今日から使える英語のことわざ

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 一石二鳥という四文字熟語がありますが、これは中国のことわざ…ではなく、“To kill two birds with one stone.”という西洋のことわざです。
 古人の知恵や知識が詰まった「ことわざ」。人間や物事の本質を簡潔に言い表しており、その言葉の価値はどんなに月日が経とうと、決して色あせることがありません。国境や言語を超えて語り継がれているのはそのためでしょう。
 今回は英語の勉強も兼ねて、英語圏で伝えられていることわざをご紹介したいと思います。日本や中国のことわざと置き換えられるものも多いのですが、国や文化の違いによって、言い回しが微妙に変わっていたりします。なぜそのような言葉になったのかを想像してみると面白いかもしれませんね。

“A rolling stone gathers no moss.” (転がる石には苔がつかない)

 直訳すると『転がる石には苔がつかない』。
 英語のことわざの中でもっとも有名なフレーズのひとつです。イギリスや日本では「落ち着きがなく、常に動き回っている人は成長しない」という意味で使われています。日本のことわざで最も近いのは『石の上にも3年』でしょうか。一箇所にじっとしていることで苔=利益が蓄えられるという教えです。

 しかし、言葉というものは面白いもので、アメリカでは「いつも精力的で、活発に動きまわっている人は能力が錆びつかない」と肯定的な意味で使われているのです。苔=邪魔なものと考えているアメリカ流の解釈なのでしょう。
 日本・イギリスの考えも正しいですし、アメリカの考えも一理あります。どちらも間違いではありません。ひとつの言葉に二つの教訓があるというのは、なかなか珍しいですね。

“A burnt child dreads the fire.” (やけどをした子供は火を怖がる)

 直訳すると『やけどをした子供は火を怖がる』。
 つまり、失敗した人は過度に怯えてしまうという意味です。中国戦国時代の楚地方で謡われた詩「楚辞」9章に記されている「羹(あつもの)にこりて膾(なます)を吹く」と言い換えることができます。羹(熱いお吸い物のこと)でやけどしたことで、本来冷たい料理である膾(野菜や魚などを刻んで調味料をあえたもの)までも冷ましてしまうということわざで、こちらはやり過ぎな感じが伝わってきますね。

 しかし、英語版は子供ですから怯えてしまうのも無理はないかもしれませんね。西洋では子供を小さい大人と考え、労働力として利用してきた文化があったので、子供に厳しいのかもしれません。

“All work and no play makes Jack a dull boy.” (勉強ばかりで遊ばないとジャックは愚か者になる)

 直訳すると『勉強ばかりで遊ばないとジャックは愚か者になる』。
 ジャックとは英語圏で男性を代表する名前であり、日本に例えると太郎に該当します。つまり、勉強ばかりしていると子供は馬鹿になるということ。日本のことわざでは『よく学び、よく遊べ』と言い換えることができます。

 勉強ができれば学歴は立派になるかもしれませんが、勉強しか知らないで社会にでると世間知らずと言われてしまいます。これはいつの時代も、どの国でも変わらないようです。
 子供を“頭がいい愚か者”にしないためにも、勉強だけでなく、遊びにも打ち込ませてあげたいものです。