英会話教室ランキング!受講生が重視するポイントは?

※記事は2017年6月1日にダイヤモンド・オンライン(外部リンク)に掲載されたものです。
 会社帰りの“おけいこ事”として定着してきた英会話スクール。しかし、近年はビジネスシーンにおけるビジネス英語の需要が急速な高まりを見せ、海外転勤等の前に受講する短期集中型コースや、取引先や外国人上司等との交渉やプレゼンテーションで求められるビジネス英語レッスン等が支持されている。また、2020年の東京オリンピックに参加したいボランティア向け、接客サービスの対応、さらに今後必要になることを見据えた自己啓発向けプログラム等、語学力の習得目的は、多種多様といえる。

 受講者も年齢や性別、職種などが幅広くなったことに併せ、英会話スクールに求められるニーズにも、自ずと変化が生じてきた。通うペースや通える時間、またグループレッスンか個人レッスンか、さらには通学すら不要な自宅でのオンライン学習が可能かどうか等、英会話スクールに求められる要素はもはや「英語の習得度」だけに留まらない。様々な英会話スクール、学習スタイルがある中で、英会話事業に求められているものとは何だろうか。2016年12月にオリコン日本顧客満足度調査が発表した顧客満足度の高い「英会話スクールランキング」の結果から、検証してみたい。

 今回の顧客満足度調査の対象者は、過去5年以内に半年以上英会話スクールに通学をしたことがある15歳以上で、1万814人の回答を得た。評価対象の英会話スクールは、47社。「講師」「カリキュラム・教材」「適切なレッスン料」「授業の受けやすさ」「サポート体制」など10項目に関する質問を行い、それぞれの満足度を10点満点で評価してもらうとともに、「重視する項目」も尋ねた。多くの利用者が重視する項目で評価が高い場合は、ポイントに反映する仕組みになっている。

受講者の心をつかむ新基準は「授業の受けやすさ」にある

 全10項目中5項目でトップを取った「Gabaマンツーマン英会話」(以下、Gaba)が第1位で72.38点を獲得した。次いで2位「イーオン」(72.03点)、3位「COCO塾」(71.96点)、4位「ECCC外語学院」(71.61点)、5位「シェーン英会話」(71.51点)、6位「ベルリッツ」(71.17点)、7位「NOVA」(69.21点)という結果になった。

 1位のGabaは、同ランキングの上位常連企業。トップ選出は、2014年からの2度目となった。今回は1位と2位の得点差が1点以上ある項目は「レッスン」(2位との差2.70点)、「教室の雰囲気」(同2.15点)、「授業の受けやすさ」(同1.28点)、「適切なレッスン料」(同1.36点)の4項目だが、Gabaはこのうち「レッスン」「教室の雰囲気」「授業の受けやすさ」の3項目で1位を獲得している。

一目でわかる英会話スクール 評価項目別ランキング・ベスト5

「英会話スクール」は、全47社を対象に、過去5年以内に、半年以上英会話スクールに通学したことのある1万814人の調査に基づく。利用者の評判・口コミ等の詳細はこちら。(注)「Gabaマンツーマン英会話」は関東、東海、関西、九州で展開。「イーオン」は全国で展開。「COCO塾」はニチイ学館グループ、全国で展開。「ECC外語学院」は関東、東海、関西、九州で展開。「シェーン英会話」は増進会出版のZEホールディングスが出資のスクール、全国で展開。「ベルリッツ」はベネッセグループ。全国で展開。「NOVA」は全国で展開
 ここで注目したいポイントは、利用者が英会話スクールを選ぶ際、レッスン料や講師の質だけでなく、「授業が受けやすいかどうか」を判断材料にしていることだ。英会話スクールは比較的通いやすい立地にあるが、ビジネスパーソンの場合、仕事などで急用が入りがちで、通学が難しくなること多い。このような悩みで通学を諦めることがないよう、授業の振替等が柔軟に対応できる英会話スクールが実際に増えている。

 Gabaの場合、レッスン当日に急用が入りにくい時間帯に通えるように通勤前の早朝7時から開講している点や、レッスン5分前まで予約できる点などが評価されている。また5位のCOCO塾(72.45点)では「転勤の時、転校させてもらえたし、講師とどうしても合わない時も代えてもらえた」(女性・50代以上)等の声があり、授業の受けやすさには“融通の利きやすさ”という視点も求められていることがわかる。

