2017年11月15日 08時20分

経験者が教える、留学成功と失敗の分かれ道

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経験者が教える、留学成功と失敗の分かれ道(写真はイメージ)

 留学は未来への投資である。お金がとてもかかる投資だからこそ、実のあるものにしたい。今回は、どんな人は留学成功するのか、失敗してしまうのか、その分かれ目を考えてみよう。せっかくの海外留学を無駄にしないために、筆者の経験も踏まえながら、4つのポイントを紹介する。

【1】語学力の基礎は日本で習得しておく

 語学留学にしろ、専門分野での留学にしろ、留学に行く前に日本で語学力が基礎レベルをクリアしているかどうかで、留学に行ったときの学習過程の習得度は変わる。

 留学で環境がガラリと変わり、授業についていくのが必死という場合は、精神的にも厳しい。日本にいる間からきちんと勉強して留学した方が、少し自分に余裕ができ、新しい環境に適応しやすく、周りのことを吸収しやすいだろう。

【2】コミュニケーション能力は重要

 留学エージェンシーや語学学校にホストファミリーを紹介してもらう留学生も多いが、海外では経済的に生活のゆとりのない家庭がホストファミリーを副収入の目的で引き受けている場合が大半だ。日本でホストファミリーを引き受ける家庭は「国際協力」というような感覚で引き受けるところが多いので、そのギャップは大きいだろう。

 正直ホストファミリーは運次第のところもあるが、現地人や他の国からの留学生と積極的に友達になろうとするコミュニケーション能力がより良い環境づくりの鍵となる。

【3】語学学校、大学選びは慎重に

 留学先の語学学校や大学などを日本から選んでいく場合にも注意が必要。留学エージェンシーを通して「ただ安いから」「勧められたから何となく」と、自分で下調べを十分にせずに決めてしまい留学に行ってしまうと、あとで同じクラスの生徒が日本人しかいなかったり、コースが自分のやりたいこととは違ったり、ということもある。情報収集と自分の学習目的をしっかりしておくことが重要だ。

【4】留学だけを目標にしない

 ただ単に「留学」を目標にして海外に出かけると、あとになって自分が何をやりたかったのか分からなくなり、勉強などのモチベーションなどが下がり何も学ばない状態でただ「遊学」となってしまうパターンも多い。海外の大学を卒業したとしても、そのままその国で働くための就労ビザなどが簡単に手に入るわけではない。また、海外の大学を出ていても、日本では大卒として認められない場合が多いので、入学前に調べる必要がある。

 筆者自身も初めての短期留学は、大学1年の夏休み中に行ったカナダの語学学校だったが、そこは日本人留学生が学校全体の半分を占めていた。特に目的もなく、ただ初めての海外経験として申しこんだホームステイで、ホストファミリーはあまり親切な家族ではなく、彼らとの会話も特になかった。英語を学ぶことはできたものの、一緒に行動したのは日本人とメキシコ人の留学生だけで1ヶ月が終わってしまった。事前にどういう学校か、どこからの留学生が多いのか、情報を集めようと思えばできたはずであり、今となれば100%英語漬けの1ヶ月にならなかったことが、とても残念だ。

 何をもって「成功」とするのか「失敗」とするのか、個人の捉え方次第だが、やはり“目標をきちんと持って留学をする”ということと、そのためにはお金も時間も無駄にせずきちんと学ぼうとする“強い意志”が必要とされるだろう。

(中森 有紀)
スペイン・バルセロナ郊外在住。大学でスペイン現代史を専攻、在学中に1年間スペインに留学。大学卒業後、書店勤務と英語講師を経験した後バルセロナに移住。英語、スペイン語、カタルーニャ語、日本語の4ヶ国語を操る通訳&ライター。2児の母。趣味はサッカー観戦とぬか漬け。

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