4.8倍になったと大学入試センターが発表した。これはセンター試験施行後の1990年以来、最低の数字である。 内訳は、国立が8万1884人の募集に対し志願者は36万8968人で、倍率は4.5倍、公立が1万8865人の募集、志願者は11万9559人で、倍率は6.3倍、国公立合計で募集は10万0749人、志願者は48万8527人で、倍率が4.8倍となった。 文部科学省はこのように出願倍率が落ち込んだ理由として、18歳人口が前年度に比べ約2万6000人減少したことが考えられるとしている。
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