東京個別指導学院 齋藤勝己社長インタビュー「講師一人ひとりの主体性を引き出すことに主眼をおく仕組みを」

 個別指導塾のパイオニアである東京個別指導学院が、オリコン顧客満足度ランキング「高校受験 個別指導塾 首都圏」で6年連続の1位に輝きました。同社の講師の人財育成の取り組みは、国連が掲げる「SDGs目標4:質の高い教育をみんなに/若者・成人の技術的・職業的スキルの向上」を持続的に実現する施策として、外務省や経団連のSDGsサイトでも紹介されています。大学生アルバイト講師の主体性によって生徒の成長を引き出す同社独自の人財育成について、代表取締役社長の齋藤勝己氏に伺いました。

「教育理念を徹底すること」が顧客満足度に寄与

──6年連続1位の快挙、おめでとうございます。まずは率直な感想と、高い顧客満足度をキープし続ける理由をどのように分析されているかお聞かせいただけますか。

齋藤勝己氏(以下、齋藤) ありがとうございます。生徒のみなさん、そして保護者の方々というお客さまから評価をいただいていることは大きな励みです。理由については、生徒たちと向き合う講師全員が、弊社の教育理念である「やればできるという自信」「チャレンジする喜び」「夢を持つ事の大切さ」、そして企業活動のすべての基軸である「ホスピタリティ」を実践しており、それがお客さまにもしっかりと届いている。このことに尽きるのではないかと思っています。

お話を伺った東京個別指導学院代表取締役社長・齋藤勝己氏

お話を伺った東京個別指導学院代表取締役社長・齋藤勝己氏

大学生アルバイトを育てる「TEACHERS' SUMMIT」

──評価項目では「成績向上・結果」「自習室の使いやすさ」「教室の設備・雰囲気」のほか、「講師」も1位となりました。御社の講師は大学生が多いと伺っていますが──。

齋藤 そうですね。全国1万名強の講師のうちの約85%が大学生のアルバイトです。

──どのような人財育成をすれば、大学生アルバイトをそのような質の高い講師へと育てることができるのでしょうか。

齋藤 弊社には「TEACHERS' SUMMIT」という人財育成の仕組みがあります。仕組みというとマニュアルのように聞こえるかもしれませんが、中身はまったく違って、むしろこの仕組みは講師一人ひとりの主体性を引き出すことに主眼を置いたものです。弊社では全国248の教室を展開していますが、すべての教室において「教室をよりよくするためのアイデア」や「年間の目標」を提案するのは社員ではなくアルバイトの講師たち。その提案の前提となるのは、先ほどお話しした三つの教育理念とホスピタリティです。講師自らが理念に基づいた活動計画を立てることで、理念の実践と深まりにも繋がるのです。

毎年、3000名規模で開催される「TEACHERS' SUMMIT」(提供:東京個別指導学院)

毎年、3000名規模で開催される「TEACHERS' SUMMIT」(提供:東京個別指導学院)

──そうした活動計画が全教室分、248通り作成されるということでしょうか。

齋藤 そうです。同じ地域の他教室の取り組みをシェアする場も設けています。互いに学び合い、高め合うことでよりよい取り組みが波及していくわけですね。年度の半ばにはその活動計画が実行できているか、改善点はないかといった振り返りを行い、他教室にも共有します。そして年度末には最終的な総括を行った上で、各地域の「ベストプラクティス教室」を講師たちの投票によって選出します。さらに、3月には各地域代表の教室がプレゼンテーションを行い、参加講師たちの投票で「ベストプラクティス最優秀教室」を表彰する3000人規模のイベントを開催します。このような年間のPDCAサイクルを回すことで、講師たちの主体性や継続的な成長を促すのが「TEACHERS' SUMMIT」の仕組みです。

大学生講師たちによって選ばれる『ベストプラクティス最優秀教室』(提供:東京個別指導学院)

大学生講師たちによって選ばれる『ベストプラクティス最優秀教室』(提供:東京個別指導学院)

講師の主体性を引き出す、ファシリテイティブなリーダーシップ

──体系化された仕組みもさることながら、実際に”アルバイト”である講師たちの主体性が引き出されていることにも驚かされます。

齋藤 それはやはりリーダー次第でしょう。話は少しそれますが、青山学院大学の駅伝チームが飛躍的に伸びた背景には、選手自らが目標を立て、それを他の選手にも公開することで目標達成への意欲も高まるといった原晋監督の指導があったと聞きます。弊社で言えば講師たちのリーダーは教室長に当たりますが、彼らが講師たちの「生徒のためにもっとこうしたい」という思いを受け取り、それを大いに評価し、実践を後押しする。そんなファシリテイティブなリーダーシップを発揮することで、講師たちの主体性も活性化していくのです。

講師と生徒、お互いの関係性の中で連鎖する“成長”

──講師の主体性は、個別指導という教育スタイルにどのような良い効果をもたらすのでしょうか。

齋藤 個別指導の目的は、人と人が向き合うことで生まれる信頼関係を通して、教育の質を上げることにあります。一人ひとり個性も得意なことも異なる生徒さんを導くためには、画一的な指導方法ではなく、「どのような指導をすれば目の前にいるこの生徒は伸びるだろうか」と講師自らが一生懸命に考えることが大切です。また生徒さんからすると、自分のことを一心に考えてくれる講師が目の前にいることで、期待に応えようというモチベーションも引き出されます。そして生徒の伸びを実感すると、講師はさらに「自分にもっとできることはないか」と考えるわけですね。

相互関係の中で成長しあう「個別指導」(提供:東京個別指導学院)

相互関係の中で成長しあう「個別指導」(提供:東京個別指導学院)

齋藤 成長は一人で実現できるのではなく、互いの関係性の中で連鎖していくもの。こうした相互成長から生まれる相互満足こそが、「ホスピタリティ」であると弊社では捉えています。この「ホスピタリティ」を講師一人ひとりが実践していること、そして「TEACHERS' SUMMIT」を通して教室全体が毎年成長し続けている結果が、顧客満足度の連続1位にも繋がっているのではないかと分析しています。

(文/児玉澄子)
【調査概要】
調査時期:2018/07/18〜2018/07/30
調査対象:合計3461名(高校受験を対象とする個別指導塾に通年通学している(したことのある)現役中学生/高校生の保護者)
調査地域:首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)
調査方法:インターネット調査 (オリコン顧客満足度調べ)

プロフィール
株式会社東京個別指導学院 代表取締役社長 齋藤 勝己

1964年埼玉県生まれ。1987年中央大学卒業。2014年株式会社東京個別指導学院代表取締役社長に就任。経済同友会会員。日本ホスピタリティ推進協会 理事 兼 教育産業委員長。中央大学南甲倶楽部 理事。
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