実践で使える英語を学べるかがカギ

 充実したレッスンを受けたいという気持ちは、ニーズやライフスタイルが多様化しても変わらないのだろう。「マンツーマンなので、話す機会には恵まれている」(女性・30代)という声が挙がったGabaは「レッスン」項目でも1位を獲得した。講師一人に対して複数の生徒という授業形態に比べ、より満足度が高いという心理は納得できる。ただし、業務上で必要に迫られている人や、明確な目的を持って通っている人が増えている中では、実践の場において努力の成果を実感できるカリキュラムが組まれていることも重要な要素だ。

 「カリキュラム・教材」項目の1位に選ばれた「ベルリッツ」(72.93点)だが、同スクールはこのほかにもレベル別部門ランキング「ビジネスレベル」、目的別部門ランキング「海外旅行」でもトップを飾った。利用者から「各種表現で、TPOに合わせた表現について、表現だけでなく、仕草や服装、パーティでの振る舞い方まで説明してくれた」(男性・50代以上)、「語学力の他、マナーや異業種文化なども教わりビジネススキルが上がった」(男性・40代)といったコメントが寄せられている。

 次点の「イーオン」(72.55点)も、企業の英語公用語化や2020年東京五輪、訪日外国人の急増等、世の中の変動に対応すべく教材の刷新やレッスンのデジタル化などに力を入れているという。

一目でわかる英会話スクール レベル別・クラス別・目的別ランキング

「英会話スクール」は、全47社を対象に、過去5年以内に、半年以上英会話スクールに通学したことのある1万814人の調査に基づく。

新しい語学サービスの台頭で学習スタイルに変化が…

 かつて英会話といえば、教室に通うのが当たり前だったが、PCやタブレットでのオンライン学習が可能になったことで、英会話の学習スタイルにも変化が生じているのはいうまでもない。オンライン英会話はここ10年ほどで急速に浸透してきたが、学習スタイルとして市民権を得た要因は、学習場所を選ばないということだけに留まらない。通学スクールと比較すると、ネイティブな英語講師を雇いながらも、圧倒的な低価格を実現している。学習場所、時間、そして講師までも自由に選択できることに加えて、低価格という要素がオンライン英会話事業の浸透に拍車をかけたのは、いわずもがなだろう。業界内でも「英会話に対するハードルが下がり、興味を持つ人が増えた」という見方は非常に多い。

 しかし、ここで特筆しておきたいのは、オンライン英会話での学習スタイルが加速しているといえる一方で、通学スタイルの英会話スクールが、かなり厳しい状況に置かれているのかといえば、一概には言えないということだ。

 「語学ビジネス徹底調査レポート 2016」(矢野経済研究所)によると、高校生以上を対象とした成人向け外国語教室の市場規模は、微増で推移している。2014年度に2080億円、2015年度に2090億円、2016年は2100億円との予測だ。一方、PCやモバイル端末で学習する語学習得用e−ラーニングは、2014年度に75億円、2015年度に80億円、2016年は83億円と予測されており、こちらも伸びを見せているものの、市場規模から判断すると、スクールでの英語習得が今でも主流といえる。

 ただし、Gabaは「自分のライフスタイルと目的にあった学習法を慎重に選定している傾向が見受けられる」と話す。英会話スクールだけで英会話力を伸ばすより、ライフスタイルに合わせやすいオンライン英会話や、低価格の語学サービスを組み合わせる生徒が増えているという。NOVAも同様で、オンライン英会話を始めたものの、実際に外国人と会った時に上手に話せるようになりたいという理由から「英会話スクールへ移行、または並行して受講する生徒が増えている」と、利用者の学習スタイルの変化を実感している。

 「英会話を学ぶなら通学型かオンライン型か」という新たな業界構造が誕生し、そこからさらに派生し、各サービスの利点を組み合わせながら効率よく語学を習得する流れが出てきている。英会話スクールで習得するからこその付加価値の向上が今後の課題といえそうだ。

(オフィス・カハラ 柏野裕美)

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