Q.今後、日本の英語教育はどうなるのでしょうか?

小学生の子どもがいます。今後、小学校や中学校ではどのような英語教育が行われていくのでしょうか。
【A】大学の入学試験でTOEFLなどを積極的に活用していく方向になります

 グローバル化社会になり、ますます英語力が必要になっていることを背景に、日本の英語教育は今後大きく変わりそうです。

 2011年度のTOEFLスコアの国別ランキングでは、日本は163ヶ国中137位、アジアの中では30ヶ国中28位と低位置に甘んじています。そこで文部科学省の有識者会議では、英語教育の改善策について検討を重ね、9月末に英語教育改善策に関する報告書をまとめました。

 内容としては、日本の英語力をアジアの中でトップクラスにすることを目的として、「小学5年生から英語を正式教科とする」ことや「大学の入学試験でTOEFLなどの外部試験を積極的な活用する」ことなどが盛り込まれています。2018年度から部分的な実施を目指しています。

 また、文部科学省は、国際競争力を強化し、大学の世界ランキングでトップ100入りなどを目指して、世界トップレベルの教育・研究を行う「スーパーグローバル大学」37校を選定し、公表しています。

 こうした社会の動きにあわせて、英会話スクールや英語教室等では、幼児や小学生の子を持つ親からの問い合わせが増えているようです。また、英検を受ける子どもの数も年々増加しています。

 ただ、あまりにも周囲が過熱してしまっては子どもの自主性を損なうことにもつながる可能性がありますので、まずは英語が楽しいと思える環境を整えましょう。文部科学省の有識者会議でも、「楽しみながら学ぶ小学校英語の趣旨に反する」「負担が増す」ことはよくないとしており、小中高校いずれも学力テストの点数だけに基づいた評価ではなく「英語を使って何ができるようになったか」といった観点からの評価への改善を求めています。
One more アドバイス
英語力とは、読み書きなど4技能だと捉えられがちですが、それだけではなく相手の意見を聞いたうえで、自分の意見をはっきり主張できるコミュニケーション能力がグローバル人材として求められています。今後はこういった点もふまえて、国として英語教育を進めていくようです。
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【文・取材/寺本亜紀】
ライター、映像翻訳者(映画やドラマ、ドキュメンタリーの字幕翻訳・吹替翻訳)。英文科卒業。
小学校英語指導者資格取得。カナダ、アメリカ、オーストラリアで親子留学を経験。
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