“3語で伝わる”英語本、異例ヒットの裏側

『会話もメールも英語は3語で伝わります』(ダイヤモンド社)著書の中山裕木子氏 [拡大する]

『会話もメールも英語は3語で伝わります』(ダイヤモンド社)著書の中山裕木子氏

 “英語を伝えるなら3語でOK”というシンプルなロジックで、8/21付オリコン週間“本”ランキングにて累積売上部数22.4万部と、英語学習本としては異例のヒットを記録している『会話もメールも英語は3語で伝わります』(ダイヤモンド社)。著書の中山裕木子氏は、ビジネス英語の最難関である「特許翻訳」のプロフェッショナルとして活躍している。そんな彼女が、英語習得の最短ルートを提案する。幅広い人たちに支持を得た今作について、著者の中山氏と担当編集の中村明博氏に誕生秘話や、ヒットの秘訣を聞いた。

■誕生のきっかけは“日本人的発想からの脱却”

 7/24付オリコン週間“本”ランキングで、異色の作品が3位にランクインした。それが、2016年10月に発売された中山裕木子著『英語は3語で伝わります』(ダイヤモンド社刊)。2008年4月より始まったこのランキングで、英語学習本によるトップ3入りを果たしたのは、09年2/9付ランキング2位の『オバマ演説集 生声CD付き』(2008年11月発売)。それから8年5ヶ月ぶり、ランキング史上2作目となる英語学習本のトップ3入りとなったのだ。

 この異例事態に中山氏は「率直に嬉しかったです。私自身も衝撃を受けた“シンプル英語”の持つ力を再確認しました」と語った。「私自身も英語を話すときに、日本語からの直訳英語がまず浮かんでしまい、それが邪魔をしてうまく言いたいことが伝えられないという悩みがあったんです」。

 高難度な専門英語の書籍を出版するにいたる彼女でも、過去には英会話で日本語を話すようには伝えられない悩みを持っていた。英語の知識が豊富な人でもそうなのだから、大多数の人達ならなおのこと。外国人に道を聞かれて固まってしまうのも無理はない。その点、担当編集者のダイヤモンド社・中村明博氏も同じだったようで、「渋谷駅はどこですか? と英語で聞かれたら、真っ先に出てきたのは“Shibuya station is……”なんですが、そこが間違っていたんですね」と気づかされたという。

 「中山さんはこれまで、ほかの出版社さんから専門分野に特化した英語書を出版されていますが、その本の中に“日本人的発想から脱却しよう”というコラムがあるんです。それについて私から中山さんに尋ねたところ、『中村さんは書籍の編集者ですよね。「お仕事は何をされているんですか?」と聞かれたらどう答えます?』と聞き返されまして。そこで私が言ったのが『My job is an editor of……』。でも中山さんは『それでもいいんですが、“I edit books”の方がわかりやすいですよ』と。おお、これは伝わりやすい。是非、本にしましょう! というところからこの作品の企画が始まりました」(中村)。

■シンプルだとダイレクトに伝わる

 英語を3語で伝える、と聞くと、そんなことは無理だろうと思うかも知れない。だが、中学英語に立ち返ると、英文の基本中の基本はS(主語)V(動詞)O(目的語)の3語で構成されていることに気づかされる。この本で紹介している“シンプル英語”というのは、とりもなおさずこの基本構造に立ち返ったものなのだ。

 「ネイティブスピーカーの方のようにペラペラとしゃべることができないと英会話ができるとは言えない、という考え方が、多くの日本人が抱えている間違い。英語圏の方の日常会話は、難しい構文を使っているわけではありません。SVOの基本文型を主体に使えば、こちらが伝えたい意図は伝わるんですよ。大事なことを伝えたいというシーンであればあるほど、シンプルな方がダイレクトに伝わります」(中山)。

 どのような人が購買しているのか訪ねたところ、「意外なことに、購買層の中心は50代以上の年配の方なんです。「もう一度、英語を勉強してみようと思った」というお電話をいただきますし、“孫と一緒に勉強するために2部購入”という方もいらっしゃいました。また、30〜40代の働き盛りのビジネスパーソンから感想ハガキをいただいたこともあり、幅広い読者の皆さまからご支持いただいております」(中村)。

 7月8日に日本テレビ系で放映された『世界一受けたい授業』に中山さんが出演し、10の動詞を使って、3語で伝わる英文を作るという実演を披露して大きな話題を呼んだ。この放映がこの作品の売り上げを後押ししたのは間違いないが、それだけ“英語でコミュニケーションをとってみたい!”という人が多いという現れでもあるのだろう。

(文/よしひろ・まさみち)

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