「オンライン英会話」受講生の本音を徹底調査

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 スカイプなどの無料ビデオ通話サービスを使って、インターネット環境で英会話のレッスンを受けられる「オンライン英会話」。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、英会話を習得する方法の一つとして注目を集めている。

 そこで今回は、「英語を学びたい」「うまく話せるようになりたい」と願ってオンライン英会話に参加した30代〜50代の体験者に、レッスンを受講した感想やメリット・デメリットについて聞いてみた。
<参加者>

A美さん(30代・女性)
アメリカに留学していた経験有り。その頃に、少しでもスピーキング能力を上げたいと思い、オンライン英会話を利用した。同じ先生とずっと一緒に会話のレッスンを続けていたため、友達感覚で英会話を練習することができたとか。

Mさん(40代・女性)
オンライン英会話でのフリートークがなかなか続かず、そのことがかえって苦痛になった苦い経験も有り。テキストベースのプランも選んでみたが、結局、自分のレベルが明確に分からずじまい。オンライン英会話のメリットに少々疑問を感じてしまう。

N恵さん(50代・女性)
英会話を上達させたいと思い、オンライン英会話を利用し始める。お気に入りの先生に手取り足取り教えてもらうことができるので、満足度は高し。ただ、受講をする前にメイクをするべきかどうか迷う。

Sさん(40代・男性)
もともと英会話に興味は有ったが、スピーキング能力に不安も。今後、オリンピックでのボランティアをすることも視野に入れて英語を話せるようになりたいと思い、オンライン英会話を利用している。+αで、英単語アプリなども活用するなど、積極的な性格。

 「僕は土日の朝7時から30分間、レッスンを受講していました。おそらく、受講していなかったら土日は朝寝坊してしまっていたでしょうが、その時間までにちゃんと早起きをして勉強をする。そういうリズムが身に付くと、やる気も出てくるんです。半年くらい受講している間は、プラスαで英単語のアプリを日常的に使いながら、ボキャブラリーを増やしていきました」とSさん(40代・男性)は話す。

 忙しい毎日の中で、日常的なスケジュールにレッスンの受講時間を組み込めるかどうかが継続のポイントになりそうだが、それも自分の意志と先生の都合によって決まるという。

 「大体のスケジュールを決めて『この日はレッスンを受講しよう』と自分で思っていても、今度は気に入った先生がお休みということが多かったですね。話題も豊富な上に、会話で分からなかったところは後から英文にまとめて送ってくださっていたので、とてもいい先生だったのに、翌週が休みだったり、長期休暇を取ったり。結局、同じ先生の授業を受けることがあまりできず、毎回違った先生になってしまうこともありました」(N恵さん、50代・女性)。

 また、女性ならではのデメリットもあると、N恵さんは語る。「家に居ながらにして、すぐにレッスンを受講できるのは便利ですけれど、スカイプを通しての授業ですから、画面に相手の顔も映ると同時に、自分の顔も映ってしまいます。となると、『スッピンというわけにもいかないなぁ』とか、『パジャマじゃダメ』とか(笑)。結局、ナチュラルメイクをすることになって、それもだんだん面倒になってしまう……。もちろん、映像無しで音声だけのレッスンも可能なのですが、やはり顔を見ながら会話したほうが話しやすいですからね」。

 さらに、「英語を聴き取りやすいように、受講中は家族に静かにしてもらったり、映る場所だけちょっと片付けておいたり」といった具合に、“居ながらレッスン”には結構心配りをしたそうだ。

 「僕は、まだ家族が寝ている時間帯にレッスンを受講していたので、その辺は気になりませんでした。海外に住んでいる先生だったので、時差のおかげで朝早くから夜中まで自由に時間帯を選べたのが最大のメリットでした。それに、PDFで送られてくる英語のテキストも、受講者のレベルに合わせたものが各段階にあって分かりやすかったです」(Sさん、40代・男性)。
 レッスンを受講していた期間の後半をテキストベースに切り替えた40代の女性、Mさんは、「そのテキスト選びも重要です」と語る。「自分の英語力のレベルを先生に自己申告するのですが、正直、自分がどのくらいのレベルなのかが分からない。最初に選んだテキストの内容では物足りなくて、一つ上のレベルを選んでみましたが、なんとなくフィットしなかったですね」。

 そんな時には、「先生に直接相談するのも解決策の一つ」と話すのは、海外留学の経験が有るA美さん(30代女性)。「私が選んだ先生はとても気さくな人で、何でも話せました。留学していた頃は、1枠30分では物足りないほど会話が盛り上がりました。やはり、自分に話す意欲があったんですね。帰国してから勤めた会社では英語を話す機会もあったのですが、現在の会社では全く話していない。ですので、英語のブラッシュアップのためにも、再びオンライン英会話を利用しようと考えているのですが、30分は長いなと。例えば毎朝、モーニングコールの代わりに5分くらい英語で会話できるレッスンがあるそうなので、それを試してみようかなと思っています」

 40代のSさんは、半年間のレッスン経験を生かして、現在は他の方法でも英語のブラッシュアップを図っているという。「飲み仲間に外国人がいるんです。彼は日本語もペラペラなのですが、僕らと一緒にいるときは日本語を禁止して、英語のみの会話に限定します。いわば、生きた英会話ですね(笑)」。このように、自分自身の目的やライフスタイルに合わせてレッスンを続けることが、上達のカギなのだろう。だが、その“継続”もなかなか難しい。

 「本当に上達したいと思ったら、週1回では少ない。1週間に2〜3回のレッスンを集中的に受けた方がいいですね。少し苦しくても、だんだん習慣になって半年以上続ければ、なんとかなります。自分が積極的に受講する気持ちにならなければ、簡単に挫折してしまいます」と、皆さん異口同音に答えていた。

【文/金子裕子 校閲/田仲典子(株式会社ぷれす)】
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