JTF(ほんやく検定)検定試験はどんな試験?

  • JTF(ほんやく検定)検定試験はどんな試験?

 近ごろのビジネスの世界ではグローバル化がトレンドとなっており、それに伴って翻訳需要が高まっています。SOHOや個人事業として仕事を得る方法も増え、経験の浅い翻訳者にもチャンスが広がってきました。
 その一方で、依然として翻訳者には高い技術が求められています。特に企業活動に関わる「産業翻訳(技術翻訳)」のフィールドでは、専門分野に対する深い知識と、実務レベルの情報収集力を備えていることが優秀な翻訳者として認められる条件です。
 このようなビジネス翻訳における能力を判定し、さらなる技術力向上を目指せる検定試験が「JTF(ほんやく検定)検定試験」です。
 「ほんやく検定」とは、社団法人日本翻訳連盟(Japan Translation Federation)によって実施されています。すでに50回以上ものテストが実施されている、歴史の長い検定試験です。この検定試験は実務レベルの翻訳技能を測ることを目的としており、ビジネスの場において「商品として通用する翻訳であるか」という評価基準が合否を決めるポイントになっています。
 合格すれば取得級を履歴書に書けるようになり、JTFの公式サイトと機関誌にプロフィールを掲載して仕事を得る機会を増やせます。このようなメリットがあることも、翻訳者として独立を目指している人から注目されている理由です。

 同じ翻訳に関する資格である「翻訳専門職資格試験」と比較されることが多いですが、JTA(社団法人 日本翻訳協会)による翻訳専門職の認定には「2次審査(翻訳経験2年以上の実績審査)に合格」することが条件となっています。これに対してほんやく検定はテストの結果次第で合否が決まるため、現在翻訳者として仕事をしている人に限らず、翻訳を勉強中の学生や主婦などもテストに挑戦しています。
受験資格:なし
受験・認定級 :5級、4級、3級、2級、 1級
試験方式: インターネット受験


 ほんやく検定は受験資格のない、どなたでも受験できる検定試験です。試験は年2回実施で、1月と7月の第4土曜日に行われています。
 受験はPCとインターネットを使用した「オンライン受験」で、決められた時間に指定サイトへアクセスすることで、在宅や外出先にて試験を受けられます。インターネット環境があれば海外からの受験も可能ですが、試験スケジュールは日本時間に合わせて受験することになります。

詳しくは、一般社団法人 日本翻訳連盟公式サイトのほんやく検定 受験要項をご確認ください。
http://www.jtf.jp/jp/license_exam/exam.html
【5級】
レベル :基礎レベル(90%が高校卒業までの英単語で構成)
試験内容:英日翻訳3題

【4級】
レベル :基礎レベル (85%が高校卒業までの英単語で構成)
試験内容:英日翻訳2題および日英翻訳1題

【実用レベル英日翻訳】 
レベル :実用レベル
試験科目:(1)政経・社会、(2)科学技術、(3)金融・証券 (4)医学・薬学、(5)情報処理、(6)特許 から1分野を選択

【実用レベル日英翻訳】
レベル :実用レベル
試験科目:(1)政経・社会、(2)科学技術、(3)金融・証券 (4)医学・薬学、(5)情報処理、(6)特許 から1分野を選択

※実用レベルは翻訳の完成度に応じて1〜3級、不合格を判定


 試験は「基礎レベル」「実用レベル」の2つで構成されています。
 「5級および4級」はどちらも基礎レベルで、英文読解力や日本語表現力をテストするものです。試験問題は社会問題や科学技術に関することをテーマとしており、ビジネス寄りの内容となっています。
 「実用レベル」の試験は、英日翻訳と日英翻訳のテストがあります。それぞれ6つの分野が用意されており、その中から1分野を選んで受験します。翻訳の完成度に応じて級が認定されるシステムで、専門家の翻訳であると認定されれば1級、実務レベルの翻訳であれば2級、ある程度の実務に通用するレベルならば3級と判定されます。

詳しくは、一般社団法人 日本翻訳連盟公式サイトのほんやく検定 レベル構成をご確認ください。
http://www.jtf.jp/jp/license_exam/level.html
 JTFが公開している受験者データ(2014年時点)によると、5級および4級の受験者は、およそ半数近くが合格しています。翻訳の基礎固めをするならば、これらの級から受験をスタートするのが堅実的であるといえるでしょう。
 3級の合格率は20%前後。2〜1級は合格率5%を下回る難関です。実用レベルの試験で上位級に認定されているのはごくわずかな翻訳者ですが、もし取得できれば優秀な産業翻訳者としてその実力を証明できます。
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