2017年06月07日 08時20分
「毎朝僕のためにみそ汁を作ってくれないか」 英語でどう伝える?
「私のみそ汁を毎朝作ってくれますか?」 日本語特有の言い回しを英語にするには?
英語の言い回しを覚えていくと、日本語独特の表現をどう訳すのかを考えることがある。言語は文化のひとつであるため、例えば「いただきます」を英語では「Let's eat.」というように、直訳できない言い回しもある。そういった場合は、シチュエーションやコンセプト的に近い表現を考えるのが望ましい。
そこで今回は、DMM英会話が出版した『英語のプロ300人に聞いた 日本人のための 絶妙な言い回しフレーズブック』(明日香出版社)から、おもしろい例を紹介しよう。
「毎朝僕のためにみそ汁を作ってくれないか?」は、日本人男性がプロポーズで使いそうなフレーズのひとつ。そのまま英語に訳すと次のようになる。
「Will you make miso soup for me every morning?」
毎朝僕のためにみそ汁を作ってくれないか?
日本人の男女であれば何を意味するかは理解できるが、欧米人には通じない。同書では、結婚のプロポーズという設定のもとで、2つのフレーズを紹介している。例文と訳を抜粋し、解説しよう。
(1)「Will you make my miso soup every morning, for the rest of our lives?」
残りの人生、私のみそ汁を毎朝作ってくれますか?
<解説>
上記の例文は、「Will you make me miso soup every morning, for the rest of our lives?」にしてもOK。「残りの人生ずっと」を意味する「for the rest of our lives」が使われているので、外国人にとって、みそ汁を作る意味はわからなくても、“ずっと一緒にいよう”という約束をしようとしていることがわかる。ちなみに、「make my miso soup」は「私のみそ汁を作る」で、「make me miso soup」は「私のためにみそ汁を作る」という違いがある。
(2)「Will you make miso soup with me every morning for the rest of our lives?」
残りの人生、毎朝僕と一緒にみそ汁を作ってくれないか?
<解説>
(1)は、相手に対して「自分のためにみそ汁を作って欲しい」と言っているが、(2)は、一緒に作ろうと言っている。家事を相手に任せるのか、共同作業にするのか、お互いの文化的価値観によって、問いかけ方も変わってくる。
外国人相手に使う機会はほとんどないフレーズだが、英語に直してみたくなる表現ではないだろうか。抜粋で紹介した例文のように、「for the rest of our lives」をつけることで、文脈を補うことはできる。よりストレートに伝えようと思うと、「毎朝一緒にみそ汁を飲む」=「生涯を共にする」となるので、「Will you spend the rest of your life with me? (残りの人生を私と過ごしてくれませんか?)」となる。
英語に直訳する場合、言葉を補わないと伝わらない表現は多々ある。英語にしにくい日本語のフレーズは、シチュエーションやコンセプトを意識して、柔軟性をもたせていこう。
(記事/柏野裕美)
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