翻訳専門職資格試験はどんな試験?

  • 翻訳専門職資格試験はどんな試験?

 外国語で書かれている文章を訳す翻訳家。“翻訳の仕事”と一口に言っても多種多様で、外国文学を翻訳する「文学翻訳」や、映像や音楽を翻訳する「メディア翻訳」、企業のマニュアルや研究論文を翻訳する「産業翻訳」など、さまざまな業務が存在します。これらは分野によって求められるスキルが異なり、翻訳者には実務レベルの能力が必須です。
 「翻訳専門職資格試験」は、世界レベルで通用する翻訳者を目指す人のための検定試験です。日本で有名なTOEICよりも難しいと言われており、高い語学力と翻訳スキルを持つことを証明できるものと称されています。いったいどのような試験なのか、以下で具体的にご紹介します。

翻訳専門職資格試験とは

 「翻訳専門職資格試験」とは、社団法人 日本翻訳協会(Japan Translation Association:以下JTA)が主催している検定試験です。前身の認定資格「翻訳技能認定」がバージョンアップされ、2008年より試験が実施されています。

 翻訳専門職資格試験の特徴は、認定条件に実務経験が必要になることです。認定条件は2つあり、「4科目全てに合格(2級以上取得)」と「2次審査(翻訳経験2年以上の実績審査)に合格」の両者の条件を満たすことで、翻訳専門職に認定されます。そのため、プロの翻訳者になりたいと強く思っている人が多く受験していると考えられています。
 さらに翻訳専門職資格試験は、英語と中国語のテストが行われています。同じ翻訳系の資格である「ほんやく検定」は英語部門のみですので、受験者層も異なると言えるでしょう。

翻訳専門職資格試験の概要

受験資格:なし
試験方式:インターネット受験
スケジュール:年4回(3月、6月、9月、12月)

 試験はパソコンを使用するオンライン受験で、在宅でテストを受けられます。日程は年4回で組まれており、3月、6月、9月、12月に実施されています。
先に述べたとおり「翻訳専門職」の認定には実務経験が必要ですが、テスト自体に受験資格はないため、現在翻訳を勉強中の方でも受験できます。そのため、一部の科目のみを受験して就職活動に役立てる大学生も増えています。

詳しくは、一般社団法人 日本翻訳協会公式サイトのJTA公認 翻訳専門職資格試験の概要をご確認ください。
http://www.jta-net.or.jp/about_pro_exam.html

翻訳専門職資格試験の試験内容

【英語部門】
試験科目:翻訳文法技能試験、翻訳IT技能試験、翻訳マネジメント技能試験、翻訳専門技能試験(選択式)

【中国語部門】
試験科目:翻訳文法技能試験、翻訳IT技能試験、翻訳マネジメント技能試験、翻訳専門技能試験(選択式)

 翻訳専門職資格試験は英語部門と中国語部門があり、それぞれ4科目で構成されています。科目ごとに合否とグレード判定があり、4科目すべてに合格すると翻訳専門職認定の条件の1つを満たします。
一度に複数科目を受験することも可能です。効率よくまとめて受験するか、それとも1科目ずつ着実に合格を目指すか、受験者の考え方次第で受験方法が分かれます。

 英語部門と中国語部門の試験科目「翻訳専門技能試験」は、複数ある分野から1つを受験する選択式になっています。
 英語部門は、絵本翻訳など計7分野がある「JTA公認 出版翻訳能力検定試験」、またはIR/金融翻訳やリーガル翻訳などの計4分野がある「JTA公認 ビジネス翻訳能力検定試験 英語部門」の中から選びます。中国語部門は、リーガル翻訳能力検定試験またはビジネス一般翻訳能力検定試験を受験できます。これらは分野によって試験日が異なるため、スケジュール確認の際は要注意です。

詳しくは、一般社団法人 日本翻訳協会公式サイトのJTA公認 翻訳専門職資格試験の概要をご確認ください。
http://www.jta-net.or.jp/about_pro_exam.html

翻訳専門職資格試験の難易度

 JTAは試験の受験者データを公開していないため、過去の合格率から難易度を分析することはできません。ただし、一度の試験で認定者が出るのはたった1人程度で、TOEICやTOEFLなどで高スコアを獲得している人でも合格することは難しいと言われています。
 その一方で、この超難関の資格試験に合格している翻訳者に対する企業の信頼は厚く、評価されやすい資格であると考えられます。4科目すべてに合格できるよう、受験対策講座やテキストを上手に活用してみましょう。