Q.大学留学でイギリスとアメリカでは何が異なりますか?

先日、秋篠宮ご夫妻の長女・眞子さまが9月からイギリスの大学院に留学されました。イギリスとアメリカでは、留学する際に必要な英語能力試験は異なるのでしょうか。
【A】英国ビザ申請にはIELTSなどを受験する必要があります

 眞子さまがイギリス屈指の伝統校・レスター大学の大学院に約1年の予定で留学されています。あまり知られていませんが、イギリスとアメリカでは大学留学の際に、必要な英語能力の試験に違いが見られます。

 外国人が英語圏の大学に留学するためには、英語能力試験のスコアを提出し、それぞれ希望する大学の審査基準をクリアする必要があります。それは、英語の授業を理解して、ディスカッションやプレゼン、論文提出などが問題なく行える英語能力を有していると証明するためで、大きく分けるとTOEFLとIELTS(International English Language Testing System)が多くの大学で採用されています。

 基本的に、アメリカの大学に出願する外国人留学生には、TOEFLのスコア提出が求められることが多いようです。それでも、近年はアメリカでもカナダと同様、IELTSとTOEFLの両方を受け付ける大学も増えています。大学によって要求するスコアは異なります。

 一方、イギリスの大学に出願する際には、IELTSやPTE Academic(Pearson Test of English Academic)などの英語能力試験のスコアが必要になります。以前は、イギリスの大学に留学する際にも、TOEFLが英語力の証明として認められていましたが、2014年4月にイギリス内務省が、英国ビザを申請する際に英語力証明としてTOEFLなどETSの認定するテストを認めないことを発表。今後、英国ビザを申請する際には、IELTSやPTE Academicなどイギリス内務省に認可されている英語能力試験を受験する必要があります。

【TOEFL】
米国非営利教育団体であるEducational Testing Service(ETS)が開発した英語を母国語としない人々の英語能力を測る試験。大学レベルの英語力および理解力を測定するため、試験内容は学術的でかなり高度な英語能力を必要とします。

【IELTS】
イギリス、オーストラリア、カナダへの留学や研修、英語圏への移住申請のために英語力を証明する試験。ブリティッシュ・カウンシル等が共同運営し、日本英語検定協会が日本国内の実施・運営をしています。

 このほか、希望の大学に留学するために、日本の学校の成績を換算したGPA等の学力評価の提出もします。※GPA:海外の大学で使用されている成績評価指数

 ちなみに、TOEFLやIELTSのスコアは、あくまで英語能力基準をクリアしているという証明なので、それだけで希望の大学に入学できる資格とはなりません。
One more アドバイス
証明については、今後も各国政府や大学等で変更される可能性があります。またそれぞれの大学では基準が異なります。事前に希望する大学に留学するために必要な出願書類を調べましょう。
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【文・取材/寺本亜紀】
ライター、映像翻訳者(映画やドラマ、ドキュメンタリーの字幕翻訳・吹替翻訳)。英文科卒業。
小学校英語指導者資格取得。カナダ、アメリカ、オーストラリアで親子留学を経験。
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