2016年06月01日 07時00分
ビジネスに役立つ【英語知識】 相手に理解を示すスマートな言い回し
スムーズに事が運ばない時は、状況を丁寧に説明し直すことが大事
承諾や前向きな応対でよく使われる「Okay」。意味もスペルも発音も簡単な単語なので使いやすいが、使うときのトーンは非常に重要だ。英語のメールや会話では、必ずしも「Okay」=「了解」という意味にならないことがあるのだ。
わかりやすい例を挙げると、「Okay, but〜」という表現がある。「but」がつく時点で了解を意味する「Okay」ではない。「言わんとすることの意味はわかったけど」という意味合いになる。 実際の例文を見ていこう。
<<例文>>
A: I don’t think you should include such information at this point.
B: Okay, but, this is an urgent situation. please send me the data what you mentioned in the previous email.
<<訳>>
A:この段階でそういった情報を盛り込む必要はないと思います。
B: それはわかりますが、本件は急ぎです。前回のメールで言っていたデータを送ってください。
<<解説>>
この会話が当てはまりそうなシチュエーションは幾つかあるが、単にAさんはBさんがその情報を求める目的が明確ではないので 、「今はその情報は盛り込む必要ない」というアドバイス染みた断り方をしているのかもしれない。または、Aさんは何かの理由でBさんに情報を渡したくないのかもしれない。
そんな時に「Okay, but〜」を使うのは押し問答をするようなもの。求めるものを提供してくれという一点張りを貫き通すのではなく、相手に理解を示しながらお願いし直すほうがスマートだろう。「I understand what you mean. The reason I ask you to provide me with the data is that 〜」(おっしゃることは理解しています。私があなたにデータを提供してほしいとお願いした理由は〜)というような補足をするのもありだ。
<<例文のBさんの返事を改善すると>>
A: I don’t think you should include such information at this point.
B: I understand what you mean. I have already discussed with your boss. The reason I ask you to provide me with the data is that I thought you are the best person to ask regarding ABC project since you have been managing the schedule. I will contact someone else who may know this matter. Please let me know if you have someone in mind to whom I shall get contact with.
<<訳>>
A:この段階でそういった情報を盛り込む必要はないと思います。
B: おっしゃることは理解しています。あなたの上司にも話は通してあります。私があなたにお願いをした理由は、あなたがABCプロジェクトのスケジュール管理をしており、かつ質問してしかるべき人だと思ったからです。本件に関して知っておられそうな 方にご連絡をしてみます。もし、コンタクトをすべき人をご存知でしたらご教示ください。
このように、「Okay」は使い方によっては、悪い印象を残してしまうので、スムーズに事が運ばない展開になった時は「Okay」を使うのではなく、状況を丁寧に説明し直すことが大事だ。
もし、会話の相手が頑固者である場合は、「I have already discussed this with your boss.」(すでにあなたの上司とは話し合い済みです)とか、「I have already talked with your boss.」(すでにあなたの上司には話してあります)と添えられるように根回しをしてから会話をしておくのも一つの手だ。
(記事/柏野裕美)
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